Googleは、ダークウェブ上での個人データ漏洩を監視するサービス「ダークウェブレポート」を無料で提供し始めた。従来はGoogle Oneの有料プランの一部であったが、現在46カ国で利用が可能で、プライベートアカウントのユーザーに限定されている。

このサービスでは、最大10件のメールアドレスやその他の個人情報を監視し、漏洩が発見された場合には即座に通知を行い、適切な対策を提示する。

Googleの新サービス: ダークウェブ監視の無料化

Googleは個人データの保護強化を目的とし、ダークウェブ上でのデータ漏洩を監視する「ダークウェブレポート」サービスを、プライベートアカウント向けに無料で提供するようになった。2023年8月にGoogle Oneの一部機能としてドイツでスタートしたこのサービスは、2024年9月の時点で46カ国で利用可能となり、デジタル社会における個人情報の保護手段として注目を集めている。

従来はGoogle Oneの有料サブスクリプションの一環として提供されていたが、今回の無料化によってより多くのユーザーが利用できるようになった。これにより、プライベートアカウントを持つユーザーは、専用の監視機能を利用して自分の個人情報がダークウェブに漏洩していないかを確認することができる。特に、サイバー犯罪の増加が問題視される中、ユーザーが自らのデジタル足跡を管理できる手段として大きな意義を持つ。

サービスはただし、Google Workspaceやファミリーリンクによる親管理アカウントには提供されていないため、特定の利用者層は引き続き利用できない点に留意が必要である。

最大10件のメールアドレスを監視可能

Googleのダークウェブレポートでは、最大10件のメールアドレスを1つのアカウントで登録し、定期的にダークウェブ上の漏洩情報を監視することが可能である。また、メールアドレスだけでなく、ユーザーの名前や住所、電話番号、さらには生年月日といった個人情報も対象となる。

これにより、ダークウェブに流出したデータが確認され次第、ユーザーに迅速に通知が届き、必要な対策が推奨される。例えば、漏洩が確認された場合、速やかにパスワード変更やその他のセキュリティ強化策が取られるよう助言される。監視対象の情報は、日常的に利用される個人データに広く対応しており、インターネットサービス利用の際に必須となる情報も含まれるため、非常に実用的である。

また、複数のデータ漏洩に関連する場合、そのデータの組み合わせによってより深刻な被害が発生する可能性も指摘されている。メールアドレスが複数の漏洩に関与している場合、住所や銀行口座情報が併せて流出するリスクもあるため、このような状況を防ぐことが重要である。

データ漏洩は誰もが直面する問題

現代のデジタル社会では、データ漏洩はもはや他人事ではない。企業やサービスプロバイダーに登録した個人データが、サイバー攻撃や人的ミスによって漏洩するリスクは常に存在する。特に、企業側が強力なセキュリティ対策を講じていたとしても、内部の不注意や外部からの攻撃によってデータが流出する事例は後を絶たない。

この問題は、政府機関や個人であっても例外ではない。時折、自治体や公共機関からのデータ漏洩も報告されており、悪意のある攻撃によってなくとも、内部のヒューマンエラーや技術的な不具合で情報が外部に流出することがある。その結果、個人が自らの情報を守る手段を持つことが、ますます重要となっている。

特にダークウェブに流出した情報は、犯罪者によって悪用される可能性が高く、単一の漏洩が後の大規模な被害に繋がるケースも多い。こうした状況を防ぐためにも、自らの情報を監視し、漏洩が確認された場合に迅速な対応を取ることが必要である。

ダークウェブと個人情報保護の重要性

ダークウェブとは、通常の検索エンジンではアクセスできないインターネットの一部であり、匿名性が高いためにサイバー犯罪が横行する場所でもある。ここでは盗まれた個人情報やクレジットカード情報、その他違法な商品やサービスが取引されている。こうした状況下で、個人情報の保護はますます難しくなっている。

特に、ダークウェブ上に流出したデータは犯罪者にとって非常に価値があり、悪用されると被害者は長期間にわたり深刻な損害を被ることがある。例えば、名前や住所、銀行口座の情報が一度でも流出すると、詐欺や不正利用のリスクが高まり、被害の回復には多くの時間と労力が必要となる。

そのため、個々人が自らの情報を保護し、定期的に監視することが重要である。Googleのダークウェブレポートのようなサービスは、こうしたリスクに対する有効な防御手段であり、個人情報が犯罪者の手に渡る前に早期対応を行うための重要なツールとなる。

Reinforz Insight
ニュースレター登録フォーム

最先端のビジネス情報をお届け
詳しくはこちら

プライバシーポリシーに同意のうえ