Appleは最近、iOS 17.6.1の署名を停止し、iOS 18からiOS 17へのダウングレードが不可能となった。これにより、最新のオペレーティングシステムにアップグレードしたユーザーは、もはや以前のバージョンに戻ることができない。新たなiOS 18は多数の機能を備えるが、一部のユーザーにはこれがデメリットと感じられるかもしれない。

iOS 18へのアップグレードが一方通行に

Appleは最近、iOS 17.6.1の署名を停止し、iOS 18にアップグレードしたユーザーは、もはや以前のiOS 17に戻ることができなくなった。これにより、ユーザーは一度アップグレードするとそのままiOS 18を使用し続けるしかない状況となっている。iOSの署名停止はAppleの標準的なプロセスであるが、これによりダウングレードを望むユーザーにとっては、選択肢が閉ざされる形になった。

アップデートにはセキュリティ向上や新機能の追加があるが、同時にバグや互換性の問題を抱えることが多い。iOS 18も例外ではなく、一部のユーザーからはアップデート後に不具合が報告されている。特に新しいOSに起因するバグが発生した場合、以前のバージョンに戻ることができないのは大きな問題となり得る。iPhoneやiPadなどの主要デバイスを利用しているユーザーは、慎重にアップデートのタイミングを見極める必要がある。

iOS 18の新機能と問題点

iOS 18では、ホーム画面のカスタマイズ機能や新しいコントロールセンターの導入など、さまざまな新機能が追加された。これにより、より個人のニーズに合わせたインターフェースを構築できるようになり、ユーザー体験の向上が期待されている。また、Apple Photosも刷新され、写真の整理や共有がより簡便になった。

しかし、新機能の追加とともに、バグも少なくない。例えば、メッセージアプリにおいてApple Watchのフェイスを共有した際にクラッシュが発生する問題が確認されている。このバグにより、メッセージスレッドが頻繁にクラッシュし、ユーザーはスレッドを削除するしか対処方法がない状況である。また、新しいAI機能「Apple Intelligence」の導入が注目されているが、現時点では一部のデバイスにしか対応していない。これにより、すべてのユーザーがその恩恵を享受できるわけではない。

ダウングレードできる唯一のApple製品

すべてのデバイスがiOS 18へのアップグレード後にダウングレードできなくなったわけではない。唯一の例外が、M4 iPad Proである。このデバイスは、iPadOS 18をインストールする際にブリック化(起動不能状態)する可能性がある問題が報告されているため、Appleはこの特定の機種に限り、iPadOS 17へのダウングレードを許可している。この措置は一時的なものであり、問題が解決され次第、他のデバイス同様にダウングレードの選択肢がなくなることが予想される。

このように、例外的にダウングレードが許可されているケースはあるが、一般的なユーザーには関係がない話である。iOS 18の新機能を活用するためには、アップグレード後の安定性に依存せざるを得ない。万が一不具合が発生した場合でも、デバイスを再初期化して再インストールする以外の方法はなく、Appleのサポートを受ける必要がある。ユーザーにとっては、アップグレードを行う前に慎重に判断することが重要だ。

iOS 18を巡るセキュリティと安定性の課題

iOSのアップデートはセキュリティ強化が最大の目的の一つであり、iOS 18も例外ではない。特に、iOS 17と比べて大幅に向上したセキュリティパッチが含まれている。しかしながら、iOS 17.7にも同様のセキュリティアップデートが適用されているため、セキュリティ目的で急いでiOS 18にアップデートする必要はないとされている。

一方で、安定性の問題が一部で報告されており、新しいバージョンのOSに伴うバグは避けられない状況だ。前述のメッセージアプリのクラッシュ問題に加えて、他の小規模な不具合も発生している。こうした問題が解消されるまで、安定した環境を維持したいユーザーにとっては、アップデートを遅らせる判断も考慮すべきだろう。新機能の恩恵を享受するか、安定した環境を優先するか、ユーザーは慎重に選択する必要がある。

Reinforz Insight
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