ドイツに本社を構える自動車メーカーのポルシェが、4車種の新型EVの投入を発表した。今回発表されたのはマカン・カイエン・ボクスター・ケイマンの4車種で、2024年から順次販売される予定である。
ポルシェは以前から環境保護に対する思いが強く、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡するカーボンニュートラルへの取り組みを行っている。今回の新型EV投入も環境保護に対する取り組みの一環だ。
発表では、新型EVの投入とともに、現在ポルシェが行っているCO2排出量をゼロにするための施策や環境保護に対する考えについても紹介された。
ポルシェが新型EV4車種の投入を発表
高級自動車メーカーのポルシェが、4車種の新型EVの販売を発表した。今回販売されるのは、マカン・カイエン・ボクスター・ケイマンの人気4車種で、2024年からの投入が予定されている。4車種とも、EVとともにガソリン車も販売する。
現在公表されている詳細は以下の通り。
- マカンEV:デュアルモーター搭載で、最高出力611ps・最大トルク102kg-mのスポーティーな車。2024年に販売予定。
- カイエンEV:航続距離が、メルセデス・ベンツEQS SUVの約580kmを上回る。2025年に販売予定。
- 718ケイマン/ボクスター:ミドエンジンの特性に似た電動スポーツカー専用プラットフォームを採用予定。2026年ごろに発売。
ポルシェは現在、全ラインナップの電動化に向けて注力している。今後も多くの車種でEVの投入が検討されるだろう。
長年環境保護に取り組んできた
かねてより、2025年までの販売台数の半数を電動パワートレイン搭載車にし、2030年までには販売台数の8割をEVにする目標を掲げてきたポルシェ。
環境保護に積極的に取り組んでおり、EVの生産が環境に悪影響を与えぬよう、2030年までにサプライチェーン全体をカーボンニュートラルにするとの目標もあるようだ。
そもそもポルシェの環境保護に対する取り組みの歴史は長く、1999年にカイエンを生産するための新工場の建設地に、ライプツィヒ近郊の旧軍事試験場が選ばれたことが最初のきっかけである。この施設はドイツ帝国時代から約1世紀使われていたため、事前に軍事品の撤去が必要で、建設までに3年間の猶予をもらっていた。
建設の際は、施設面積の半数近くに値する130ヘクタールを「生態系補償地域」に指定することで、生産によって環境に与える影響を相殺するコンセプトが採用された。現在もこの施設には138種類の鳥たちが集まっており、施設の維持が環境保護に一躍買っていることが分かる。
さらに長期的な環境保護のため、次世代教育にも積極的だ。
施設内を巡るサファリツアーを7歳以上の子供達に提供しており、自然や環境について、持続可能な方法で関わる手段を伝えている。
ポルシェの環境保護への取り組みは2000年ごろから始まっており、現在も続いている。
将来を見据えた次世代教育にも力を入れているため、ポルシェのサファリツアーで学んだ子供たちが活躍する未来も期待できるだろう。
ポルシェの考える環境保護の方法とは
ポルシェが考えるエネルギー戦略は主に2つ。
・持続可能なエネルギーのみの利用
・使用量の削減
特に持続可能なエネルギーに対する取り組みは大きな成果を見せており、シュトゥットガルト工場では、自然エネルギーに転換した結果、年間のCO2排出量を9万500トン削減することに成功した。その他にも以下のような方法で環境保護に取り組んでいる。
【プラスティックの排除】
自社製品から可能な限りのプラスティックを排除。
この取り組みは、サプライヤー(部品を製造して供給・納入する業者)と協力して行っている。たとえプラスティックが必要な場合でも、再利用が不可能な着色プラスティックは使用しない。ポルシェの工場内では、プラスティックを取り除いた台車も使用している。
【水質汚染物質の削減】
工場排水中の汚染物質や有害物質を最小限にする取り組みを実施。
こうした環境保護の取り組みを積極的に行っているポルシェだが、単独でできることは限られていて、どの取り組みもパートナーの協力が必要であると謙虚な姿勢を見せた。
ポルシェとポルシェのビジネスパートナーの取り組みが、今後の環境保護にどれだけ貢献するのか楽しみである。
会社概要
- 会社名:ポルシェ
- 所在地:ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州シュトゥットガルト
- 設立:1931年
- 代表:オリヴァー・ブルーメ
- 事業内容:自動車の製造、販売
- URL:https://www.porsche.com/international/