Amazon、Google、Microsoftの2023年1Q決算報告によれば、顧客は売り上げ減少や景気の先行き不透明感から、支出を削減する方法を模索しており、クラウドサービス事業に影響が出ている。

参考:Amazon.com Announces First Quarter Results
参考:Google 2023 1Q IR Press release
参考:Microsoft FY23 Q3 Press release

クラウド事業の成長減速が鮮明に

Amazon Web Servicesの前年同期比成長は、第4四半期の20%から16%に減速した。 「我々が見ているのは、この不確かな時期において、企業が支出に慎重である続けることだ」とAmazonのCEOであるAndy Jassy氏が決算電話会議で語った。

クラウドコンピューティング市場は、企業が自社のデータセンターからますます多くのワークロードを移行することで成長し続けているが、Amazon、Microsoft、Googleは、顧客がコスト削減の方法を模索していると述べた。

結果として、Amazon、Microsoft、Googleが運営するクラウド部門の収益成長が鈍化している。 そして、この分野のリーダーであるAmazon Web Servicesにとって、それは事業ポートフォリオの柱における利益が減少し、収益マージンが縮小することを意味する。

これは、2022年に景気後退の恐れが経済に打撃を与えるとのリスクが高まったことに起因している。 AWSは第3四半期と第4四半期にも減速した。そして、先の四半期Microsoftの財務責任者であるAmy Hood氏は、12月の減速についてコメントし、それが継続すると予想したことでアナリストたちを驚かせた。

Amazonの財務責任者であるBrian Olsavsky氏は、投資家にとって悪い知らせを伝えている。彼は、4月にAWSの収益成長が、第1四半期の約16%の成長率から約5ポイント低下する、と述べている。同社の株価はその後下落した。

Googleでは、クラウド成長は前期の32%から第1四半期に前年比28%に減速した。「顧客がマクロ経済の状況を考慮してコストを最適化しようとする中、消費の成長が鈍化するという逆風を感じている」と、決算電話会議でAlphabetの財務責任者であるRuth Porat氏が語った。

AlphabetのCEOであるSundar Pichai氏は「事業の最適化に取り組んでいる。これは顧客を支援することに力点を置いており長期的な視野を持っている。私たちはできる限りの効率向上の実現を図っている」と語った。

クラウドへのシフトは続いているものの、企業がまだクラウドの利点を十分に活用するまでには長い道のりがあるため、前述のITジャイアントはクラウドが引き続き技術市場で強力な市場であると楽観的に考えていると取れる。「世界のIT支出の90%以上がまだオンプレミスにある」とJassy氏は語っている。

顧客のコスト最適化ニーズに合致するソリューション提案が肝要

クラウドコンピューティング市場は依然として拡大しているものの、顧客が支出削減策を模索していることから、競争が激化していると言える。Amazon、Microsoft、Googleといったトップクラウドプロバイダーは、景気後退の懸念や経済の不確実性を考慮に入れて、顧客により効率的なサービスを提供しなければならない状況に直面している。

このような状況下で、クラウドプロバイダーが成功するためには、顧客のコスト最適化ニーズに対応する革新的なソリューションを提案することが重要である。これには、クラウドインフラストラクチャの効率化、データ管理の最適化、セキュリティ対策の強化など、さまざまな要素が含まれる。

さらに、これらの企業は、クラウド市場のポテンシャルを引き続き活用するために、新興市場や中小企業をターゲットにした製品やサービスの開発にも力を入れるべきである。これにより、競争が激化する市場でのシェア獲得や成長機会を確保することができる。

クラウドプロバイダーは、持続可能な成長を実現するために、パートナーシップやエコシステムの拡大にも注力する必要がある。これにより、顧客が抱える様々な課題に対して包括的なソリューションを提供し、顧客満足度を向上させることができるだろう。

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