編集部
マレーシア航空とGoogleのAIプラットフォーム「Gemini」は、2024年9月6日から8日にかけて開催されたMATTAフェアにて、AI技術を初めて物理的にデモンストレーションした。Geminiは自然言語処理や予測分析の分野で先進的な機能を持ち、来場者はAIによる旅行先のビジュアル化やパーソナライズされた旅程提案を体験できた。
また、マレーシア航空は2025年3月からパリ・シャルルドゴール空港への直行便の運航を開始すると発表し、ヨーロッパ市場への本格的な拡大を示唆した。
マレーシア航空とGoogle Geminiが提携するAI技術とは？
マレーシア航空は、2024年9月に開催されたMATTAフェアにおいて、Googleの先進的なAIプラットフォーム「Gemini」との提携を発表した。この提携は、航空業界におけるデジタル変革を加速させる一環であり、旅行者に対してよりパーソナライズされたサービスを提供するための新たな取り組みである。Geminiは、自然言語処理（NLP）や予測分析において非常に優れた能力を持っており、これを活用することで、航空会社は顧客のニーズや嗜好をより正確に把握することが可能になる。
MATTAフェアの会場では、来場者がGeminiのAI技術を体験できる特別なデモンストレーションが行われた。例えば、訪問者は自分の理想的な旅行先をAIが自動的にビジュアル化し、それに基づいてパーソナライズされた旅程が提案される。このような技術により、旅行者はより効率的で、個別のニーズに応じたサービスを受けられるようになる。
今回の提携は、単なるテクノロジー導入にとどまらず、旅行体験そのものを革新するものである。マレーシア航空とGoogleは、今後もこうした技術の活用を通じて、さらなる成長と顧客満足度の向上を目指している。
AIが提供する次世代の旅行体験
AI技術の進化により、旅行業界におけるサービスの提供方法が大きく変わろうとしている。特にGoogle GeminiがもたらすAI技術は、旅行者が従来の方法では得られなかった新しい体験を提供する。Geminiは、単なるデータ分析にとどまらず、顧客の過去の行動や嗜好を元に、未来の行動を予測する能力を持っている。これにより、旅行者はより個別化された旅行計画を立てることができ、旅行前から旅先での活動まで、すべてがスムーズに進行するようサポートされる。
MATTAフェアでのデモンストレーションでは、訪問者が理想的な旅行先をAIでビジュアル化できるだけでなく、それに基づいて詳細な旅程が提案されるという、まさに次世代の旅行体験が提供された。このAI技術は、旅行者の希望に基づいたカスタマイズされた体験を可能にし、特に初めての訪問地でも不安なく旅を楽しむことができるようにする。
GeminiのAI技術は、旅行者にとって効率的でストレスのない旅行を実現する鍵となるだけでなく、航空会社や旅行会社にとっても、サービスの向上と顧客満足度の向上を可能にする革新的なツールとなっている。
パリへの直行便新設とヨーロッパ市場への拡大
マレーシア航空は、2025年3月より、クアラルンプール国際空港からフランス・パリのシャルルドゴール空港への直行便を新設することを発表した。これは、同航空会社にとって68番目の目的地であり、アジアからヨーロッパへの新たな架け橋となると期待されている。この直行便は週4便運航され、使用される航空機は最新鋭のA350-900である。
この路線の開設により、マレーシア航空はヨーロッパ市場における競争力を強化し、特にビジネス旅行者や観光客を中心に新たな顧客層を取り込むことを目指している。既存のロンドンやドーハ便に加え、パリへの直行便が運航されることで、同航空会社はより多様な選択肢を旅行者に提供し、グローバルなプレゼンスを強化する意向である。
マレーシア航空グループ（MAG）のCEOであるダトゥク・キャプテン・イズハム・イスマイル氏は、パリ路線の開設が同社の成長戦略において重要な一歩であると語った。また、ヨーロッパ市場は競争が激しいものの、同社が提供するサービスの質と新しいフリートの導入が競争優位性を高めると強調している。
法人向けプログラム「MHcorporate」の進化
マレーシア航空は、法人向けの新しいトラベルプログラム「MHcorporate」をリニューアルし、企業顧客に対してより柔軟でコスト効率の高い旅行プランを提供する。このプログラムは、中小企業から大企業まで、あらゆる法人顧客に対してカスタマイズされた旅行ソリューションを提供し、企業のニーズに応じたフレキシブルな運用が可能である。
MHcorporateに参加する中小企業（SME）は、マレーシア航空のベース料金に対して4倍のコーポレートエンリッチポイントを獲得できる他、MATTAフェアでの特別オファーに対してさらに5%の割引を受けられるなど、多くの特典が用意されている。また、従来の法人向けプログラムと比べ、事前のコスト削減が期待でき、ビジネストリップの柔軟性が大幅に向上する。
この新しい法人プログラムは、コロナ後の企業活動の回復を見据えたものであり、より多くの法人顧客を取り込む狙いがある。特に、中小企業向けのサービスの拡充に力を入れており、従来の大企業向けのサービスに加え、中小企業にも魅力的なプランが提供されている。