編集部2024年を迎えるにあたり、スターゼン株式会社は新たな理念体系と中期経営計画を策定しました。「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに掲げ、次の3年間を企業価値向上と社会貢献に繋げる期間と位置付けています。
本記事では、新たに策定された理念体系と中期経営計画の詳細を解説します。
新たな理念体系
スターゼン株式会社は、新たな理念体系の中心に「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」というミッションを据えました。
これに基づいて刷新された経営理念は次の3つです。
- お客様に安心と感動を提供し、信頼される企業になる。
食の感動体験を提供することを通じて顧客満足を追求し、
社会全体から信頼される企業を目指します。 - パートナーシップを通じて共に成長する。
ビジネスパートナーと共に成長することで、
持続可能なサプライチェーンを構築し、互いの価値を高めます。 - 社会的責任を果たし、持続可能な成長を目指す。
社会的責任を果たすことで、持続可能な成長を実現し、
社会に貢献し続けます。
また、ブランド・ビジョンとして「スターゼンと食でつながる皆様が笑顔で感動できる企業を目指す」ことを掲げ、企業としての新たな姿勢を示しています。これらの理念とビジョンに基づき、スターゼンは今後、「食の感動体験」を創造し続けることで、顧客、パートナー、そして社会全体と強固な関係を築いていく方針です。
新たな理念体系は、国内外のビジネスパートナーとの共創や、サステナブルなサプライチェーン構築を通じて、長期的な企業価値向上を目指す方向性を示しています。ビジネスパートナーと共に食を通じて社会に感動を提供し続ける、そんなスターゼンの新たな理念体系には、今後の成長に向けた強い意志が込められています。
中期経営計画の概要
新たに策定されたスターゼンの中期経営計画（2023年4月1日～2026年3月31日）は、「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに掲げています。次の3年間を「長期的な発展と社会への貢献を続けるための基盤構築期間」と位置付け、国内外での事業強化と新たな収益基盤の確立を目指します。
そのための計画期間中の投資総額は約400億円で、主に以下の領域に重点投資されます。
- 海外事業の積極展開：60～120億円
- 国内事業の効率化：110億円
- 高付加価値商品の取り組み：60億円
- DXと業務プロセス改革：50億円
- 維持更新投資：60億円
この計画ではROIC（投下資本利益率）を5.5%以上、ROE（株主資本利益率）を8%以上とし、自己資本比率を40%以上で維持することを骨子としています。経常利益の一時的な減少要因となる先行投資を行いながらも、海外事業や国内での高付加価値商品の拡大によって、最終年度において過去最高益を計画しています。
バックキャスティング手法を採用し、10年後の市場規模と将来のビジョンを見据え、3ヵ年の施策と数値計画を策定しました。「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」というテーマの下、国内のサプライチェーンを再構築しながら、海外事業や国内成長市場への販売拡大を図り、長期的発展と社会貢献に努めていきます。
新たなビジネス戦略
スターゼンの新たなビジネス戦略は、国内外での事業強化と新たな収益基盤の確立を中心に展開されます。
1. 国内のサプライチェーン強化
国内のビジネスにおいては、サプライチェーンをより強固に再構築することで、効率的で持続可能な事業運営を実現します。特に、国内でのサプライチェーンの効率化や製品の高付加価値化に重点を置き、110億円の投資を行います。
2. 海外事業の積極展開
海外事業では、新たな市場への進出と現地のサプライチェーン強化を図ります。60～120億円の投資を行い、新たな収益基盤を築くことで、国内市場の変動リスクに対する安定化策とします。
3. 国内成長市場への進出
国内市場では、食の多様性に合わせた高付加価値商品の展開や、成長市場への販売拡大により、新たな収益基盤を構築します。これには60億円の投資を行い、新たな顧客ニーズに対応した商品開発とマーケティング戦略を展開します。
4. DXと業務プロセス改革
DX（デジタルトランスフォーメーション）と業務プロセス改革には、50億円の投資を行い、事業運営の効率化とサプライチェーン全体の最適化を図ります。ビジネスプロセス全体を見直し、ITの活用による自動化・効率化を推進し、顧客ニーズへの迅速な対応と企業価値向上を実現します。
