OpenAI「Shap-E」徹底解説：3Dオブジェクト生成AI【機能・料金価格・インストール・使い方】

近年、詳細なテキストからビデオを生成するAIモデルや、スマートフォンでチャットボットを動作させるAIが出現しています。

そして今回、ChatGPTの開発元であるOpenAIが、Microsoft Paint 3Dで開くことができ、3Dプリンタで出力できるSTLファイルに変換できる3Dオブジェクトを生成するモデル、Shap-Eを発表しました。

「Shap-E」とは？概要説明

まずは最新のAI技術の一つである「Shap-E」モデルを簡単に紹介します。

OpenAIが開発した「Shap-E」は、テキストや画像を元に3Dオブジェクトを生成することができるAIモデルです。Microsoft Paint 3Dで開くことができる形式や、最先端の3Dプリンターで出力可能なSTLファイルに変換することも可能です。

このモデルはGitHub上で無料で利用することができ、一度ダウンロードしてしまえばインターネット接続なしにPC上でローカルに動作させることができます。また、OpenAIのAPIキーは必要なく、使用料は発生しません。

「Shap-E」の特徴や機能

OpenAIが開発した「Shap-E」は、テキストや画像から3Dオブジェクトを生成するAIモデルですが、その特徴と機能を詳しく解説します。

多機能性: Shap-Eは、テキストや画像から3Dオブジェクトを生成する能力を持っています。これにより、Microsoft Paint 3Dで開くことができる形式や、3Dプリンターで出力可能なSTLファイルに変換することも可能です。

ローカルでの動作: Shap-Eは、PC上でローカルに動作することが可能です。一度必要なファイルとモデルをダウンロードしてしまえば、インターネット接続なしでも利用できます。

無料利用可能: Shap-Eは、GitHub上で無料で利用できます。また、OpenAIのAPIキーは必要なく、使用料は発生しません。

システムリソース要件: Shap-Eは大量のシステムリソースを必要とします。したがって、Nvidia製の高性能GPUを搭載したPCでの利用が推奨されます。

出力の質: 現状のShap-Eの出力は一部改善が必要とされています。生成された3Dオブジェクトは低解像度であり、重要な詳細が欠けていることがあります。

また、Shap-Eの取り扱いには一定の技術的なハードルが存在します。OpenAIから提供されるインストール手順はほとんどなく、また、Shap-Eを動作させるために必要な依存関係が明記されていないため、適切なセットアップと動作には一定の時間と労力が必要となります。

「Shap-E」を利用するメリットやインパクト

OpenAIによって開発された「Shap-E」は、アウトプットの品質は向上が必要であるものの、その多機能性とアクセシビリティにより、3Dオブジェクト生成の分野において大きなメリットとインパクトを持つ可能性を秘めたAIモデルです。

テキストや画像からの3Dオブジェクト生成: Shap-Eの最大の特徴は、テキストや画像を元に3Dオブジェクトを生成する能力です。これにより、従来は複雑な3Dモデリング技術が必要だった作業を、短時間で簡単に実行することが可能になります。

利用の手軽さ: Shap-EはGitHub上で無料で提供されており、OpenAIのAPIキーは必要なく、使用料は発生しません。また、一度必要なファイルとモデルをダウンロードすれば、インターネット接続なしでローカルに動作させることが可能です。これにより、誰でも手軽に3Dオブジェクト生成のエクスペリメントを行うことが可能となります。

新たな創造性の開放: Shap-Eは、テキストや画像という直感的な入力から3Dモデルを生成することができるため、従来の3Dモデリングの枠組みを超えた新たな創造性を開放します。これにより、デザイナーやアーティスト、開発者などが自由にアイデアを形にすることが可能となります。

しかし、これらのメリットを最大限に活用するためには、Shap-Eの特性とリソース要件を理解し、適切な環境で利用することが重要です。特に、大量のシステムリソースを必要とするため、高性能なGPU（特にNvidia製）を搭載したPCでの利用が推奨されます。

