編集部
安全とセキュリティは、現代の社会での絶対的な要求となっています。技術の進化、国際的なテロの増加、そしてサイバーセキュリティの課題など、様々な要因が私たちの日常におけるセキュリティの必要性を増大させています。そんな中、世界の警備保障サービス会社は、個人から企業、国家までの安全を守るための役割を果たしています。この記事では、2023年最新のデータを基に、時価総額における世界の警備保障サービス会社ランキングTOP26を紹介します。各企業の特色やランキングの背景にはどのような要因が影響しているのか、深く探ることでその現状と今後の展望を明らかにします。
世界の警備保障サービス会社ランキング時価総額TOP26
下記の世界の警備保障サービス会社ランキング一覧は、本メディアReinforz Insightが各社の公表情報を元に集計している時価総額ランキングです。時価総額は、各企業の株式時価に基づいて算定されており、企業の実質的な価値を示す指標となります。
このランキングを元に分析すると、以下が特徴として見えてきます。
- 地域的な分布:
- 日本の企業が最も多く、合計8社がランキングに名を連ねています。
- アメリカは3社で続き、その後は複数の国が1〜2社程度ずつリストされています。
- 時価総額:
- トップ3の企業は20,000億円以上の時価総額を持っています。特に1位のRentokil Initial PLCは25,388億円と、2位のセコムに対して約2,000億円の差を持っています。
- ランキングの下位に行くほど、時価総額の差が小さくなっており、21位以降は時価総額が100億円未満となっています。
- 産業の特徴:
- リストから、多くの企業がセキュリティや警備に関連する事業を行っていると推測されます。例としては「セコム」や「綜合警備保障」、「Securitas AB」などが挙げられます。
- ただし、一部、特定の産業や事業内容が明確でない企業も存在しています。たとえば、「Johnson Pharmacare Ltd」や「Greatwalle Inc」などの名前だけでは、具体的な事業内容を特定するのは難しいです。
- 時価総額の範囲:
- 時価総額が最も高い企業は「Rentokil Initial PLC」で25,388億円、最も低い企業は「Johnson Pharmacare Ltd」で4億円です。この差は非常に大きく、産業内の企業規模や市場の評価の幅が広いことを示しています。
以上の情報をもとに、この産業は大手と中小企業との間に明確なギャップがあり、各企業の市場の評価や規模が大きく異なる可能性が高いことが読み取れます。また、多くの企業がアジアや北アメリカに集中しており、これらの地域が市場の主要なプレイヤーとしての地位を確立している可能性があります。
以下は、ランキングトップ5にランクインしている企業です。
1位：Rentokil Initial PLC（イギリス）
Rentokil Initialは、害虫駆除や衛生管理サービスを提供するイギリスの多国籍企業で、世界中で活動しています。
世界的な規模の展開と、そのビジネス領域における高い専門性と実績が背景にあります。衛生管理や害虫駆除は多くの企業や住宅で必要とされるサービスであり、Rentokilはこの分野での長い実績と高いブランド価値を持っています。
2位：セコム（日本）
セコムは、日本を中心に警備・セキュリティサービスを提供する企業です。
日本国内での圧倒的なシェアとブランド力があり、また海外展開も行っている。技術的な先進性やサービスの質も高いため、多くの企業や施設での採用が拡大しています。
3位：Axon Enterprise Inc（アメリカ）
Axonは、主に法執行機関向けのTaserスタンガンやボディカメラなどの製品を提供するアメリカの企業です。
ボディカメラやTaserのような製品は、近年の警察の透明性や公平性を求める動きの中で、急速に普及しています。Axonはこの市場の先駆者として、高いシェアと認知度を持っています。
4位：Securitas AB（スウェーデン）
Securitasは、スウェーデンを基盤とする警備・セキュリティサービスを提供する企業で、世界各地での事業展開を行っています。
世界中での広範囲な展開と、多岐にわたるセキュリティサービスの提供が、企業や公共施設などの広い顧客基盤を持つ要因となっています。
5位：綜合警備保障（日本）
綜合警備保障は、日本の警備サービス会社で、物件警備や輸送警備などのサービスを提供しています。
日本国内の警備市場においての長い実績と、高いサービス品質が背景にあります。また、災害時の対応や大規模イベント時の警備など、多岐にわたるニーズに応える能力が評価されています。
上記の5社は、それぞれの地域や市場での高い認知度や実績、ブランド力がランキング上位に位置する大きな要因となっていると言えるでしょう。また、セキュリティや警備といった分野は、社会的な安全を求めるニーズが高まる中での成長が期待されている分野でもあります。
【世界の警備保障サービス会社ランキング：時価総額TOP29リスト】
※対象となる警備保障サービス会社として「上場企業」かつ「警備保障サービス業を展開している企業」
※対象決算期はデータ入手が可能な直近決算期を採用
※時価総額は記事執筆時点（2023年8月19日）の株価および為替レートで算出
| ランキング | 企業名 | 所在国 | 決算期 (決算期) | 時価総額（億円） |
| 1 | Rentokil Initial PLC | イギリス | 2022/12 | 25,388 |
| 2 | セコム | 日本 | 2023/03 | 23,400 |
| 3 | Axon Enterprise Inc | アメリカ | 2022/12 | 20,498 |
| 4 | Securitas AB | スウェーデン | 2022/12 | 6,480 |
| 5 | 綜合警備保障 | 日本 | 2023/03 | 4,514 |
| 6 | The Brink’s Co | アメリカ | 2022/12 | 4,494 |
| 7 | Loomis AB | スウェーデン | 2022/12 | 2,745 |
| 8 | Taiwan Secom Co., Ltd. | 台湾 | 2022/12 | 2,066 |
| 9 | S-1 Corp | 大韓民国 | 2022/12 | 1,983 |
