編集部
オリエンタルランドが展開する東京ディズニーリゾートは、ただのテーマパークではありません。ディズニーの魔法を通じて、持続可能な社会への貢献を目指す数々のESG（環境・社会・ガバナンス）取り組みが進行中です。
これらの取り組みは、「従業員の幸福」と「子どもたちのハピネス」を中心に、環境保護活動やガバナンスの改善にも力を入れています。ディズニーの魔法が実際に社会や環境にどのように貢献しているのか、その具体的な戦略と成果について見ていきましょう。
この記事では、オリエンタルランドのESG取り組みを深掘りし、どのようにしてディズニーマジックが持続可能な未来を創造しているかを探ります。
はじめに：オリエンタルランドのESGへの取り組み
オリエンタルランドが展開する東京ディズニーリゾートでは、ただのエンターテイメントの提供者であるだけではなく、社会的責任を果たすことにも注力しています。ESG（環境・社会・ガバナンス）の観点から、継続的な成長と持続可能な社会の実現を目指しており、2022年には新たなESGマテリアリティを策定しました。
このマテリアリティでは、社会や環境に対する影響を考慮しつつ、ビジネスの成長機会を捉えるための重要な取り組みを8つに絞り込んでいます。具体的には、従業員の働きがいの向上、エネルギーの持続可能な利用、資源の効率的な管理などが含まれており、それぞれの分野で具体的な目標と進捗状況が定められています。
従業員の幸福：社員が誇りを持って働くために
従業員の幸福を重視するオリエンタルランドでは、働くことのやりがいと職場の環境改善に力を入れています。2023年度の主な目標として、従業員のエンゲージメントを測る「エンゲージメント調査」のスコアを過去のデータと比較し、明確な向上を目指しています。
これには、仕事の充実感や達成感を高めるための研修プログラムの充実、職場環境の物理的な改善、さらにはメンタルヘルスのサポート強化などが含まれています。また、社員が家庭と仕事の両立をしやすいよう、フレキシブルな勤務体系や在宅勤務の推進も進めています。これらの取り組みにより、社員一人ひとりが自己実現を果たし、職場全体としてもより高い生産性を目指しています。
子どもたちの笑顔：ディズニーの魔法で支援活動
オリエンタルランドは、子どもたちの笑顔を支える活動にも力を入れています。特に「こどもスマイルごはん」プロジェクトは、ディズニーランド内の食堂で提供される特別メニューから得られる収益と同額を企業が寄付し、合計された金額を児童支援活動に使用しています。
この取り組みにより、社員が直接的に社会貢献に参加する機会を持ち、子どもたちの栄養改善や教育支援に寄与しています。また、パーク体験を通じて子どもたちにポジティブな影響を与える研究も進められており、これらの活動がどのように子どもたちの成長に寄与するかを科学的に評価しています。
環境保護の取り組み：温室ガス削減と再生可能エネルギー
オリエンタルランドの環境保護戦略は、温室ガス排出削減と再生可能エネルギーの利用拡大に焦点を当てています。2030年までの目標として、2013年度比で温室ガスの排出量を51%削減することを掲げています。これを達成するために、パーク内の設備や乗り物に再生可能エネルギーを利用する技術を導入し、省エネルギー対策を強化しています。
具体的には、太陽光発電の導入拡大やエネルギー使用効率の向上を図り、全体的なCO2排出量の削済みを進めています。これらの取り組みは、エネルギー消費の最適化と環境負荷の軽減に寄与しています。
省エネルギー戦略：実施中の具体的なプロジェクト
オリエンタルランドでは、省エネルギーを重要な戦略の一つと位置づけ、具体的なプロジェクトを進行中です。2026年度までには、全社的なエネルギー管理システムを更新し、エネルギー消費の可視化を図ることで、無駄なエネルギー使用を削減しています。
また、既存の施設や機器の省エネルギー化を進めるとともに、新たな設備投資では環境に配慮した選定を行い、CO2排出量削減に貢献しています。これらの取り組みは、パーク運営の効率化だけでなく、環境負荷の低減にも繋がります。
ガバナンス向上：透明性とステークホルダーとの対話
オリエンタルランドのガバナンス戦略は、透明性の向上とステークホルダーとの積極的な対話に重点を置いています。具体的には、取締役会の構成を見直し、独立性の高い社外取締役を増員することで、意思決定の公正性を高めています。
また、ステークホルダーとのコミュニケーションを強化するため、定期的に開催される説明会やアンケート調査を通じて意見を集め、それを経営に反映させるシステムを整備しています。これにより、社会的な信頼を維持し、持続可能な成長を促進しています。
多様性と包括性：ダイバーシティ＆インクルージョンの推進
オリエンタルランドでは、ダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）の理念を組織文化に根付かせるための具体的な施策を展開しています。社内における多様なバックグラウンドを持つ従業員の活躍を促すため、性別、年齢、障害の有無に関わらず、全ての従業員が平等にチャンスを得られる環境を整備しています。
特に、女性や障がいを持つ従業員のリーダーシップ開発プログラムを強化し、役職における性別の偏りを解消する目標を設定しています。これにより、より幅広い視点からの意思決定が可能となり、創造的かつ革新的なアイデアが生まれやすい職場環境を実現しています。
社外とのエンゲージメント：公開情報と対話の強化
オリエンタルランドは、透明性を高めるために社外とのエンゲージメント活動にも力を入れています。ステークホルダーの期待に応えるため、定期的に投資家説明会を開催し、財務状況や経営戦略に関する情報を積極的に公開しています。
また、顧客や地域社会との関係を強化するために、CSR活動の進捗報告会やコミュニティイベントを通じて直接対話を行っています。これらの取り組みにより、信頼関係を構築し、持続可能な社会づくりに貢献しています。
目指す未来：2030年のESG目標
オリエンタルランドは2030年までの野心的なESG目標を設定しています。これには、環境面では温室効果ガスの排出量を2013年度比で51%削減すること、社会面では全従業員のエンゲージメントレベルを国内外の業界平均を上回るレベルに引き上げることなどが含まれています。
また、ガバナンス面では、透明性とステークホルダーとの対話をさらに強化し、持続可能な経営を支える体制を確立する計画です。これらの目標達成に向けて、オリエンタルランドは具体的な行動計画と定期的な評価を通じて、進捗状況を見直し、必要に応じて戦略を調整しています。
新たなイニシアティブ：継続的な改善と革新
オリエンタルランドは新たなイニシアティブとして、継続的な改善と革新を推進しています。具体的には、テクノロジーを活用した運営効率の向上、持続可能な材料の使用拡大、従業員教育プログラムの充実などが挙げられます。
これらの取り組みにより、業務の効率化だけでなく、顧客体験の質の向上も図られています。特に、デジタル化の推進によって、来場者の滞在時間の最適化やエンターテイメントの質の向上が期待されています。これにより、持続可能な未来に向けた基盤が強化されています。
まとめ
オリエンタルランドのESG取り組みは、単に規制への対応にとどまらず、企業価値の向上と社会への貢献を目指しています。従業員の幸福、環境保護、ガバナンスの強化を通じて、持続可能な経営を実現するための具体的な行動を進めており、これらの取り組みが組織全体に積極的な影響を与えています。オリエンタルランドのこれからの活動から目が離せません。