OpenAIのCEOであるSam Altmanが共同創設者の1人である暗号通貨プロジェクトWorldcoinは、5月8日に暗号通貨ウォレットのローンチを発表した。

参考:INTRODUCING WORLD APP – The first Worldcoin wallet, designed to bring digital identity & global finance to all

サム・アルトマン率いるWorldcoinがウォレットアプリをローンチ

出典:Worldcoin

新しいウォレット「World App」は、Worldcoin(WLD)のベータ版とWrapped Ethereum(WETH)、Wrapped Bitcoin(WBTC)、USD Coin(USDC)、Maker’s DAIステーブルコイン(DAI)などの第三者暗号通貨をサポートしている。

Worldcoin自体は現在流通していないが、今年後半にローンチされる予定である。適格な国のユーザーは、トークンを週次または月次で請求できるようになる。

World AppとWorldcoinは、Ethereumブロックチェーンおよびアカウント抽象化、ENSユーザー名、Uniswapを含む関連技術を活用している。ベータ版はPolygonを活用しており、最終版はEthereumのロールアップ上で動作する想定。

また、プロジェクトはフィアット通貨の出金と入金にRampとMoonPayに依存している。

WorldcoinはAIとIDに焦点

Worldcoinは、認証を網膜スキャンID技術に依存しているため、2021年から度々「ディストピアン」と呼ばれるようになり物議を醸している。

Worldcoinプロジェクトは、World AppがWorld ID製品をオプションとして統合していることを発表した。アプリは「個人情報を必要としない」とし、ユーザーが自分のデータを即座に削除できると説明している。World IDキーはセルフカストディであるが、ユーザーはクラウドサービスでキーをバックアップできるとしている。

Worldcoinは、Sam Altmanが創業者に名を連ねているが、直接OpenAIとは関連していないとされている。Altmanは、2011年から2019年にかけて、スタートアップアクセラレーターであるYCombinatorでさまざまな役割を担っていた。

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Worldcoinプロジェクトは、暗号通貨とAI技術を組み合わせることで、新しい技術の恩恵を受ける機会を提供し、社会全体の利益に貢献することを目指している。今後のWorldcoinの動向は、暗号通貨業界やAI分野の関係者にとって注目すべきだろう。

Worldcoinプロジェクトが与えるインパクト

Worldcoinプロジェクトは、暗号通貨とAI技術を組み合わせることで、社会に対して大きなインパクトを与える可能性がある。網膜スキャンID技術を利用したWorld ID製品は、個人情報保護やプライバシーの懸念を招く可能性があるため、適切な対策が求められる。

加えて、WorldcoinプロジェクトがEthereumブロックチェーン上で構築されていることは、スケーラビリティやセキュリティの観点から、プロジェクトの成功に重要な影響を与える可能性がある。Ethereumのロールアップ技術を利用することで、取引コストや処理速度の問題が解決されることが期待されるが、その実現性には不確実性が伴う。

また、Sam AltmanがOpenAIのCEOでありながらWorldcoinプロジェクトにも関与していることは、両者の関係についての憶測を生むことがある。しかし、両者が直接関連していないとされるため、OpenAIとWorldcoinプロジェクトは、それぞれ独立して進化し、成長すると考えられる。

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Worldcoinプロジェクトは、暗号通貨とAI技術を活用した社会貢献のあり方を再考させるものであり、その取り組みがどのように発展するかに注目が集まるであろう。しかし、プロジェクトの成功には、技術的課題の克服やプライバシー保護に関する懸念への対応が不可欠であることを忘れてはならない。

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