| 10 | Prosegur Compania De Seguridad SA | スペイン | 2022/12 | 1,692 |
| 11 | The GEO Group Inc | アメリカ | 2022/12 | 1,230 |
| 12 | SIS Ltd | インド | 2023/03 | 1,109 |
| 13 | Beijing Aerospace Changfeng Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 1,103 |
| 14 | Dito CME Holdings Corp | フィリピン | 2022/12 | 755 |
| 15 | Taiwan Shin Kong Security Co., Ltd. | 台湾 | 2022/12 | 667 |
| 16 | PT MNC Land Tbk | インドネシア | 2022/12 | 520 |
| 17 | セントラル警備保障 | 日本 | 2023/02 | 437 |
| 18 | Radiant Cash Management Services Ltd | インド | 2023/03 | 175 |
| 19 | 東洋テック | 日本 | 2023/03 | 118 |
| 20 | トスネット | 日本 | 2022/09 | 56 |
| 21 | 共栄セキュリティーサービス | 日本 | 2023/03 | 44 |
| 22 | Senstar Technologies Ltd | イスラエル | 2022/12 | 38 |
| 23 | Akdeniz Yatirim Holding AS | トルコ | 2022/12 | 37 |
| 24 | アール・エス・シー | 日本 | 2023/03 | 21 |
| 25 | Greatwalle Inc | 香港 | 2023/03 | 18 |
| 26 | Johnson Pharmacare Ltd | インド | 2023/03 | 4 |
出典：各社プレスリリースなど
世界の警備保障サービス会社ランキングの有用性
警備保障サービス会社の世界ランキングを参照することには、多くの有用性やメリットが存在します。以下に、その有用性を詳しく考察します。
- 市場認識の向上:世界的なランキングを参照することで、どの企業がこの分野でのリーダーであるのか、またその企業の強みや特徴を理解することができる。
- 投資判断の補助:投資家やアナリストはランキングを参考に、企業の経済的健全性や市場での位置づけを判断する材料として使用できる。
- 業界の動向の把握:ランキングの変動や新規参入企業の出現などを通じて、業界のトレンドや動きをキャッチすることができる。
- 業界の拡大・縮小の判断材料:ランキングに掲載されている企業の時価総額の上昇や下降を見ることで、業界全体の健康状態や将来の展望を推測することができる。
- 競合分析:企業自体が自らの位置を知り、競合他社との比較を行うことで、戦略的な意思決定や新たな事業展開の方向性を決める際の参考情報として活用できる。
- マーケティングやPRの材料:ランキング上位の企業は、その地位をマーケティングや広報の材料として使用することができ、信頼性やブランド力の向上に寄与する。
- パートナーシップの検討:事業展開や提携を考える際に、ランキングを参考に信頼性の高い企業や戦略的に合致する企業を見つけ出すことができる。
- 新規参入の判断材料:企業や起業家が新たに警備保障サービス業界への参入を検討する際、ランキングを参照して市場の状況や競合状況を判断する材料として活用できる。
- 業界の信頼性向上:透明性のあるランキングが存在することで、消費者やクライアントが業界全体の信頼性や信用度を高めることが期待できる。
以上のように、警備保障サービス会社の世界ランキングは、多岐にわたる有用性を持ち、多くの関係者にとって有益な情報として活用されることができます。
世界の警備保障サービス会社ランキング：変化を与える要素
世界の警備保障サービス会社ランキングに変化を与える要素は、以下の通りです。
技術革新
新しい技術の採用、特にAIやロボティクス、ドローン技術、顔認識システムなどの導入は、サービスの効率と効果を向上させる可能性がある。
規制と法律
各国の安全・セキュリティ関連の規制や法律の変更は、企業の運営やサービス提供方法に影響を及ぼす。
経済状況
経済の好不況や市場の縮小、拡大は、需要の変動や企業の収益に影響を及ぼす。
社会的・政治的事件
サイバー攻撃、テロ、自然災害、政治的不安などの社会的・政治的な出来事は、セキュリティの需要を高める可能性がある。
企業のM&A（合併・買収）
大手企業の合併や新規参入企業の買収は、ランキングの位置関係に大きな変動をもたらす可能性がある。
企業の経営戦略
新しい市場への進出、新しいサービスの提供、あるいは特定の地域やセクターからの撤退などの経営戦略の変更は、企業の業績や評価に影響を及ぼす。
顧客のニーズと期待の変化
テクノロジーの進化や社会的な変化により、顧客のセキュリティに関するニーズや期待が変わる可能性がある。
競合の戦略
競合他社の戦略や動き、新規参入企業の出現は、市場内での企業の位置付けやシェアに影響を及ぼす。
企業の評判やブランド力
不祥事や事故、スキャンダルなどが発生した場合、企業の評判が低下し、ランキングに影響を及ぼす可能性がある。
研究開発の成果
技術やサービスの研究開発によって、新しいサービスや製品を市場に導入することで、競争優位性を確立することが可能となる。
これらの要素は、企業の時価総額や評価に影響を及ぼす可能性があり、それがランキングの変動の原因となる場合があります。それぞれの要素は連動しており、複数の要素が同時に影響を及ぼすことも考えられます。
まとめ
2023年の世界の警備保障サービス会社ランキング時価総額TOP26を通じて、各国のセキュリティ業界の動向や影響を受ける要因を探ることができました。技術革新や経済状況、そして社会的・政治的事件など、多岐にわたる要素がランキングの変動や企業の業績に影響を及ぼしています。これからも、これらの要因は変動し続けることでしょう。私たちの安全を守るこれらの企業には、変わりゆく環境に適応し、更なる成長と革新が求められています。セキュリティの世界は絶えず進化しており、今後の動きから目を離すことはできません。