Appleの「It’s Glowtime」イベントが9月9日に迫り、Apple Watchシリーズ10やSE 3の発表が予想されている。シリーズ10は10周年記念モデルとして、ディスプレイサイズの拡大や薄型化などが噂されているが、大きな機能追加は見られないようだ。一方、SE 3は価格面での競争力が期待されており、ウルトラ3に関しては黒いケースの追加が噂される程度である。
Apple Watchシリーズ10の進化とデザイン変更
Apple Watchシリーズ10は、初代モデルから10年を迎える節目として登場する。この新モデルは、ディスプレイサイズが49mmに拡大され、より広い表示領域を提供するとされている。現行のシリーズ9の最大サイズである45mmと比較しても、かなりの大型化が予想されており、デザイン面での大きな変化となる。また、ベゼルがさらに狭くなることで、スタイリッシュでモダンな外観が強調されることが期待される。
さらに、Apple Watchシリーズ10は薄型化が進められ、これまでよりも軽量で快適な装着感が提供される見込みである。しかしながら、新しいヘルスセンサーや血圧モニタリング、睡眠時無呼吸症候群の検出機能などの大幅な技術革新は見送られる可能性が高い。このため、デザインやサイズの変化がシリーズ10の主な改良点となるであろう。
チップセットの高速化も噂されているが、これについての詳細は明らかにされていない。価格はシリーズ9と同様、399ドルまたは429ドルからのスタートが予想されており、コストパフォーマンスの面でも大きな変更はないと考えられる。
SE 3の新機能と価格に関する期待
Apple Watch SE 3は、シリーズ10と共に発表される可能性が高い。SEシリーズは、価格を抑えたエントリーモデルとして位置付けられており、SE 3も同様のコンセプトで提供される見込みである。特に注目されるのは、SE 3が現行モデルよりもさらに低価格で登場する可能性がある点である。
SE 3は、41mmと45mmの2つのディスプレイサイズで提供されるとされ、従来の40mmと44mmモデルよりもわずかに大きくなる見込みである。これにより、より多くの情報が表示できるようになると考えられる。また、新たな健康センサーの追加が期待されており、心拍センサーに加えて、他のバイタルデータの計測が可能になるかもしれない。
一方、SE 3の特徴として、カラフルなプラスチックケースが採用されるとの噂があり、これにより若年層やファーストタイムユーザーへの訴求力が強化されることが期待される。価格は249ドル以下になる可能性が示唆されており、コストパフォーマンスに優れたモデルとして市場での競争力を発揮することが予想される。
ウルトラ3に関する控えめなアップデート
Apple Watchウルトラ3は、シリーズ10やSE 3と比較すると、控えめなアップデートに留まると予想されている。ウルトラシリーズは、高性能を求めるユーザー向けに設計されており、そのプレミアム感は維持されるものの、今回のウルトラ3では大きな機能追加やデザイン変更は行われない可能性が高い。
最大の変更点として噂されているのは、新たにブラックのケースカラーが追加されることである。現在のシルバーのチタニウムケースに加えて、より落ち着いた印象のブラックモデルがラインナップに加わることで、選択肢が広がることになる。機能面では、従来のモデルとほぼ同一であり、ハードウェアの進化は最小限に抑えられると見られている。
また、価格は799ドルからのスタートが予想されており、前モデルからの変更はほとんどないとされる。ウルトラ3は、シリーズの一環として毎年新モデルが発表されるという期待から注目されているが、今回は小幅な改良に留まることが確実視されている。
血中酸素モニタリング機能の問題と今後の展望
Apple Watchシリーズ6以降のモデルには、血中酸素モニタリング機能が搭載されているが、米国市場においてはこの機能が利用できない状態が続いている。この問題は、Appleが特許侵害訴訟で敗訴を重ねたことに起因しており、現在も解決の兆しが見えていない。
このため、最新のシリーズ10やSE 3、ウルトラ3でも、米国内で販売されるモデルには血中酸素モニタリング機能が搭載されない可能性が高い。この機能が復活するには、Appleが訴訟問題を解決し、特許使用に関する合意を得る必要があるが、その見通しは立っていない。
血中酸素モニタリングは、特に健康管理やフィットネス目的でApple Watchを利用するユーザーにとって重要な機能である。米国外の市場では引き続き利用可能であるものの、米国市場でのこの制約はApple Watchの競争力に影響を与える可能性がある。Appleが今後どのように対応するかが注目される。