編集部
Appleは次世代のM4 ProおよびM4 Maxチップを搭載したMacの発表を控えているが、その前にMacの出荷台数が停滞し、市場シェアもわずかに減少していることが明らかになった。カナリスの報告によれば、2024年第2四半期のMac出荷台数は前年同期とほぼ変わらず、これに伴い市場シェアもわずかに12.7％から12.3％に減少している。
一方で、PC業界全体は同期間に4％の成長を遂げ、ノートPCの需要も年率5％の伸びを見せている。AppleはM4シリーズの投入による巻き返しを図る見通しだが、今後の動向に注目が集まっている。
Mac出荷台数が停滞、Appleの市場シェアにも影響
AppleのMac出荷台数は2024年第2四半期に前年とほぼ同水準であったことが報告されている。具体的には、2023年第2四半期の出荷台数は231万台で、2024年同時期には232.2万台と、ほとんど変化がなかった。この結果、Appleの市場シェアは12.7％から12.3％へとわずかに減少し、成長が鈍化していることが浮き彫りとなった。
一方で、PC市場全体が同期間に4％の成長を見せたことと比較すると、Appleの停滞がより際立っている状況である。新モデルの登場を控え、多くの消費者が購入を見合わせている可能性が高いことが指摘されており、特にM4チップを搭載したMacBook ProやMac miniへの期待が高まっている。このような状況下でAppleが今後どのように市場での存在感を取り戻すかが注目される。
Appleはこれまでにも新製品の投入前に出荷台数の減少を経験しており、今回の減少も新モデルに対する期待感が大きな要因と考えられる。今後のM4シリーズの発表による巻き返しが、同社のシェア回復にどの程度寄与するかが焦点となる。
PC業界全体の好調とAppleの現状
2024年第2四半期におけるPC業界全体の出荷台数は前年同期比で4％増加し、合計1890万台に達した。特にノートPCの需要が年率5％増加しており、業界全体としては非常に好調な状態であるといえる。この成長の牽引役となったのは、エンタープライズセクター（企業部門）である。
カナリスのアナリスト、グレッグ・デイビス氏によれば、IT投資の拡大により、大企業のPCリフレッシュ（入れ替え）が進行中であり、この部門での出荷台数は最新の四半期で12％増加したとのことだ。一方、一般消費者と中小企業（SMB）向けの成長率はそれほど高くないものの、それでもそれぞれ3％と6％の健全な増加を示している。
これらの好調な業界全体の動きに対し、AppleのMac出荷台数の停滞は相対的に弱いパフォーマンスと言えるだろう。しかし、この停滞は新たなモデル発表前の一時的な現象である可能性が高く、Appleの巻き返しがどのように進むかが今後の注目ポイントとなる。
M4 ProとM4 Maxによる巻き返しへの期待
Appleは、近々発表予定のM4 ProおよびM4 Maxチップ搭載のMacシリーズにより、出荷台数の巻き返しを図るとみられる。過去の傾向からもわかるように、新たなハードウェアやアップグレードが発表される前には、現行製品の出荷が減少する傾向がある。ユーザーは新モデルの登場を待ち望み、購入を見合わせるからだ。
M3チップを搭載したMacが昨年導入された際にも同様の現象が見られ、その後、出荷台数が回復した経緯がある。今回も、M4シリーズによるパフォーマンスの大幅な向上や新機能の追加が期待されており、多くのユーザーが購入を検討するだろう。このような流れから、Appleは再び市場シェアを拡大させ、他社との差を広げる可能性が高い。
さらに、M4 ProとM4 Maxの登場により、Appleはエンタープライズセクターやプロユーザーをターゲットにした市場戦略を強化する見通しである。この層へのアピールが成功すれば、業界全体の成長を上回るペースでAppleの出荷台数が増加する可能性がある。
MacBook Proと新型Mac miniで見込まれる変化
Appleは、新たな14インチおよび16インチのMacBook Proモデルに加え、デザインが刷新されたMac miniの投入を予定している。特にMac miniは、従来よりもスリムで小型のボディを持ち、最新のM4チップを搭載することで大幅な性能向上が期待されている。これにより、Appleの出荷台数が第3四半期で失われた分を取り戻す可能性がある。
MacBook Proの新モデルも、M4 ProおよびM4 Maxチップにより、高度なパフォーマンスを提供することが予想されている。これにより、クリエイティブなプロフェッショナルやパワーユーザーにとって、これまで以上に魅力的な選択肢となるだろう。これらのユーザー層がApple製品を購入することで、売上と市場シェアの向上に寄与することが期待される。
最終的に、今回の製品リニューアルがAppleにとってどの程度の成功をもたらすかは、ユーザーの評価次第である。ただし、新型Macの登場が一時的な停滞を乗り越え、Appleの成長を再び加速させるきっかけとなることは十分に考えられる。