AI技術の発展とともにChatGPTを始めとするジェネレーティブAIの台頭が顕著です。その中でも半導体業界において注目される企業の一つがNVIDIA Corporation(NASDAQ:NVDA)。

同社は、ジェネレーティブAIの成長ポテンシャルを最大限に活用し、株価を上昇させる可能性があると評価されています。この記事では、NVIDIA株が2023年に300ドルに達する可能性や、ジェネレーティブAIと半導体不足の影響について検討します。

本記事は、株式銘柄の購入を推奨するものではなく投資損益に関わる責任は一切負いません。投資は自己責任でお願い致します。

NVIDIA株(NASDAQ:NVDA)は今後どうなる?

出典:Google

NVIDIA(エヌビディア)の株価は、近年、ジェネレーティブAIの台頭が短期および長期の成長見通しにプラス影響を与えると考えられることから上昇しています。NVIDIAが生成AIの成長機会を活用するうえで好位置にあることを考慮し、株価が300ドルを超える可能性もあります。

NVIDIAの株価は、ジェネレーティブAIの成長を受けて、過去1ヶ月で+13%、2023年の年初から+88%、過去6ヶ月で+104%上昇しています。この上昇は、短期的には、同社が最近の株主・アナリスト向けカンファレンスで「生成AIに焦点を当てたデータセンタープラットフォームへのハイパースケール顧客からの需要が高まっている」と説明したことによるものです。

また、長期的には、AI推論がNVIDIAの成長を牽引する主要な要因となると予想されています。NVIDIAに対する買い評価は変わらず、現在の価格でまだ十分な上昇余地がある可能性があります。

ジェネレーティブAIとは

ジェネレーティブAIは、近年急速に成長している技術分野です。NVIDIAが大きく関与している分野でもあります。ジェネラティブAIとは、新しいコンテンツを生成するために使用されるアルゴリズムのことを指します。

これらのアルゴリズムは、文章や画像、音声などのデータを元に、新たなデータを自動的に生成する能力を持っています。例えば、チャットボットの会話文や、新しい画像や動画の生成などが挙げられます。ChatGPTが火付け役となり大ブームとなっています。

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ジェネレーティブAIは、ディープラーニングと呼ばれる人工知能の一種であり、大量のデータを元に学習し、人間のような柔軟性と創造力を持って新しいコンテンツを生成することができます。この技術は、エンターテイメント、広告、ソフトウェア開発、製品設計など、幅広い産業において革新的な応用が期待されています。

ジェネレーティブAIの急速な進歩は、GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)の高速化が大きく貢献しています。GPUは、複雑な計算処理を高速かつ効率的に実行することができるため、ディープラーニングの学習や推論に適しています。そのため、ジェネラティブAIの発展は、GPUメーカーであるNVIDIAにとって大きなビジネスチャンスとなっています。

NVIDIAは、ジェネレーティブAIの分野で優れた製品と技術を持っており、この分野での競争優位を維持しています。同社のGPUは、AI推論性能に優れ、新たに発表されたH100データセンターGPUなどは、クライアントから高い評価を受けています。また、同社は最近のカンファレンスで、ビデオコンピューティング、画像生成、大規模言語モデル、推奨モデルなどを対象とした4つのAI推論プラットフォームを発表しました。

ジェネレーティブAIがNVIDIAの成長に影響

ジェネレーティブAIの成長は、NVIDIAの株価にも大きな影響を与えると考えられます。Morgan Stanleyの報告によれば、同社のAI推論事業の収益は今後5年間で10倍に増加し、50億ドルに達する可能性があるとされています。また、バークレイズやバンク・オブ・アメリカなどのアナリストからも、NVIDIAがジェネラティブAI分野でのリーダーであるとの見解が示されており、その成長ポテンシャルは大きいと言えるでしょう。

また、半導体不足の問題が緩和されることで、NVIDIAはジェネレーティブAIの成長に焦点を当てた事業展開をより迅速に進めることができるでしょう。その結果、同社の株価は引き続き上昇し、投資家にとって魅力的な投資先となると期待されます。

このように、半導体不足の影響は限定的であり、NVIDIAのビジネスや株価に大きな悪影響を与えることはないと考えられます。データセンター市場での競争力を維持しつつ、ジェネラティブAIの成長ポテンシャルを活かした事業展開が、同社の株価をさらに押し上げる要因となるでしょう。

半導体不足のインパクトはあるのか

近年の半導体チップ不足は、多くの企業に影響を与えていますが、NVIDIAにとってはそれほど大きな問題にはならないと考えられます。同社は、データセンター市場において供給を継続して拡大することに自信を持っており、チップ不足がビジネスの成長を妨げる要因にはならないとの立場を示しています。

実際、米国の大手コンサルファームであるベイン&カンパニーの研究報告によれば、半導体チップの納期は2022年と比較して2023年初頭には平均で約9週間短縮されているとされています。これは、チップ供給が徐々に改善していることを示しており、NVIDIAにとっては好ましい状況と言えます。

NVIDIA株:今後の見通し

ジェネレーティブAIは今後も急速な成長が予想される分野であり、NVIDIAはその分野で強力な競争力を持っています。同社のGPUやAI推論プラットフォームは、多くの企業によって採用される可能性が高く、その市場シェアの拡大がNVIDIAの収益成長につながることでしょう。このため、NVIDIAの株価は引き続き上昇する可能性があり、長期的な投資家にとって魅力的な投資先となるでしょう。

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