インターネット上の仮想空間で、自分好みのアバターを設定して利用者との交流を楽しめる「メタバース」。
メタバース市場の新たな可能性に着目した、「三菱UFJ」「三井住友」「みずほ」の大手金融機関と損害保険ジャパンはタッグを組み、メタバースで使用できる決済手段や本人認証などを共通化する新たな基盤作りに挑戦する。
これらが実現すれば、メタバース空間がより手軽なものへと変化するだろう。
複数の企業がメタバース空間の新たな基盤作りに挑戦
国内のメガバンクグループ「三菱UFJ」「三井住友」「みずほ」の3社と損害保険ジャパンなどが手を組み、メタバース空間の決済情報などを共通化する新たな基盤作りを行うことが発表された。
この基盤作りには多くの企業が参加を表明しており、メガバンクの各グループ会社はもちろん、「富士通」や「凸版印刷」などの大手企業や、メタバース空間に着目しているIT企業も加わる予定だ。これらの参加表明企業とは、2023年2月中に基本合意書を締結する見通しがたっている。
現在メタバースでは、それぞれの空間で決済情報や本人認証を登録する必要がある。
複数回、個人情報を登録しなければならない手間があったが、これらが解消されれば、メタバースがより手軽なものとなり、利用者はさらに増加するだろう。
参入企業と利用者双方に大きなメリットがある
現在メタバース市場は大きな成長を見せており、世界的にも注目されている。日本でも次世代の経済圏として期待されており、数々の企業が参入しているようだ。
近年、メタバース市場はさらに活発化しており、ネット上で他の利用者と交流できるだけでなく、モノやサービスを取引したりすることも可能だ。
今回の新たな基盤作りによって、利用者は、複数のメタバース空間で同一の決済手段や登録情報を使用できるようになり、異なるメタバース空間でも、資産やアイテムなどのデータを引き継げるようになる。情報を登録する手間を省くことで、メタバース空間はより手軽なものとなるだろう。
今回の基盤作りは、参加企業の客層の幅を広げるチャンスでもある。
参加を表明している大手金融機関の主な利用者は中高年だが、新たな基盤作りが出来れば、メタバース空間を利用するデジタル世代との取引も可能だろう。
参加企業と利用者双方にメリットがある今回の新たな基盤作りは、人気ゲーム「ファイナルファンタジー」を手掛けた田畑端氏が率いるIT企業が運営を担うことが発表されている。
映像技術に定評がある田畑氏が運営を行うことで、メタバース市場内での差別化に期待できるだろう。
連合への参加を決めた企業を紹介
今回発表された新たな基盤作りに参加する主な企業は以下の通り。
・三菱東京UFJファイナンシャル・グループ
・三井住友ファイナンシャル・グループ
・みずほファイナンシャル・グループ
・株式会社ジェーシービー
・富士通株式会社
・凸版印刷株式会社
・損害保険ジャパン株式会社
上記の他に、メタバース市場に精通するIT企業も参入予定だ。
系列を超えて企業連合を組むことで、メタバース空間だけでなく、現実世界の商機拡大も期待できるだろう。