Shap-Eは、これまでにない新しい3Dオブジェクト生成の可能性を開く一方で、その出力の質にはまだ改善の余地があります。しかし、そのパワフルな機能とアクセシビリティにより、今後の開発と改善によってさらなるインパクトをもたらすことが期待されます。

「Shap-E」で想定される活用事例やユースケース

OpenAIが開発した「Shap-E」は、3Dオブジェクト生成能力により、幅広い産業や分野での活用が想定されています。以下に、いくつかの具体的な活用事例を挙げてみましょう。

製品設計・プロトタイピング: Shap-Eは、製品設計の初期段階で活用できます。テキストや2Dイメージからの3Dオブジェクト生成能力を利用して、新たな製品のプロトタイプを迅速に作成し、そのデザインを評価することが可能です。また、3Dプリントによる物理的なプロトタイプの作成にもつながります。

エンターテイメント業界: 映画やゲームの制作過程では、キャラクターやシーンの設計にShap-Eを活用できます。テキスト説明から直接3Dモデルを生成することで、製作時間を大幅に短縮し、より多くの創造的な試行錯誤を可能にするでしょう。

教育・研修: Shap-Eは、教育や研修の分野でも有効活用できます。特に、物理的なオブジェクトを理解する必要がある科学や工学の教育では、テキストから3Dモデルを生成することで視覚的な理解を深めることができます。

不動産・建築業界: 不動産や建築の分野では、建物や部屋の設計を視覚化するためにShap-Eを利用できます。2Dの設計図から3Dのモデルを生成し、その空間を詳細に探索することが可能です。

これらの活用事例は、Shap-Eが持つ革新的な可能性を示す一例にすぎません。その汎用性と拡張性は、未来のビジネスモデルや産業に対する新たな可能性を開くことでしょう。そのため、ビジネスパーソンとしては、このような最先端の技術にどのように対応し、自分たちのビジネスにどのように活用するかを考えることが重要です。

「Shap-E」のインストール方法や使い方

出典：GitHub

Shap-EモデルはGitHubで無料で利用でき、PC上でローカルに動作します。すべてのファイルとモデルをダウンロードすると、インターネットに接続する必要はありません。また、OpenAIのAPIキーは必要ないので、使用料は発生しません。

しかし、実際にShap-Eを動作させるのは骨が折れます。OpenAIはほとんどガイドを提供せず、Pythonのpipコマンドを使ってインストールするように指示しています。

いったんShap-Eをインストールすると、デフォルトではJupyter Notebookを通じてアクセスすることができ、サンプルコードを小分けに実行して動作を確認できます。”text-to-3d”（テキストプロンプトを使用）、”image-to-3d”（2D画像を3Dオブジェクトに変換）、”encode_model”（既存の3Dモデルを取り込み、Blender（インストールが必要）を使用して変形し、再レンダリングする）という3つのサンプルノートブックがあります。

Shap-Eのテキストから3Dへの出力

最近のAIモデルと同様に、Shap-Eにはポテンシャルがあるものの、現状のアウトプットは最善とは言えません。いくつかのプロンプトでテキストからビデオを試してみたものの、大半のケースで要求したオブジェクトは得られましたが、低解像度で、ディテールが欠けてしまいました。

下記は、GitHubで提供されている生成オブジェクトのサンプルです。

出典：GitHub

画像から3Dオブジェクトへの出力

また、既存の2D画像ファイルを3DのPLYファイルオブジェクトに変換するimage-to-3dスクリプトも実行可能です。犬のサンプルイラストは、アニメーションGIFとして回転する、低解像度のオブジェクトになります。

「Shap-E」の料金体系・価格

OpenAIによって開発された「Shap-E」は、そのアクセシビリティとコスト効率性の高さが注目されています。

Shap-Eは、GitHub上で完全に無料で利用することが可能です。つまり、ユーザーはプログラムの使用料を支払う必要はありません。さらに、OpenAIのAPIキーも必要なく、使用に伴う追加の費用が発生することはありません。これは、特に初期の研究や開発段階において、ユーザーにとって大きな利点となります。

