Meta Quest 2用のGolf+でAIを搭載したゴルフキャディ誕生が話題になっています。
にMicrosoftがBingやOfficeのような製品でChatGPTを実装して以降、世界中がジェネレーティブAIの魅力に取りつかれています。現在、自動で文章を書くドキュメントなど、さまざまなプロダクトにAI技術が使われています。
その影響は文章作成やビジネス周辺に留まりません。Quest 2ゲームであるGolf+が、ChatGPTやGoogle Bardと同じ技術であるLLM(Large Language Model)を搭載したAIキャディを追加する大幅なアップデートを発表しました。
AIキャディ:Golf+の「アーサー」
出典:Meta Quest
以下のTwitterで示されているように、ユーザーはAIキャディと会話し、アドバイスやショットの提案、ゴルフレッスンを受けることができます。さらに、スキルを高めるための特別なコースを生成してくれます。またアーサーはプレイヤーの名前を覚えており、自然な方法でプレイヤーに返答する際に参照しています。
プレイヤーの要求に基づいて特定のパッティンググリーンを生成する機能もあります。LLMチャットボットが既存技術への効果的な統合の実例と言えるでしょう。またアーサーは、特定のコースへの移動を受け付けてくれたり、リクエストに基づいて天候条件やショットの配置を変更することができます。
質問を投げかけてからキャディ「アーサー」が回答するまでにやや遅延がありますが、気になるほどではないでしょう。他ツールでも、例えばスマホでGoogle Bardを使っている場合、質問を投げかけてから回答を受け取るまでの若干の遅延は発生します。
今回のアップデートはAIキャディの初期版であり、今後はユーザーのフィードバックを受けつつ更に改良されることでしょう。他のChatGPTを組み込んだチャットボットと同様に、アーサーは多数のユーザーとのやり取りから学び、時間とともに改善された回答を提供できるようになります。
GOLF+の創設者兼CEOであるRyan Engle氏は、Twitterでボットの創造性の限界について聞かれた際に、プレイヤーの完全に要求を満たすコースの作成が近いうちに実現するかもしれないと示唆しています。
今後数日間でアーサーの能力について追加動画が公開されることがユーザーからは期待されています。Engle氏は、「Pebble Beachの後半ティーから始めるラウンド」「風が強い中でPebble Beachの7番ホールを練習したい」といった要望に応えられる、という点に注目してほしいと言っています。
確かに、メニューを手動で操作するのに比べて、アーサーに伝えるだけで良いのあユーザーフレンドリーです。ユーザーフレンドリーで快適になることで、ユーザーの利用は増加し続けるでしょう。
Golf+と「アーサー」の展望
さらに未来を見据えると、アーサーがMidjourneyやDALL-Eのような人気のあるLLMボットと統合され、ユーザーが想像力の許す限り現実的な世界や幻想的な世界を創造できるようにかもしれません。
つまり、自分がプレイしてみたい好きなコースを創造できたり、漫画やアニメなどの架空の世界に存在するコースを作成し、その世界観を存分に楽しみながらゴルフをプレイする、といった楽しみ方です。
ChatGPTやLLM(Large Language Model)のようなAI技術のアプリケーションへの適用は、レッスンやゲームを始めとする体験を大幅に向上させる可能性があると考えられます。アーサーのようなAIキャディは、アプデのインタラクションがより自然でリアルタイムで行われる例であり、これがプレイヤーの没入感を高める要因となります。
また、この技術を利用してコースの生成やカスタマイズが可能になることで、ゲームの再生価値が高まり、プレイヤーが継続してエンゲージし続ける可能性が高まります。さらなる進化により、プレイヤーのスキルや好みに適応し、よりパーソナライズされた体験を提供できるようになるでしょう。
一方で、こうしたAI技術や機能の導入には注意が必要です。プライバシーやデータの扱いに関する懸念が生じる可能性があります。AIがプレイヤーとのインタラクションからデータを取得することで、個人情報が不適切に利用されるリスクがあります。そのため、開発者は、プレイヤーのプライバシーを保護するための適切な対策を講じる必要があります。
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