環境・社会課題への取り組み
スターゼンは、環境や社会の課題に対し、企業としての責任を果たすため、次の取り組みを積極的に行っています。
1. 環境面
- サステナブルなサプライチェーンの構築
環境に配慮したサプライチェーンの構築と、製造工程での排出削減を進めます。
また、持続可能な原材料調達のためのサプライヤーと協力し、
環境に優しい調達基準を設定しています。 - 食品ロス削減とリサイクル
食品廃棄物の削減とリサイクルを徹底し、廃棄物の最小化に努めています。
また、食品ロス削減の一環としてフードバンクへの寄付活動を実施し、
食品資源の有効活用を図ります。
2. 社会面
- フードバンク支援
フードバンクへの食品寄付を通じて、社会的な食の支援活動に貢献しています。
食のセーフティネットの一翼を担うことで、地域社会への貢献を果たしています。 - 地域社会への貢献活動
地域社会との連携を強化し、各種イベントやスポーツ活動への協賛を行います。
また、地域の生産者と連携し、地元食材のプロモーションを支援します。
3. ガバナンス
- 企業倫理と透明性の確保
企業倫理の徹底と透明性の高い経営体制を確立します。
社内外からの監査を通じてガバナンスを強化し、健全な事業運営を実現します。 - 持続可能な経営基盤の構築
持続可能な事業運営のために、全社的なガバナンス体制を強化します。
これにより、サステナブルなサプライチェーンと持続可能な経営基盤を築き、
長期的な企業価値向上を目指します。
事業基盤の強化
スターゼンの事業基盤強化戦略は、DX（デジタルトランスフォーメーション）と業務プロセス改革、
高付加価値商品の開発・拡大を重点に据えています。
1. DXと業務プロセス改革
DXと業務プロセス改革には、計50億円の投資を予定し、既存事業の効率化とサプライチェーン全体の最適化を図ります。ビジネスプロセス全体を見直し、ITを活用した自動化・効率化を進めることで、顧客ニーズへの迅速な対応と企業価値の向上を実現します。また、デジタル技術を活用して、在庫管理や物流、製造プロセスの見える化を図り、サプライチェーン全体の効率性と柔軟性を高めます。
2. 高付加価値商品の開発と拡大
高付加価値商品の開発と拡大には、60億円の投資を行います。食の多様性や新たな顧客ニーズに対応した高付加価値商品の開発を進め、新たな顧客層の開拓と市場拡大を図ります。国内外での市場調査とマーケティング戦略を強化し、高付加価値商品の構成比を高めることで、新たな収益基盤の確立を目指します。また、既存商品に対する製品改良や新商品の開発を進め、市場シェアの拡大とブランド力の強化を図ります。
3. サプライチェーンの効率化
国内のサプライチェーン効率化には、110億円を投資します。製造・物流プロセス全体を見直し、無駄を排除した効率的な事業運営を実現します。また、製造拠点や物流施設の再編や新規設備の導入により、サプライチェーン全体の最適化を図り、柔軟で持続可能な事業基盤を築きます。
財務基盤の安定化
新たな中期経営計画では、財務基盤の安定化を図るために、次の3つの数値目標を掲げています。
- ROIC（投下資本利益率）の維持・向上：5.5%以上
- ROE（株主資本利益率）の維持・向上：8%以上
- 自己資本比率の維持：40%以上
計画期間中の総投資額約400億円に対して、これらの数値目標を達成するために具体的な施策を展開します。
1. ROIC（投下資本利益率）の維持・向上
ROICの維持・向上には、サプライチェーンの効率化と高付加価値商品の拡大、海外事業の積極展開が重要な役割を果たします。特に、新規設備投資と業務プロセス改革を通じて、既存事業の収益性を高めながら、新たな収益基盤を築きます。
2. ROE（株主資本利益率）の維持・向上
ROEの維持・向上には、企業価値向上とともに株主への利益還元策が必要です。事業拡大と収益性の向上を通じて、企業価値の向上を図りつつ、株主への安定した利益還元を行います。
3. 自己資本比率の維持
自己資本比率は、計画期間中も40%以上で維持し、健全な財務基盤を確保します。先行投資による一時的な減益要因があるものの、海外事業や高付加価値商品の拡大によって、最終年度には過去最高益を計画しています。
サステナビリティとESGへの取り組み
スターゼンは、新たな中期経営計画において、サステナビリティとESGへの取り組みを重要な戦略と位置付けています。
1. ESG目標の設定
環境（E）、社会（S）、ガバナンス（G）の3つの側面で、
次の目標を設定し、全社的に取り組みます。
- 環境（E）
- サプライチェーン全体でのカーボンフットプリント削減
