編集部
ソニーグループは、2024年のCES®で、技術による創造性の強化をテーマに、革新的なVR/AR技術とその応用を展示しました。このイベントでは、映像制作、ゲーム、音楽など多岐にわたる分野での最新技術が披露され、ソニーがクリエイターの創造力をどのようにサポートしているかが示されました。
次世代の映像制作技術から、PlayStation®5の最新ハードウェア、ファンエンゲージメントを高める新しい取り組みまで、ソニーはエンタテインメントとテクノロジーの融合を通じて、新たな感動体験を創出しています。この記事では、ソニーグループが2024年にどのような新境地を切り開いたのかを詳しく掘り下げていきます。
CES®2024でのソニーグループの展示概要
2024年のCES®では、ソニーグループが「Powering Creativity with Technology」というテーマのもと、VR/AR技術を中心に多彩な展示を行いました。この展示は、クリエイターの創造力をサポートし、エンタテインメント業界に新たな可能性をもたらすことを目的としています。ソニーは、映像制作、音楽、ゲームなどの分野で、最新の技術と革新的なアプローチを披露しました。これにより、ビジネスパーソンやクリエイターは、ソニーの技術がいかに業界の未来を形作るかを理解する機会を得ました。
CES®2024でのソニーの展示は、最先端の技術とクリエイティブなアイデアの融合を示すものでした。例えば、映像制作のための新しいソリューションや、ゲームとリアルな体験を結びつけるファンエンゲージメントの取り組みなどがあります。これらの展示は、エンタテインメント業界の将来に大きな影響を与える可能性があり、ビジネスの世界においても注目されています。
クリエイターを支える新たな映像制作技術
ソニーグループは、クリエイターを支援するための新しい映像制作技術をCES®2024で披露しました。これらの技術は、映画製作者やビデオクリエイターがよりリアルで没入感のある映像を制作できるように設計されています。例えば、ソニーのデジタルシネマカメラ「VENICE」を使用した撮影手法や、リアルタイム3D製作ツール「Unreal Engine」との協業によるビジュアライゼーション施設「Torchlight」などがあります。
これらの技術は、映像制作のプロセスを大きく変革する可能性を秘めています。Torchlightは、映画製作者が撮影前にリファレンスとなる映像の制作を可能にし、制作プロセスの効率化とクオリティの向上を実現します。また、ソニーはバーチャルプロダクションの普及を推進し、イメージング、センシング、ディスプレイ技術を組み合わせることで、新しいコンテンツ制作手法を提供しています。
これらの技術革新は、映像制作業界におけるクリエイティビティの限界を広げ、新たな表現の可能性を開くことに寄与しています。ビジネスパーソンやクリエイターは、これらの技術を活用することで、より高品質で革新的な映像コンテンツを制作できるようになるでしょう。
PlayStation®5の最新ハードウェアとソフトウェア
CES®2024でソニーグループは、PlayStation®5（PS5®）の最新ハードウェアとソフトウェアを展示しました。これには、小型化されたPS5の新モデルや、PS5ゲームをリモートで楽しむためのPlayStation Portal™リモートプレーヤー、PULSE Explore™ワイヤレスイヤホン、Access™コントローラーなどが含まれます。これらの製品は、ゲーム体験をさらに豊かにし、ユーザーに新たな遊び方を提供します。
特に注目されたのは、PS5およびPlayStation®VR2（PS VR2）で体験できる『グランツーリスモ7』のレーシング筐体です。これは、没入感の高いゲーム体験を提供し、リアルなレーシングシミュレーションを可能にします。また、Naughty Dogが開発した『The Last of Us Part II Remastered』の新モード「NO RETURN」も、PS5でのプレイが可能です。
これらの最新ハードウェアとソフトウェアは、ゲーム業界におけるソニーの革新的な取り組みを示しています。ユーザーはこれらの製品を通じて、よりリアルで没入感のあるゲーム体験を楽しむことができ、ゲーム開発者にとっても新たな可能性が広がります。
ファンエンゲージメントのための新しい取り組み
ソニーグループは、ファンエンゲージメントを高めるための新しい取り組みをCES®2024で発表しました。これには、リアルとバーチャルの融合を通じてファンに最先端の体験を届けることが含まれます。例えば、マンチェスター・シティ・フットボール・クラブとのオンラインファンコミュニティの実証実験や、Hawk-Eye Innovationsのトラッキング技術、Beyond Sportsのビジュアライゼーション技術を活用した新しいスポーツ体験などがあります。
