2018年には約900万トンの家具が埋め立て地に送られたとEPAは推定している。リモートワークへの移行が加速したパンデミックの影響で、2019年から2021年にかけて急速な家具産業の成長が見られ、廃棄問題はさらに悪化している。サステナブルな製品への消費者の需要と支払い意欲の増加に応え、企業は環境への影響を減らすためのステップを踏み始めている。
IKEAは、2030年までに完全に循環型となることを目指し、持続可能性戦略において大胆な気候目標を掲げている。しかし、シカゴのマーチャンダイズ・マートで開催されたNeoConコンベンションを歩いていると、サステナビリティはマーケティング資料の最前線にあることが明らかだった。責任ある「クリーンインパクト」手法を掲げるパンフレットやバナーがあふれている。
一方で、高級ブランドは「炭素中立」という用語を取り入れ始めているが、その入力や結果には疑問が投げかけられている。国連気候変動枠組条約は、炭素中立を「温室効果ガス排出量を、地球の自然吸収によって相殺することで、ネットゼロに達する」と説明している。しかし、植物による相殺は問題があると、建築家で気候研究者のミシェル・アディントンは指摘する。
家具廃棄問題と炭素中立の現状
環境保護庁によると、2018年には約900万トンの家具が廃棄され、埋め立て地に送られた。この数は、パンデミックによるリモートワークの普及と共に、急速に成長する家具産業によってさらに増加している。消費者はサステナブルな製品に対し、より多くの支払いをいとわなくなっており、企業もこれに応える形で環境への影響を減らすための措置を講じ始めている。
IKEAはその一例で、2030年までに使用する材料をすべてリサイクルまたは再生可能なものにし、ゼロ廃棄を目指すという野心的な目標を掲げている。しかし、サステナビリティは単なるマーケティングの手法に過ぎないのか、それとも実際に環境への影響を減らすための実質的なステップなのか、その実態はまだ明らかではない。
高級ブランドによる炭素中立への取り組み
高級家具市場では、炭素中立という概念が新たなマーケティング戦略として登場している。例えば、Steelcaseは2022年に最初の炭素中立タスクチェアを発表し、その後他のタスクチェアにもこの認証を拡大している。これらの製品は、再生可能エネルギーや森林復元、効率的な調理器具、電気交通支援プロジェクトを通じて、生産と配布によって排出される炭素を相殺している。
しかし、炭素を相殺する方法として植物を植えることには問題があると、建築家で気候研究者のミシェル・アディントンは指摘する。彼女によれば、植えられる作物は通常単一文化であり、そのような植樹は寿命が限られている。企業はこれらの植物が死んで腐敗する際に放出される炭素を計算に入れていない。
サステナビリティへの新しいアプローチ
サステナビリティに対する新しいアプローチは、単に炭素中立を謳う以上のものを必要としている。小規模な家具メーカーは、不透明な炭素中立のマーケティング手法やオフセットの購入を超え、製品の材料、調達、ライフサイクルに深く潜り込む試みを行っている。Sabaiの共同創業者であるPhantila Phataraprasitは、オフセットを通じた後付けの対策ではなく、生産の全段階で廃棄物を減らすことを「積極的に」考えたいと述べている。
耐久性と品質に焦点を当てることはサステナビリティにおける一つの方法であるが、それを超える余地がある。使用される材料、供給チェーンの設定、修理や寿命延長への対応など、さまざまな側面からサステナビリティを考慮する必要がある。Sabaiの家具に使用される製品の大部分は地元で調達され、倫理的な労働慣行を用いてノースカロライナ州でオーダーメイドされている。
持続可能な消費に向けての再考
持続可能な消費に向けた再考は、私たちが製造する方法、そして重要なことに、消費する方法に根本的な変化を求めている。アディントンは、「私たちは何を作るか、何を建てるかを考えたいが、実際には行動を変えたくない」と述べている。炭素オフセットはそのような「簡単な解決策」であるが、彼女は、私たちが必要とするアーティファクトやシステム、構造を完全に再考することを提唱している。
私たちが新しい椅子を本当に必要としているかどうかを問うことは、複雑な問題である。しかし、The Onionに掲載された研究によれば、答えは「いいえ」である。サステナビリティへのアプローチを完全に監査し、物理の法則に従って、環境へのダメージは決して完全には逆転できないことを忘れずに、新しいものを購入する必要があるときは、そのことを常に念頭に置くべきである。
環境問題のマスクをかぶった炭素中立の虚像
炭素中立という言葉は、環境問題に対する魔法の杖のように振りかざされているが、その実態はしばしば煙幕に過ぎない。高級家具市場での炭素中立の取り組みは、地球温暖化という猛獣に対する小さな盾のようなものだ。企業はその盾を高く掲げ、消費者の目を惹きつけるが、その裏で猛獣は依然として暴れ続けている。炭素をオフセットするという行為は、環境への影響を減らすというよりも、むしろその影響を他所に押し付けることに他ならない。
サステナビリティという名の船に乗り遅れないように、多くの企業が炭素中立という帆を掲げているが、その多くは風向きを読むことなくただ漂っているに過ぎない。炭素中立という言葉は、環境問題への真の解決策を提供するというよりも、企業のイメージを緑色に塗り替えるための便利なツールと化している。消費者はこの緑のヴェールを見抜き、本当の環境への影響を考慮した購入を心がけるべきである。
このような状況は、サステナビリティの追求という海での航海において、真の北を見失っていることを示している。炭素中立という羅針盤が示す方向は、しばしば誤ったものであり、真の環境保護という目的地には導かない。消費者として、企業として、我々はより深い洞察と、環境に対する真の責任を持つ必要がある。