JPMorgan Chaseは、連邦準備制度の声明に基づいて株価の動きを予測する新しいAIモデルを発表した。同行は、この尺度をホーク・ダヴ・スコアと呼んでいる。Bloombergなど海外報道機関が報じた。

JPMorgan、ChatGPTを活用しAIで株価動向を予測するツールを開発

多国籍金融サービス企業のJPMorgan Chaseは、連邦準備制度の声明から株価の動きを予測できる新しいAIモデルを発表した。このツールは、連邦準備制度によって公表された声明を解釈するためにChatGPTを使用する。

JPMorgan Chaseは、いくつかのAI利用事例に取り組んでいる。このツールは、株価の動きに与える影響をランク付けするためのChatGPTベースの言語モデルである。投資銀行は、これをホーク・ダヴ・スコアと呼称している。

例えば、このAIモデルは過去のFRBの声明を読み込み、「FRBのスピーカー間での鷹派的な発言の増加が見られ、次回の政策声明がより鷹派的になり、1年物国債の利回りが上昇する」と示していたという。

この尺度で鷹派スコアの10ポイントの増加は、次回の政策会合で25ベーシスポイントの利上げ確率が10パーセントポイント上昇することに相当する。今後数か月間で、このモデルは30以上の中央銀行における生命で使用される予定という。

JPMorgan Chaseは、ビジネスにおいて技術を積極的に活用してきた。特にAIは、同行が取り組んできた分野であり、報道によれば300以上の利用事例が既に製品化されている。CEOのJamie Dimon氏は、この技術が画期的であると述べている。

ChatGPTは、AI製品への大規模な開発や利用の強い原動力となっている。JPMorgan Chaseでは、クラウドベースのデータセンターの構築に20億ドル以上を投じている。

生成AIによって金融業界での競争力を高める

このようなAI技術の活用により、JPMorgan Chaseは金融業界における競争力を高めることが期待される。また、同行は他の金融機関や企業にも、AIを活用したサービスやソリューションの提供を行っていくことが予想される。

中央銀行の政策決定に関連する情報を解析することにより、投資家にとってより正確な株価予測を提供できるようになり、リスク管理や投資判断の改善が見込まれる。これにより、市場全体の効率性が向上する可能性がある。

しかし、AI技術の急速な進化とその影響に対して、規制当局は慎重な姿勢を取っている。AIの利用に伴う潜在的なリスクや倫理的な問題に対処するため、各国政府は規制策の整備やガイドラインの策定を進めている。

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今後、JPMorgan Chaseのような金融機関が、AI技術を適切に活用しながら、規制や倫理的な課題に対応していくことが、技術の持続的な発展と市場の健全性に寄与するであろう。

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