これらの取り組みは、スポーツの領域でファンエンゲージメントを進化させるもので、若年層を含む多様なオーディエンスに向けた新しい体験を提供します。特に、バーチャル・エティハド・スタジアムでの新しいコンテンツ視聴や、チーム・選手への熱い思いを表現する体験は、ファンにとって魅力的です。
ソニーのこれらの取り組みは、エンタテインメント業界におけるファンエンゲージメントの新たな可能性を示しています。これにより、ファンはリアルタイムでのエンゲージメントを深めることができ、ブランドやクリエイターはファンとのより強い結びつきを築くことが可能になります。
次世代のイマーシブな音楽体験
CES®2024でソニーグループは、次世代のイマーシブな音楽体験を紹介しました。これには、ゲームエンジンやバーチャルプロダクション技術を活用した新しい音楽体験が含まれます。例えば、Columbia RecordsのアーティストInikoの曲「Jericho」のミュージックビデオと、それを基にFortnite上に作られた島「Journey Through Jericho」が展示されました。これらは、ソニーのバーチャルプロダクション技術とEpic GamesのFortnite向けUnreal Editorを使って生み出されたものです。
また、Fortnite上の新しい音楽中心の島Nitewaveや、音楽関連のゲームやバーチャルグッズ収集を中心としたRobloxの新しい音楽ゲーム「AVNU：Where Music Meets」も紹介されました。これらの取り組みは、アーティストがゲームのプラットフォームなどのエンタテインメントの場でファンとのエンゲージメントを拡大する新たな機会を提供します。
ソニーのこれらのイニシアティブは、音楽業界における新しい表現方法とファンとの関わり方を示しています。アーティストとファンがバーチャル空間で直接交流し、共有する体験は、音楽業界に新たな動きをもたらすでしょう。
ソニー・ピクチャーズのバーチャルリアリティ戦略
ソニーグループは、CES®2024でソニー・ピクチャーズのバーチャルリアリティ（VR）戦略を展開しました。これには、最新のクロスプラットフォーム、マルチプレイヤーVRゲーム『Ghostbusters: Rise of the Ghost Lord』の展示が含まれます。このゲームは、PS5向けの最新世代バーチャルリアリティシステムであるPS VR2を使用し、視覚トラッキングやヘッドセットのフィードバック、PS VR2 Senseコントローラーのアダプティブトリガーを体験できます。
Sony Pictures Virtual Realityは、VRゲームの制作および販売を通じて、家庭内やロケーションベースエンタテインメントを含むさまざまな場所で没入型エンタテインメントを提供します。これにより、SPEのIPを活用し、新しいファン体験を創出しています。
ソニー・ピクチャーズのこの戦略は、映画やテレビ番組の世界をVRを通じて体験する新しい方法を提供し、エンタテインメント業界におけるVRの可能性を拡大しています。これは、映画ファンにとって新たな楽しみ方を提供し、映画産業に新しいビジネスモデルをもたらす可能性があります。
モビリティ空間の進化と安全性向上
CES®2024でソニーグループは、モビリティ空間の進化と安全性向上に関する最新技術を展示しました。特に注目されたのは、「Safety Cocoon」と呼ばれるコンセプトです。これは、自動車の周囲360度を検知し、早期に危険回避行動を支援することで車の安全性を高める技術です。ソニーは、肉眼を超える解像度や感度を追求したセンシング技術により、モビリティの「眼」として車の安全性を高め、新たな移動体験の実現に貢献しています。
この技術は、自動運転車の開発において重要な役割を果たす可能性があります。センシング技術の進化により、自動車はより多くの情報を収集し、より正確な判断を下すことが可能になります。これにより、交通事故の減少や、より快適で安全なドライビング体験が実現されることが期待されます。
ソニーのこの取り組みは、モビリティ業界における安全性と快適性の向上に大きく貢献すると同時に、自動運転技術の発展にも影響を与えるでしょう。これは、自動車メーカーや関連企業にとって、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があります。
エンタテインメントとテクノロジーの融合
CES®2024でソニーグループは、エンタテインメントとテクノロジーの融合による新しい取り組みを披露しました。これには、映像制作、音楽、ゲームなどの分野での最新技術の展示が含まれます。ソニーは、これらの分野において、革新的な技術を活用し、新たなエンタテインメント体験を創出しています。例えば、バーチャルプロダクションやリアルタイムレンダリングを活用した映像制作、ゲームエンジンを用いた音楽体験の拡張などがあります。