- 持続可能な原材料調達とリサイクル率向上
- 社会（S）
- フードバンク支援と地域社会への貢献
- 多様な人材の活用とダイバーシティの推進
- ガバナンス（G）
- 企業倫理と透明性の高いガバナンス体制の確立
- 持続可能な経営基盤の構築
2. 企業倫理と透明性の確保
企業倫理の徹底と透明性の確保のため、全社的なガバナンス体制を強化します。内部監査や第三者による監査を通じて、健全な事業運営と持続可能な経営を実現します。また、CSR（企業の社会的責任）活動やサステナビリティレポートの発行を通じて、透明性の高い情報開示とステークホルダーとのコミュニケーションを図ります。
3. 持続可能な経営基盤の構築
持続可能な事業運営のため、全社的なESG目標を共有し、社員一人ひとりがサステナビリティへの取り組みを実践します。サプライチェーン全体での環境負荷軽減や社会貢献活動を通じて、持続可能な経営基盤と長期的な企業価値向上を実現します。また、取引先やビジネスパートナーと連携し、サステナブルなサプライチェーンを構築することで、食の感動体験を創造し続ける企業を目指します。
具体的な数値目標
スターゼンの新たな中期経営計画では、具体的な数値目標を設定し、これらを達成するための施策を展開しています。
1. 経常利益
経常利益は先行投資による一時的な減益要因があるものの、海外事業や国内の高付加価値商品の拡大によって、最終年度に過去最高益を計画しています。
2. ROIC（投下資本利益率）
ROICは5.5%以上を維持し、新たな収益基盤の確立と既存事業の効率化で、中長期的な投資利益率を高めます。
3. ROE（株主資本利益率）
ROEは8%以上を維持し、株主への安定した利益還元を実現します。企業価値向上とともに、株主の利益を最大化することを目指します。
4. 自己資本比率
自己資本比率は40%以上を維持し、健全な財務基盤を確保します。
5. 高付加価値商品の構成比増加
高付加価値商品の開発と拡大により、最終年度には高付加価値商品の構成比を大幅に増加させ、新たな収益基盤を築きます。
6. 海外事業の売上拡大
海外事業の積極展開により、新たな収益基盤の確立を目指します。特に、新たな市場への進出と現地サプライチェーンの強化を図り、売上拡大を実現します。
投資計画の詳細
スターゼンの中期経営計画（2023年4月1日～2026年3月31日）は、総額約400億円の投資計画を掲げています。
この計画期間中の投資の詳細は次のとおりです。
1. 海外事業の積極展開
60～120億円の投資を行い、海外事業を積極的に展開します。新たな市場への進出と現地サプライチェーンの強化を図り、新たな収益基盤を築きます。
2. 国内事業の効率化
110億円の投資を行い、国内のサプライチェーンの効率化を図ります。製造・物流プロセス全体の再編や新規設備の導入により、効率的で持続可能な事業運営を実現します。
3. 高付加価値商品の取り組み
60億円の投資を行い、高付加価値商品の開発と拡大に取り組みます。市場調査とマーケティング戦略を強化し、高付加価値商品の構成比を高めることで、新たな収益基盤を確立します。
4. DXと業務プロセス改革
DXと業務プロセス改革には50億円の投資を予定し、既存事業の効率化とサプライチェーン全体の最適化を図ります。ITを活用した自動化・効率化を進め、事業運営の効率性を高めます。
5. 維持更新投資
60億円の維持更新投資を行い、既存設備の更新と維持管理を進めます。既存事業の安定した運営を図りつつ、製造プロセスや物流施設の最適化を図ります。
まとめ：スターゼンのビジョンと期待される成長
スターゼンは、新たな理念体系と中期経営計画を通じて、国内外での事業基盤の再構築と新たな成長戦略を示しています。「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに、国内外での事業強化と新たな収益基盤の確立を目指し、次の3年間で長期的発展と社会貢献に繋げる基盤を築きます。サステナビリティと収益性を両立させるビジョンの下、国内のサプライチェーンの強化と海外事業の積極展開により、収益構造の再構築を進め、最終年度には過去最高益を計画しています。
また、環境・社会課題への取り組みとして、サプライチェーン全体のカーボンフットプリント削減や、
フードバンク支援、地域社会への貢献活動を進め、企業としての社会的責任を果たします。スターゼンは、国内外のビジネスパートナーと共に食を通じて感動体験を提供し続けることで、国内外の事業基盤の強化と収益構造の再構築を進め、持続可能な成長を実現します。企業価値向上と持続可能な社会実現に向けた、スターゼンの今後の成長に期待が寄せられます。