編集部
Apple Watch Series 10が登場してから約1か月。ついにiFixitによる46mmモデルの分解結果が公開された。結果は期待を裏切るもので、修理の難易度が高いことが明らかとなった。特にバッテリーやセンサー周辺の構造が問題視され、修理可能性スコアは10点中3点という厳しい評価を受けた。
Apple Watch Series 10の修理性、iFixitが低評価
Apple Watch Series 10の分解結果が公開され、修理の難しさが大きな話題となっている。特に注目されたのは、iFixitによる修理可能性の評価スコアだ。彼らはApple Watch Series 10に10点中わずか3点をつけた。このスコアは、一般ユーザーや技術者が自力で修理するには極めて厳しいデバイスであることを示している。
今回の分解では、Apple Watchの内部構造がいかに複雑であるかが浮き彫りになった。バッテリーやタプティックエンジンが小型化されたボディに詰め込まれており、修理の際にそれらの部品にアクセスすることが難しい。特に、センサーの取り外しや再装着が非常に困難で、慎重に作業しなければすぐにデバイスが壊れてしまう可能性が高い。
この評価は、Appleがデザインと機能を重視する一方で、修理のしやすさを犠牲にしていることを示している。ユーザーが高額な修理費用を支払わざるを得ない状況が続くのか、今後のモデルで修理性が向上するのか、注目が集まっている。
電池やタプティックエンジンの内部構造に驚き
分解の過程で最も驚きをもたらしたのは、Apple Watch Series 10の内部に配置されたバッテリーとタプティックエンジンのサイズと位置関係である。特に、327mAhのバッテリーに対して、タプティックエンジンが驚くほど大きく、バッテリーの約3分の1ものスペースを占有している。
この設計は、Appleが振動フィードバックにどれほど重きを置いているかを象徴している。しかし、これにより他の部品との兼ね合いが難しくなり、修理作業時に取り扱いが非常に困難となる。特にバッテリーの交換に関しては、強力な接着剤が使用されており、簡単に取り外すことはできない。さらに、タプティックエンジンを傷つけないよう慎重に作業する必要があるため、専門的な技術が要求される。
Appleが優れた触覚フィードバックを提供するために選んだこの設計は、結果として修理性を大きく犠牲にしていると言える。ユーザーがDIYでバッテリー交換や修理を行うことがほぼ不可能な点が、この評価に反映されている。
センサー修理の困難さが浮き彫りに
Apple Watch Series 10の分解でさらに明らかになったのは、センサー周辺の構造が修理作業を極めて難しくしているという点である。Apple Watchは、多数の健康モニタリングセンサーを搭載しており、これがデバイスの魅力でもある。しかし、このセンサー群が集積されたコンパクトな設計は、修理や交換を困難にしている。
センサーの多くは、非常にデリケートな位置に配置されており、分解の過程で容易に破損するリスクがある。また、再度正確に取り付けることも極めて難しく、専門知識と高い技術が必要とされる。このため、一般的なユーザーが自力で修理を試みることは現実的ではない。
さらに、センサーの一部がデバイスの他の重要な部品と密接に関連しているため、ひとつのセンサーを修理しようとすると他の部品にも影響を及ぼす可能性が高い。このような構造上の複雑さが、iFixitの低い修理スコアに繋がった理由の一つである。
修理スコア3/10、ユーザーにとっての意味とは
Apple Watch Series 10の修理スコアが3/10という低評価を受けたことは、ユーザーにとって何を意味するのか。まず、このスコアは、故障した場合に自力での修理がほぼ不可能であることを示している。Apple製品はもともと修理が難しいことで知られているが、今回の評価はその傾向をさらに強く裏付ける結果となった。
この低スコアは、バッテリーやセンサーの交換が特に困難であり、万が一の故障時にはAppleの公式サポートに頼る必要があることを意味する。結果として、ユーザーは高額な修理費用を覚悟しなければならない可能性が高い。また、故障したデバイスをそのまま買い替える選択肢を取るユーザーも増えるだろう。
Appleは常に革新的なデザインを追求しているが、修理の容易さを犠牲にしている現状は、エコフレンドリーな取り組みと矛盾する部分もある。この修理スコアの低さが、今後の製品開発にどのように影響するのか、注目されるポイントである。