Turing株式会社(以下、チューリング)は、完全自動運転車の開発に向けて国産大規模言語モデル(LLM)の開発に取り組むことを発表した。

完全自動運転実現へ国産LLM開発の背景・概要

同社は、完全自動運転EVの量産を目指し、AI深層学習技術を活用して完全自動運転の実現に挑戦している新進気鋭のスタートアップ。

LLMはAI技術であり、人間のような文章生成や質問応答が可能。完全自動運転には、人間同等の理解力を持つAIが必要であり、LLMがその役割を果たすとしている。チューリングは、現実世界への適応力、リアルタイム性と計算効率、安全性と堅牢性の3つのポイントに注目してLLM開発を進める。

チューリングが切り拓く自動運転の未来

チューリングの国産LLM開発への取り組みは、自動運転技術の分野において新たな可能性を切り開くものであり、日本の技術力を世界に示すことが期待される。これまでの自動運転技術は、従来のセンサーやアルゴリズムによるアプローチが主流でしたが、LLMを用いたアプローチによって、複雑な状況下でも適切な判断を行える自動運転AIの実現を目指している。

また、チューリングが国産LLMの開発に着手することは、日本の自動車産業にとっても重要な意義を持つかもしれない。自動運転技術の研究開発が国内で促進され、技術の輸出や国内産業の競争力向上につながることが期待されるためだ。特に、国内外の自動車メーカーや部品メーカーとの連携による技術開発が進められることで、自動運転市場での日本企業の地位向上につながるかが焦点となるだろう。

一方で、国産LLMの開発には、技術的な課題や倫理的な問題が伴う。例えば、一般的にプライバシーやセキュリティの問題があるため、データ収集や利用に関するルールの整備が必要となる。また、AIが下す判断に対する責任の所在や、AIが間違った判断を行った場合の対処法に関する問題も存在する。

国産LLMの開発には多額の資金が必要となると想定されるが、チューリングはこれまで資金調達を成功させており、今後も資金調達を成功させることで技術開発の継続が可能となる。

チューリング概要

チューリングは将棋AI「PONANZA」の開発者である山本一成氏と、AI・制御システム研究者の青木俊介氏によって設立された企業で、レベル2自動運転車「1st TURING CAR」を製造し、わずか2週間で売約が決まるなど注目を集めている。

北海道一周の無人走行実験にも成功しており、開発ベンチマークにはテスラのAP(オートパイロット:L2)を採用。1st TURING CARはレクサス『RX450h』をベースに、TURINGが開発した自動運転システムを搭載している。

チューリングは今後、独自プラットフォームによるオリジナルの自動運転EVを開発・販売することを目指しており、2025年までに100台の販売を予定。バッテリー、モーター、インバーター等の主要部品は自社設計・自社製造にこだわり、ボディや内装などはパートナー企業と協力して調達・製造を行う。チューリングは独自の戦略と技術で自動運転車市場での競争力を確立し、テスラを超えるメーカーを目指す。

Reinforz Insight
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