アイ・グリッド・ソリューションズは、オンサイトPPAによる分散型太陽光発電所の開発実績が1,000施設を超えたことを発表した。発電容量は約240MWに達し、地域のライフラインを支える企業270社に導入されている。

同社は、AI技術を駆使した「余剰電力循環スキーム」を活用し、発電所の効率を最大化する取り組みを進めている。また、長期的な顧客関係の構築を目指し、カスタマーセンターを新設した。

オンサイトPPAによる太陽光発電の拡大と実績

アイ・グリッド・ソリューションズは、オンサイトPPAモデルによる太陽光発電所の開発を積極的に進め、1,000施設を超える実績を達成した。主に商業施設や物流センターの屋根を活用し、発電容量は約240MWに達している。2017年からこの事業を展開し、2020年のカーボンニュートラル宣言を機に需要が急増。現在では、国内No.1の開発実績を誇っている。

オンサイトPPAは、施設の屋根に太陽光パネルを設置し、発電された電力を自家消費する仕組みである。このモデルにより、企業は初期投資なしで再生可能エネルギーの導入が可能となり、コスト削減と環境負荷低減の両立を実現している。また、アイ・グリッドは日々の運用管理を一手に引き受け、契約先企業に対して安定的な電力供給とサービスを提供している。

直近1年間の開発スピードは1日1施設以上と驚異的なペースで進行しており、導入先企業数は270社にのぼる。今後もさらなる事業拡大を目指し、地域企業や金融機関との連携を強化。オンサイトPPAモデルを基盤に、日本全体の脱炭素化に貢献していく姿勢を示している。

AI技術を活用した「余剰電力循環スキーム」の導入

アイ・グリッドの強みは、AI技術を用いた「余剰電力循環スキーム」にある。このシステムは、太陽光発電によって生じた余剰電力を効率的に管理・活用することで、発電所の稼働率を最大化させる仕組みである。昼間の発電量が多い時間帯には太陽光発電による電力を施設の運用に使用し、稼働しない時間帯や発電量が過剰な場合には余剰電力を蓄電池に貯めることができる。

このスキームによって、企業は電力の自給率を高め、外部からの電力調達を抑えることが可能となる。特に、ホームセンターや物流施設など、屋根面積が広い施設での導入が進んでおり、100%自家消費で賄うことも可能なケースが増えている。また、余剰電力を地域の電力ネットワークに還元することで、地域全体のエネルギー効率の向上にも寄与している。

さらに、停電時でも太陽光発電の電力が使用できる予備電源機能を標準装備しており、地域のレジリエンス強化に貢献している。アイ・グリッドは、このシステムをさらに拡充させ、再生可能エネルギーの普及を推進。地域社会との協力を通じて、持続可能なエネルギー利用の拡大を目指している。

地域企業との連携と新設カスタマーセンターの役割

アイ・グリッドは、地域企業との連携強化を図りながら、太陽光発電の普及を推進している。その一環として、2024年9月にはカスタマーセンターを新設し、顧客との密なコミュニケーションを通じて、サービスの品質向上を目指している。カスタマーセンターでは、発電所の運営状況やメンテナンスに関する問い合わせだけでなく、新たなエネルギーソリューションの提案も行う。

特にオンサイトPPAの導入企業に対しては、20年間の長期契約に基づくサポートを提供。顧客のニーズをリアルタイムで把握し、迅速な対応を可能にしている。これにより、顧客との信頼関係を強化し、長期的なビジネスパートナーシップの構築を目指している。また、AI技術を駆使した再エネプラットフォームによる電力供給の最適化を行い、顧客満足度の向上にも努めている。

この取り組みは、単なる電力供給にとどまらず、地域のライフライン企業としての役割を果たすものでもある。今後も、地域金融機関や地元企業との連携を深め、再生可能エネルギーの利用拡大を支援。アイ・グリッドは、社会全体の脱炭素化に向けた取り組みを強化し、持続可能な未来の実現に貢献していく。

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