Adobeは、デジタルエクスペリエンスカンファレンス「Adobe Summit」で、企業向け顧客体験の提供方法を変革するジェネレーティブAI「Adobe Sensei GenAI」「Adobe Firefly」を発表した。

「Adobe Sensei GenAI」「Adobe Firefly」はマーケティング業務の生産性を向上させる

Adobe Sensei GenAIは、個別のビジネスニーズに対応するジェネレーティブAIで、Adobe Experience Platform内の大規模言語モデル(LLM)を活用する。また、画像生成機能とテキストエフェクトに特化したクリエイティブなジェネレーティブAIモデル「Adobe Firefly」をAdobe Experience Cloudに統合する。これらにより商業利用に適したテキスト、画像のコンテンツ生成が可能となる。

「Adobe Sensei GenAI」は、Adobe Experience Manager、Adobe Journey Optimizer、Adobe Customer Journey Analytics、Adobe Marketo Engage、Adobe Real-Time Customer Data Platformへの統合を予定。コンテンツのパーソナライズや編集、マーケティングコピー生成、チャット体験などのユースケースを支援。これにより、マーケターやカスタマーエクスペリエンス チームは、仕事の負担を増やすことなく生産性を向上させることができるとしている。

またAdobe Fireflyの導入により、企業は簡単かつ迅速に自社ブランディングに沿った変更を行うことができる。将来的には自社のマーケティングアセットでAIが学習し、企業の特色を反映したコンテンツを生成することが可能になる。また、Adobe Experience Managerとの連携により、企業は消費者に最も共感される特性(色、オブジェクト、コピー)についてヒントを得ることが可能。

Adobe Sensei GenAIは、Microsoft Azure OpenAI ServiceのChatGPTやFLAN-T5といったLLMを活用し、あらゆる顧客接点でテキストベースの体験を瞬時に生成・修正する。これらの機能は、顧客データとコンテンツを組織横断で統合するAdobe Experience Platformの基盤上で提供される。また独自の顧客インサイトでジェネレーティブAIモデルをトレーニングし、自社固有のユースケースに合わせてアウトプットを微調整することが可能。

Adobe Sensei GenAIがさらに多くのAdobe製品に統合され、パーソナライズされた顧客体験の提供がより容易になる可能性がある。また、さらなる機能やアルゴリズムの改善により、より高度なパーソナライズや効率化が期待される。

Adobe Senseiとは

Adobe Senseiは、Adobe製品向けの人工知能(AI)と機械学習技術のフレームワーク。この技術は、クリエイティブなタスクの効率化やパーソナライズ、マーケティングや顧客体験の最適化など、Adobe製品の機能を強化し、ユーザーの生産性向上を支援する。

Adobe Senseiは、2016年に発表された当初はAdobe Stockの類似画像検索などの機能だった。しかし2016年以降、マーケティング領域でのユーザエクスペリエンス最適化や先端研究での活用が進み、2018年にはPhotoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能が実装され、高いクオリティが評価された。現在では、Adobe Senseiは広く認知されている。

Reinforz Insight
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