Appleは、iPhone 16シリーズ向けに新しい25W対応のMagSafe充電器を発表した。この充電器は、Qi2デバイスにも対応しているが、25Wの高速充電が可能なのはiPhone 16モデルのみである。これは、SamsungのGalaxy S24シリーズやGoogleのPixel 9シリーズの充電速度を上回る性能を持つ。
iPhone 16対応の新しい25W MagSafe充電器
Appleは2024年9月に開催されたiPhone 16イベントで、iPhone 16シリーズに対応する25Wの新しいMagSafe充電器を発表した。この充電器は、従来のMagSafeと同様に円形のパック状デザインで、iPhone背面に磁力で取り付ける仕組みとなっている。対応機種はiPhone 16シリーズに限定されるが、他のQi2対応デバイスでも使用可能である。しかし、最大25Wのワイヤレス充電速度を享受できるのはiPhone 16シリーズのみで、その他のデバイスは低速充電に制限される。
Appleの公式製品ページによると、iPhone 8以降のモデルや、ワイヤレス充電機能を持つAirPodsも新しいMagSafe充電器で充電が可能である。だが、充電速度は機種によって異なり、iPhone 12以降であっても15Wが最大となる。
Appleはこの新しいMagSafe充電器を、1mバージョンを39ドル、2mバージョンを49ドルで販売することを発表した。なお、充電器を利用するには、別途30WのUSB-C電源アダプタが必要となるため、ユーザーは充電器と併せてアダプタも購入する必要がある。
競合を凌ぐ充電速度:SamsungやGoogleを上回る25W充電
iPhone 16シリーズのMagSafe充電器は、Apple製品における充電速度の向上を示すものであり、競合他社の製品を凌駕する性能を備えている。たとえば、SamsungのGalaxy S24シリーズでは最大15Wのワイヤレス充電が可能だが、Appleの新しいMagSafe充電器はiPhone 16において最大25Wの充電速度を実現している。また、GoogleのPixel 9シリーズもワイヤレス充電が可能だが、専用のGoogle Pixel Standを使った場合でも最大で23Wにとどまり、標準的なQi充電器を使うと12Wに制限される。
Appleはこれまで、競合他社の製品と比較してワイヤレス充電技術の面で後れを取っていたが、今回の25W対応MagSafe充電器はその遅れを大きく挽回するものである。この充電速度により、iPhone 16やiPhone 16 Proではバッテリーを約30分で50%まで充電できるようになる。従来のモデルでは達成できなかったこの高速充電は、ユーザーにとって大きな利便性を提供することになるだろう。
新MagSafe充電器の価格とラインナップ
Appleは新しいMagSafe充電器を1mと2mのケーブル長で提供しており、それぞれ39ドルと49ドルの価格設定となっている。この価格設定は、Appleの充電関連アクセサリとしては標準的な範囲に収まるものの、ユーザーが最大の充電速度を享受するには別途30WのUSB-C電源アダプタを購入する必要がある。そのため、実質的にユーザーが支払う総額はもう少し高くなる。
また、iPhone 16シリーズのパッケージには充電器が同梱されていないため、ユーザーは充電器を別途購入しなければならない。これは最近のiPhoneシリーズでも見られた方針であり、Appleがエコロジーを考慮した結果であるとされている。とはいえ、ユーザーからは「別売りされることで追加費用がかかる」という批判も一部で見られている。Appleがこの充電器に対してどのような販売戦略をとるか、今後の市場反応が注目される。
対応機種と必要なUSB-C電源アダプタ
Appleの新しい25W対応MagSafe充電器は、iPhone 16シリーズをはじめ、iPhone 8以降のモデルや、ワイヤレス充電に対応したAirPodsもサポートしている。しかし、充電速度に関してはモデルごとに異なり、iPhone 16シリーズのみが25Wでの充電を享受できる。iPhone 12以降のモデルでは最大15W、iPhone 8から11シリーズにかけては最大7.5Wの充電速度となるため、iPhone 16以外の機種ではその性能を最大限に引き出せない点に留意する必要がある。
また、AppleはこのMagSafe充電器に対応するために、30WのUSB-C電源アダプタを別途購入する必要があると強調している。20Wのアダプタでも充電は可能だが、25Wの高速充電を利用するには30Wアダプタが必須となる。