テスラとSpaceXのCEOであるイーロン・マスクが、自身が共同創設者となるOpenAIに対抗するかのような形で、Twitterの人工知能(AI)開発に熱心に取り組んでいることが明らかになった。
海外誌Business insiderの報道によると、イーロン・マスクは、Twitter向けのAIプロジェクトのために何千ものグラフィックス処理ユニット(GPU)を購入したという。さらに、同社は最近、DeepMindの元研究者2人を雇用した。
これらの動きから、Twitterが独自のジェネレーティブAIを開発する計画があると憶測が飛び交っており、一部の関係者の間では、イーロン・マスクとOpenAIとの確執も関係しているのではないか、との噂も浮上している。
イーロン・マスク、Twitter向けに大量のGPUを購入
Twitterの大株主でもあるイーロン・マスクが、Twitter向けの人工知能(AI)プロジェクトに向けて、100,000台のグラフィックス処理ユニット(GPU)を購入したことが明らかになっている。この購入により、イーロン・マスクがTwitterのAI開発に積極的であり、Twitterがこの分野での競争力を向上させようとしていることが示唆されている。
GPUは、AIの開発やディープラーニングに不可欠なハードウェアであり、相当数のGPUを購入することで、Twitterが大規模なAIプロジェクトに取り組む意向があることが伺える。これは、同社がChatGPTに類する独自のジェネレーティブAIを開発し、ツイッターの検索機能を強化したり、広告ビジネスの再構築を支援する可能性があることを意味している。
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Twitterは元DeepMind研究者を雇用
またTwitterは、元DeepMind研究者2人を雇用したことが明らかになっている。Twitterが保有する膨大なデータを使用して、独自のジェネレーティブAIモデルを構築することを目的としている、と報じられている。
ジェネレーティブAIは、テキストや画像、音声などのデータから、新しい情報を生成することができる技術。これは、検索機能や広告ビジネスを改善するために利用される可能性がある。イーロン・マスクがGPUを大量購入し、Twitter向けの人工知能プロジェクトへの投資を示唆する報道と合わせて、業界内で大きな話題になっている。
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このプロジェクトがどのように進展するかは未定ですが、TwitterがAIの研究開発に注力していることは明らかです。今後、Twitterが開発する生成AIが、ユーザーエクスペリエンスの向上やビジネスモデルの改善にどのように貢献するのか、業界全体の注目が集まっています。
イーロン・マスクとOpenAIとの確執がAIプロジェクトの背後にあるとの噂
イーロン・マスクはAI開発の6か月間の中断を求める公開書簡に署名したことが報じられている。この背後には、イーロン・マスクとAI研究機関OpenAIとの確執があるとされている。
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イーロン・マスクは、2015年に非営利団体として立ち上げたOpenAIの共同創設者であり、その後も同社の運営に深く関与していた。しかし、2018年にOpenAIを退社し、同社のビジネスモデルに異議を唱えるようになった。イーロン・マスクは、OpenAIがそのビジネスモデルを変えたことに対し、疑問を呈し、同社がAI開発においてリードを失っていると指摘していた経緯がある。
この確執は、イーロン・マスクがTwitter向けのAIプロジェクトに大量のGPUを投資することで、新たな局面を迎えていると言えるだろう。ジェネレーティブAIの開発を目的とし、同じくOpenAIが開発したChatGPTと似た技術を使用することが予想されている。
OpenAIがTwitterの大量データまで利用してChatGPTを開発するなか、イーロン・マスクはこの動きに反発し、TwitterからOpenAIのデータアクセスを取り消した経緯もある。そして今、Twitter自身がジェネレーティブAIの開発を行う動きを見せている。今後、イーロン・マスクおよびTwitterとOpenAIの関係性がどのようにAI開発競争に影響を与えるのか、注目が集まっている。
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