米国の調査会社Reseach and Markets社はメタバース市場のレポートを発表した。
【参考】Research and Markets : Metaverse Market Size 2030
メタバース市場予測サマリー
2030年までに、グローバルなメタバース市場の規模は9366億米ドルに達すると予測。メディア・エンターテインメント、教育、航空宇宙・防衛などの産業からの需要の増加が、2023年から2030年までの年間成長率41.6%のペースで市場の成長を牽引するとしている。
メタバース領域においては、様々なプラットフォームでユーザー体験を向上させるために、XR技術の採用が着実に進んでいることが市場の成長に寄与。拡張現実(AR)、バーチャルリアリティ(VR)、ミックスドリアリティ(MR)のデバイスの開発と普及も今後の市場成長を促すと予想している。
「メタバース」とは、複数の人々がアバターを通じて相互作用できる三次元のインタラクティブな没入型環境と定義。ビットコインを使用してデジタル資産を購入するために、メタバースの使用が世界中で広がっており、メタバースはゲーミングウェブサイト、メッセージングアプリ、Facebookなどのソーシャルメディアプラットフォームが含まれ、オンラインで互いにコミュニケーションするものとしている。
メタバースは、人々の相互作用がより多面的になり、単に読むだけでなく、デジタルコンテンツにより深く関与できる新しいオンライン環境。 メタバースは、ブランド接続のための広大な機会を構築し、現実世界ではなく、仮想世界でブランドとのつながりを深めるためのリアルタイム仮想世界として広く使用されている。
また、同レポートでは、メタバースがCOVID-19後の次の段階であるデジタル社会体験の出現の舞台となると予想。ブロックチェーン技術を利用することが可能なメタバースプラットフォームでは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨、または非代替性トークン(NFT)を使って、ユーザーは自律的なデジタルアセットやバーチャル領域を作成、所有、取引することができ、今後取引の数量は増えていくという。
その他のメタバース市場構造分析サマリーは以下の通り。
- AR、VR、MRデバイスといったハードウェア・サブセグメントが最大の収益シェアを占める。またヘッドセットが市場をリードしており予測期間中も引き続き収益を生み出すと予測
- VRおよびAR技術セクターは、多くの業界がVRおよびAR技術を採用しており、特にゲーム、医療、教育、エンターテインメントにおいて大きな収益を生み出している
- アジア太平洋地域は、視聴体験の改善への需要やOneRare、LOKA、Bolly Heroesなどのスタートアップの増加などが要因となり、2030年まで高い年平均成長率を記録すると予想
- 加えて、ブロックチェーンベースのメタバースネットワークやプラットフォームに対する需要が高まることで、市場の収益成長が期待されている
- ゲーム業界の成長がメタバースビジネスの拡大に大きく寄与すると予想
▼関連記事▼
メタバースの市場規模(2021〜2030予測)と今後伸びる業界ランキング
メタバース関連の記事一覧
メタバース領域の進展状況
今回の報告では、Research and Markets社が前回の調査公表時点から、メタバース分野で多数の進展があったと伝えている。
- スペイン政府がWeb3やメタバース技術に関連する研究、開発、イノベーションに従事するEUまたはスペインに拠点を置く独立請負業者や中小企業(SME)に380万ユーロ(410万ドル)の資金を提供
- Robloxがオンライン教育アプリの開発を支援するために1,000万ドルの基金を設立
- Facebookは10,000人のスタッフを雇用し、メタバースの開発に取り組む計画を発表
- Epic Gamesは10億ドルの資金調達
- Nianticは3億ドルを調達し、リアルタイムの仮想世界プラットフォームを開発予定
- Thailandの大手モバイルプロバイダーであるAdvanced Info Services(AIS)は、V-Avenueというメタバースの小売モールを作成し、オンラインでモール体験を再現。2百万人以上の人々が200以上の3Dストアで買い物
米国の調査会社Reseach and Markets社概要
Research and Marketsは、2002年に設立された調査会社。450以上のフォーチュン500企業を含む世界中のクライアントから、研究を購入するために選ばれる世界最大級の市場調査ストアを擁する。アイルランドのダブリンに本社を構えるResearch and Marketsは、自動車から通信、動物学まで、800以上の産業に対するインサイトを提供している。