Microsoftは、Outlookの個人アカウントに対するセキュリティ強化策を発表した。
9月16日からBasic認証のサポートを終了し、Modern認証を導入する。8月19日にはOutlook Webアプリの軽量バージョンを廃止し、6月30日にはOutlook.comでのGmailアカウントのサポートを終了する。
これらの変更は、Secure Future Initiativeの一環として実施されるもので、ユーザーのセキュリティを強化することを目的としている。
Basic認証の廃止とModern認証の導入
Microsoftは、Outlookの個人アカウントに対してBasic認証のサポートを9月16日に終了すると発表した。これにより、ユーザーはModern認証を使用することが求められる。Modern認証は、追加のバックエンドプロセスやトークンを用いてセキュリティを強化する方法であり、ユーザーが気付かないうちにより高度な保護が適用される。
従来のBasic認証は、ユーザー名とパスワードのみを使用してアカウントにサインインする方法であったが、この方法ではセキュリティが不十分とされてきた。Modern認証では、OAuth2などの先進的な認証方式が導入され、より安全にアカウントを保護することが可能になる。Microsoftは、この変更に伴い、影響を受けるユーザーに対して6月末までに通知を行う予定である。
この変更により、ユーザーは一部のメールアプリでOutlookアカウントを再設定する必要がある場合がある。特にiPhoneなどでパスワードのプロンプトが表示される場合は、アカウントを再設定することで対応できる。最新のOutlookやApple Mail、ThunderbirdなどのアプリはModern認証に対応しているため、これらのアプリを使用するユーザーにとっては大きな影響はない見込みである。
Outlook.comからのGmailアカウントサポート終了
Microsoftは、Outlook.comでのGmailアカウントのサポートを6月30日に終了することを発表した。この機能は2019年に導入され、Outlook.com上でGmail、Google Drive、Google Calendarの統合を実現していたが、今後は利用できなくなる。これにより、Gmailユーザーは別の方法でメールにアクセスする必要がある。
Windows用およびMac用の新しいOutlookアプリは引き続きGmailアカウントをサポートするため、これらのプラットフォームを使用するユーザーは大きな影響を受けない。しかし、Outlook.comでGmailを利用していたユーザーは、別のメールクライアントに切り替えるか、Outlookのデスクトップアプリを利用することを検討する必要がある。
この変更は、Microsoftのセキュリティ強化策の一環として行われるものであり、より安全なメール環境を提供するためのものである。Microsoftは、この変更に伴う影響を最小限に抑えるため、詳細なサポート情報を提供している。ユーザーは、この情報を参考にして適切な対策を講じることが推奨される。
Outlook Webアプリの軽量バージョン廃止
Microsoftは、8月19日にOutlook Webアプリの軽量バージョンを廃止することを発表した。このバージョンは、古いブラウザでの利用を考慮して設計されたものであったが、今後は最新のブラウザを使用することが求められる。これにより、ユーザーはより安全で高性能なWebアプリの利用が可能になる。
軽量バージョンの廃止に伴い、Outlook.comを利用するためにはMicrosoft EdgeやChrome、Firefox、Safari、Operaの最新バージョンが必要となる。具体的には、Microsoft EdgeまたはChromeのバージョン79以降、Firefoxのバージョン78以降、Safariのバージョン16以降、Operaのバージョン76以降が対応している。加えて、Windows 10以降およびWindows Server 2016以降のオペレーティングシステムも必要である。
この変更は、Microsoftのセキュリティ対策の一環として行われるものであり、ユーザーのデータをより強固に保護するためのものである。軽量バージョンの廃止によって、ユーザーは最新のセキュリティ技術を活用できる環境が提供される。Microsoftは、この変更によりユーザーが安全で快適なメール環境を利用できることを目指している。
新しいセキュリティ対策の全貌
MicrosoftのSecure Future Initiativeは、Outlookのセキュリティを大幅に強化するための包括的な取り組みである。このイニシアチブの一環として、Basic認証の廃止やGmailサポートの終了、軽量バージョンの廃止などが行われる。これにより、ユーザーのデータはより高度なセキュリティ技術で保護される。
Secure Future Initiativeの中心には、Modern認証の導入がある。この新しい認証方式は、OAuth2などの先進的な技術を使用しており、ユーザー名とパスワードのみを使用するBasic認証に比べて格段に安全である。Modern認証は、追加のバックエンドプロセスやトークンを用いてセキュリティを強化し、不正アクセスのリスクを大幅に低減する。
さらに、Outlook.comでのGmailアカウントサポートの終了や軽量バージョンの廃止も、セキュリティ強化の一環として実施される。これにより、ユーザーは最新のブラウザとオペレーティングシステムを使用して、より安全な環境でOutlookを利用できる。Microsoftは、これらの変更に伴い、影響を受けるユーザーに対して詳細なサポート情報を提供している。
Secure Future Initiativeは、ユーザーのセキュリティを最優先に考えた取り組みであり、今後も継続的にセキュリティ対策を強化していく予定である。Microsoftは、このイニシアチブを通じて、より安全で信頼性の高いメールサービスを提供し続けることを目指している。