Appleはここ数日、前代未聞のリークに悩まされている。M4 MacBook Proと思われる未発表のデバイスが相次いでロシアからリークされ、詳細なビデオやベンチマーク結果が公開された。これにより、Appleの次期MacBook Proに関する期待と疑念が一気に高まっている。
ロシアからの相次ぐリーク—M4 MacBook Proの真実とは?
Appleは現在、ロシアからの相次ぐリークにより大きな注目を集めている。未発表のM4 MacBook Proが、ロシアのYouTuberによって公開され、その真偽が議論の的となっている。最初のリークは、Facebookで販売されていると主張された写真から始まり、後にYouTuber Wylsacomによる詳細なハンズオンビデオが公開された。これに続き、別のロシア人YouTuberが短い動画でM4 MacBook Proの存在を示す証拠を投稿した。
これらのリークに共通するのは、いずれもM4 MacBook Proのモデル番号や外観が一致している点である。さらに、ロシアから発信されているという点でも関連性が疑われている。MacBook Proの箱に印刷されたQRコードも、商品の真偽を確かめる手がかりとして注目されているが、残念ながら解像度が低く、読み取ることができない状況である。このため、現時点で真偽を判断することは難しい。
Appleの高度なセキュリティを突破してこれらのデバイスが流出したのか、あるいは巧妙に偽装された偽物なのか、議論は続いている。だが、真相が明らかになるまでの間、Appleファンやテクノロジー業界はこの事態を注視している。
ベンチマークの結果—M3チップを超えるパフォーマンス
M4 MacBook Proのベンチマーク結果もリークされ、その性能は昨年のM3チップを大きく上回ることが示されている。Geekbenchのデータによると、M4チップはシングルコアで3864点、マルチコアで15288点を記録しており、M3チップと比較してシングルコアで約26.7%、マルチコアでは30.6%の性能向上が確認されている。
このベンチマーク結果は、リークされたM4 MacBook Proのスペックとも一致しており、CPUは4コアの高性能クラスターと6コアの効率クラスターで構成されている。また、基本クロックは4.41GHz、メモリは16GB搭載されていることが明らかにされている。これにより、M4チップの性能がさらに強化されたことが伺える。
さらに、AppleのMetalグラフィックスAPIに基づくベンチマーク結果も公開されており、GPU性能がiPad ProのM4チップとほぼ同等であることが示されている。Metal APIのスコアは57603で、iPad Proの53374をわずかに上回る。M3チップとの比較では約20%の性能向上が見られ、M4 MacBook Proがグラフィックス性能でも優れていることが確認されている。
偽物か本物か—Apple史上最大のリークの可能性
これらのリークが本物であれば、Apple史上最大の製品流出となる可能性が高い。しかし、いくつかの要素がこれらのデバイスが偽物である可能性も指摘している。特に注目されているのは、M3 MacBook Proと同じ画像が箱に使用されている点である。Appleは通常、新製品のパッケージデザインには新しい壁紙を使用するため、これが偽物である可能性を示唆している。
さらに、箱の背面に記載された情報ステッカーのレイアウトも、過去のMacBook Proとは異なっている。これも偽造品である可能性を高めている要素の一つだ。また、macOSの「このMacについて」画面は、偽造が可能であることが知られている。これにより、ビデオに映っている情報が完全に正確であるかどうかには疑問が残る。
仮にこれが偽物である場合、現行のM3 Proチップを搭載した14インチMacBook Proをベースに、外観やスペックを偽装して作られた可能性がある。この場合、ソフトウェアを改ざんして一部の仕様を隠蔽する必要があるが、それがどこまで成功しているかは不明である。しかし、いずれにしても、これほど高いクオリティで偽装された製品であれば、Appleにとって大きな問題となるだろう。
Appleの10月イベントで真相が明かされるか
最終的に、M4 MacBook Proの真偽が明らかになるのはAppleの公式発表を待つしかない。多くのアナリストは、Appleが10月に次期MacBook Proを発表する可能性が高いと予測しており、このタイミングでM4チップ搭載モデルの真相が明らかになると期待されている。
もしこれらのリークが本物であると証明されれば、Appleにとって50年の歴史の中で最大の製品流出事件となるだろう。これまで、Appleは高度なセキュリティ対策により製品情報の漏洩を防いできたが、今回の事態が本物であれば、その防衛ラインが崩れたことを示すことになる。
一方で、これが偽物であれば、非常に巧妙な詐欺行為であり、多くのテクノロジーファンやメディアを騙すことに成功したことになる。いずれにせよ、Appleの次回発表イベントが注目されることは間違いない。