編集部
Metaは、次世代VRヘッドセット「Meta Quest 4」を2026年にリリースする予定とされている。
CEOのマーク・ザッカーバーグが既にいくつかの機能について言及しており、アイ・トラッキングや新プロセッサの搭載が期待される。
さらに、Quest 4Sという廉価版も同時にリリースされ、高級機と手頃な価格帯の両方で市場を狙う戦略が示唆されている。
Meta Quest 4のリリース時期と予想されるラインナップ
Meta Quest 4は、2026年にリリースされる可能性が高いとされている。これは、Oculus Quest 2とMeta Quest 3の間に3年の間隔があったことや、リーク情報から推測されるものである。さらに、MetaはQuest 4だけでなく、Quest 4Sという廉価版モデルも同時に販売する予定であり、ハイエンド市場と低価格市場の両方をターゲットにする戦略が浮かび上がっている。
Quest 3は2023年に発売されたばかりであり、Proシリーズの後継機となるQuest Pro 2は2027年まで登場しないと予測されている。そのため、次に登場する主力モデルはQuest 4になる可能性が高い。Quest 4は、QualcommのSnapdragon XR2 Gen 3チップセットを搭載し、大幅なパフォーマンス向上が見込まれている。加えて、MetaのAIツール「Meta AI」も進化しており、Quest 4においてはより高度なAI処理が実現されるだろう。
Quest 4Sはコストを抑えたモデルとして登場するとされており、Metaが幅広いユーザー層に向けてVR体験を提供するための一環と考えられている。
期待される機能：アイ・トラッキングや新たなプロセッサ
Meta Quest 4では、アイ・トラッキング機能が搭載されることが期待されている。これは、Appleが発表したVision Proに触発され、マーク・ザッカーバーグがすでにその有用性を認めたことによるものだ。アイ・トラッキングは、視線の方向に基づいた「フォビエイテッドレンダリング」を可能にし、グラフィック処理の効率を大幅に向上させる。この技術は、視線の集中している部分の描画をより精密に行うことで、処理負荷を軽減し、より滑らかなVR体験を提供する。
さらに、Quest 4には新たなSnapdragon XR2 Gen 3プロセッサが搭載され、パフォーマンスの向上が期待される。これは、Snapdragon 8 Gen 5または6に基づいて再設計されたもので、これまで以上に高いベンチマークスコアを達成する見込みである。これにより、Quest 3でプレイできるゲームがさらにグラフィック向上やパフォーマンス改善を果たすことになるだろう。
AI技術の進化も見逃せない。MetaのAIツール「Meta AI」は、Quest 4においてより高度な混合現実（MR）体験を提供し、視覚的な要素に対するリアルタイムなフィードバックが可能となる。
プライバシー保護と革新：EMGバンドの導入
Metaは、次世代のインターフェース技術として「EMGバンド」を導入する可能性が高い。この技術は、脳から手に送られる神経信号を解釈し、思考だけでデバイスを操作することを可能にするものである。マーク・ザッカーバーグは、手や目のトラッキングは完全なコントロールシステムではないと述べており、EMGバンドがその精度を大幅に向上させると語っている。この技術は、ユーザーが物理的にキーボードを使用することなく、思考によってタイピングや操作が可能になるというものであり、完全なプライベートなインターフェースを実現する。
さらに、このEMGバンドは、Metaのスマートグラス「Meta Orion」のコントローラーとしても使用されており、その精度は非常に高いとされている。Quest 4においても、この技術が搭載されることで、従来の手動操作や音声操作とは一線を画す、全く新しい操作体験が提供されるだろう。さらに、EMGバンドはフィットネストラッカーとしても機能し、VRでの運動時に心拍数などのデータをリアルタイムでヘッドセットに送信することが可能になる。
この技術がQuest 4に搭載されれば、プライバシー保護の観点からも画期的な進化となる。
ディスプレイの進化とクラウドゲーミング対応の可能性
Meta Quest 4では、ディスプレイ技術の大幅な進化が期待されている。Quest 3はLCDディスプレイを採用しているが、次世代機ではより高品質なOLEDやMicro LEDへの移行が考えられる。OLEDは、より豊かな色彩と深い黒を提供し、LCDよりも低消費電力でバッテリー寿命を延ばすことができる。また、OLEDディスプレイはバックライトを必要としないため、デバイス自体の軽量化にも貢献する可能性がある。
一方で、Metaはクラウドゲーミング技術にも注力している。リーク情報によれば、「Project Razor」として知られるMetaと米国のISPとのパートナーシップにより、将来的には5G対応のQuest 4でクラウドベースのVRゲームが提供される可能性がある。これにより、デバイス本体のハードウェア性能に依存せず、高品質なPC VRゲームをストリーミングプレイできるようになる。
ただし、クラウドゲーミングは遅延の問題が付きまとい、特にVRではラグが現実とゲーム内の動きの不一致を引き起こす可能性がある。また、5Gの普及率や通信インフラの整備が進まなければ、この機能の実用性は限定的である。とはいえ、Metaがクラウド技術を駆使し、VR体験をさらに進化させる可能性は非常に高い。