これらの取り組みは、エンタテインメント業界における新しい表現方法と体験の提供を可能にします。ソニーの技術は、クリエイターがよりリアルで没入感のある作品を制作するための強力なツールとなり、エンドユーザーにはこれまでにない体験を提供します。
ソニーのエンタテインメントとテクノロジーの融合は、業界の未来を形作る重要な要素です。これにより、エンタテインメント業界は新たな創造性とイノベーションの波を迎え、ビジネスの可能性を広げることができます。
ロケーションベースエンタテインメントの新展開
CES®2024において、ソニーグループはロケーションベースエンタテインメントの新たな展開を披露しました。これには、センシングやインタラクティブ技術を活用した没入体験のPoC（Proof of Concept：概念実証）が含まれます。これらの技術は、クリエイターに新たな表現の場を提供し、コンテンツIPの価値を広げるために開発されました。例えば、独自の触覚提示技術（ハプティクス）、広範囲で多人数のセンシングが可能なマーカレスモーションキャプチャーなどが展示されました。
これらの技術は、エンタテインメント施設やイベントでの体験を大きく変革する可能性を持っています。来場者は、これまでにないリアルなインタラクティブ体験を楽しむことができ、クリエイターは新しい形の物語性やエンタテインメントを提供できます。特に、ソニーのモバイルモーションキャプチャー「mocopi™」を活用した「ゴーストバスターズ」のイマーシブな世界の体験は、来場者に大きな印象を与えました。
このようなロケーションベースエンタテインメントの新展開は、エンタテインメント業界に新たなビジネスモデルと顧客体験をもたらすことが期待されます。これは、エンタテインメント施設の運営者やイベント企画者にとって、新しい収益源となる可能性があります。
ソニーグループの持続可能な取り組み
CES®2024でソニーグループは、持続可能な取り組みにも焦点を当てました。特に注目されたのは、ブースのデザインにおける環境負荷低減の取り組みです。展示パネルには、ソニーが開発した環境に配慮した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」が使用されました。この素材は、産地を特定した竹、さとうきび、市場回収したリサイクル紙を原料に開発されています。
また、ソニーは展示ブースの構造体を減らすデザインや、昨年使用した素材の再利用など、環境負荷を低減するための工夫を行いました。これらの取り組みは、エンタテインメント業界における持続可能性の重要性を示し、他の企業にも影響を与える可能性があります。
ソニーグループのこのような持続可能な取り組みは、環境への配慮とビジネスの成長を両立させる新しいアプローチを示しています。これは、エンタテインメント業界だけでなく、他の業界においても持続可能性を重視する動きを加速させるでしょう。
未来を見据えたソニーグループのビジョン
CES®2024におけるソニーグループの展示は、未来を見据えた同社のビジョンを明確に示しています。ソニーは、テクノロジーによってクリエイティビティに力を与え、クリエイターの発想を実現することにコミットしています。これには、映像制作、音楽、ゲーム、モビリティなど、多岐にわたる分野での革新的な取り組みが含まれます。
ソニーのビジョンは、テクノロジーとクリエイティビティの融合を通じて、新たな感動体験を創出することにあります。これは、エンタテインメント業界における新しいトレンドを形成し、ビジネスの可能性を広げることに貢献します。また、持続可能性への取り組みを通じて、社会全体に対してもポジティブな影響を与えることを目指しています。
このビジョンは、ソニーグループが今後もエンタテインメント業界のリーダーとして、革新的な技術とクリエイティブなアイデアを提供し続けることを示しています。これは、ビジネスリーダーやクリエイターにとって、新しいインスピレーションとなるでしょう。
まとめ：2024年CES®で見せたソニーグループの未来ビジョン
CES®2024でソニーグループが展開した一連の展示は、テクノロジーとクリエイティビティの融合による新たなエンタテインメント体験の創出を目指しています。最新のPlayStation®5ハードウェアから、イマーシブな音楽体験、バーチャルリアリティの進化、そしてモビリティ空間の安全性向上に至るまで、ソニーは多岐にわたる分野で革新を推進しています。
これらの取り組みは、エンタテインメント業界における新しいトレンドを形成し、ビジネスの可能性を広げると同時に、持続可能性への配慮も忘れていません。ソニーグループのビジョンは、テクノロジーを活用してクリエイティビティを強化し、社会全体にポジティブな影響を与えることにあります。
このビジョンにより、ソニーグループはエンタテインメント業界のリーダーとして、今後も革新的な技術とクリエイティブなアイデアを提供し続けることが期待されます。これは、ビジネスリーダーやクリエイターにとって新しいインスピレーションの源となるでしょう。