しかし、Shap-Eの実行には高性能なPCが必要であり、特にNvidia製のGPUを搭載したPCでの利用が推奨されています。これらのハードウェアは高価なため、初期の設備投資が必要となる可能性があります。

また、Shap-Eの利用には一定の技術的なスキルが必要となります。インストールと実行の手順はやや複雑で、またOpenAIからのサポートは限定的です。したがって、適切な技術的な背景を持つ人材の確保や育成に関連するコストも考慮する必要があります。

以上の点を踏まえると、Shap-Eのコストは、初期のハードウェア投資と人材育成のコストに大きく依存します。しかし、その高度な3Dオブジェクト生成能力を考えると、これらの投資は十分に価値があると言えるでしょう。

今後の「Shap-E」に関わる展望

OpenAIの「Shap-E」は、3Dオブジェクト生成ができるAIツールということで、大きな注目を集めています。その可能性は無限大であり、さまざまな業界や分野での応用が期待されています。

AI技術の進化と共に成長する可能性: Shap-Eは現在、開発初期段階にあるため、出力の品質や精度にはまだ改善の余地があります。しかし、AI技術の進化と共に、その性能はさらに向上し、よりリアルで詳細な3Dモデルの生成が可能になることでしょう。

広範な業界への応用: Shap-Eのようなテキストや画像から3Dオブジェクトを生成する技術は、デザイン、エンターテイメント、製造業、教育など、多岐にわたる業界での利用が期待されます。具体的には、製品のプロトタイプ作成、映画やゲームのキャラクターデザイン、教材の作成などに活用できます。

ユーザーフレンドリーなインターフェースの開発: 現在、Shap-Eの利用には一定の技術的スキルが必要です。しかし、今後はより直感的でユーザーフレンドリーなインターフェースの開発が進むことで、誰でも簡単に3Dモデリングを体験できるようになることが期待されます。

低コスト化とアクセシビリティの向上: Shap-Eは現在、無料で提供されていますが、その運用には高性能なハードウェアが必要です。しかし、AI技術の進化とハードウェアの低コスト化により、今後はより多くの人々がこの革新的なツールを利用できるようになることでしょう。

これらの展望を踏まえると、Shap-Eは今後、AIと3Dモデリングの領域において重要な役割を果たすことが予想されます。その革新的な機能と可能性は、今後のテクノロジートレンドを大いに左右することでしょう。

まとめ

OpenAIによって開発された「Shap-E」は、テキストや画像から3Dオブジェクトを生成する革新的なAIモデルです。そのポテンシャルと無料での利用可能性が大きな注目を集めています。

Shap-Eは、テキストプロンプトや2Dイメージを基に3Dオブジェクトを生成することが可能であり、さらには既存の3Dモデルを別の形状に変換する機能も持っています。しかし、現状では出力の品質や精度にはまだ改善の余地があり、特に高解像度や詳細なモデリングには限界が見られます。

また、Shap-Eの利用には高性能なハードウェアと一定の技術的スキルが求められます。特に、Nvidia製のGPUを搭載したPCでの利用が推奨されており、PythonやJupyter Notebookなどのプログラミング環境に慣れていることが必要です。

しかし、その強力な3Dモデリング能力とAI技術の進化により、Shap-Eは今後、さまざまな業界や分野で広範に応用される可能性を秘めています。デザイン、エンターテイメント、製造業、教育など、多岐にわたる業界での利用が期待されています。

現在は開発初期段階にあるShap-Eですが、その先進性と可能性は計り知れません。その進化と成長に注目しつつ、その利用に向けて必要なスキルや設備の準備を進めていくことが求められます。これらの投資と努力は、革新的な3Dモデリングの世界への門戸を開く鍵となるでしょう。