Googleは、Bard AIの開発を急ぐためにGoogle Assistantの開発チームリソースを配置転換する可能性があると見られている。大手報道機関CNBCが入手したリークにより明らかになった。

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Googleのチーム再編

GoogleはGoogle Assistant開発チームのベテランや担当者をBard AIチャットボットの担当に配置換えを検討していることが分かっており、同社の優先事項がAIに移行していることを示している。Googleはこの件に関して公式声明を出していない。

Google Assistant事業部の副社長Sissie Hsiaoは、今週水曜日に従業員にチーム再編に関するメモを送っているという。Hsiaoは、Assistantを長年担当していたJianchang “JC” Maoが「個人的な理由」で同社を去ることを説明した上で、彼の後任には、Google Payでの勤務経験があるPeeyush Ranjanが就くとしている。Google AssistantのAmar Subramanyaも、Bardのエンジニアリングチームに参画することになると報じられています。

CNBCによると、「Bardチームの取り組みを強化する。今年は、これまで以上にユーザーへのインパクトを重視した取り組みに注力していく」Hsiaoは従業員に宛てて以下のように書いている。

対話型AIであるBardがGoogle Assistantに統合される可能性は高い。競合する音声アシスタントであるAmazon Alexaが存在し、あらゆる企業のAI投資が増える中、Assistantを継続的に強化しつつ、得られるデータとフィードバックを増やしBardの実用性を高める狙いがあると考えられる。

BardがGoogle Assistantにもたらす効果

BardがGoogle Assistantに組み込まれると、Google Assistantはどうなるだろうか。現在のジェネレーティブAIを始めとするトレンドにおいては、AIとの対話に焦点を当てており、質問に対して回答が得られ、アルゴリズムを学習させることで、回答がより詳細でニーズに合わせたものに進化していく。

これは現在のGoogle Assistantの形態にフィットする。Google Assistantは会話形式を採用しており、開発者によってどのように話すかを事前にプログラムされている。Bard化されたGoogle Assistantは、AIによりよりパーソナライズされ、更に自然なものになる可能性がある。

一方で、AIが会話を生み出すことによって、不正確さが生じる可能性がある。Bardは回答結果に出典を明示していないことが指摘されているが、Google Assistantのような対話形式だとチャットボットの回答を事実検証するのが難しくなる恐れがある。

また、正確性の問題がある場合、Bardがスマートホーム機能として役立つかどうかは疑問が残る。現在、Google Assistantは、他デバイスとやり取りするための「入力/出力」モジュールとして利用されるが、AIが命令を誤って解釈し、意図しない操作が発生してしまうかも知れず、正確性の担保はマストだ。

Bardの技術は将来的に大きな可能性を秘めている。一方で現段階ではまだ未熟で、うかつに適用されればGoogle Assistantの高い機能性を損なう可能性がある。さらに、Google Assistantの開発チームをBard寄りの人物にすることにより、Google Assistantの開発や機能進化が停滞する恐れもある。

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