インターネットの根幹を支えるDNS(ドメインネームシステム)は、ドメイン名をIPアドレスに変換する役割を果たしている。通常、インターネットプロバイダが提供するDNSサーバを使用するが、これらは速度やプライバシーの観点から最適ではないことがある。そこで、Cloudflareの1.1.1.1にDNS設定を変更することで、より高速かつ安全なブラウジングを実現する方法を紹介する。

DNSとは何か?その重要性と役割

DNS(ドメインネームシステム)は、インターネット上で重要な役割を果たしているシステムである。人間にとっては覚えやすい「ドメイン名」を、コンピュータが認識可能な「IPアドレス」に変換する機能を持つ。たとえば、ユーザーが「google.com」と入力すると、DNSはそれを対応するIPアドレスに変換し、適切なサーバーに接続するための橋渡しを行う。

このように、DNSはインターネットの「電話帳」とも言える存在であり、ユーザーが手軽にウェブサイトにアクセスできるようにしている。しかし、デフォルトで使用されるDNSサーバーは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)によって提供されており、必ずしも最速ではない。加えて、プライバシー保護の観点からも疑問が残る場合がある。そこで、ユーザーはより高速でプライバシー保護に優れたDNSサーバーに変更することが推奨される。

CloudflareのDNSサービス「1.1.1.1」は、その代表的な選択肢であり、速度とセキュリティを両立したDNSサーバーとして注目されている。次章では、このDNSに切り替えるための具体的な手順について説明する。

Cloudflare 1.1.1.1のDNSを設定する手順

CloudflareのDNSサーバー「1.1.1.1」を設定することで、インターネット接続の速度向上やプライバシー保護を図ることができる。この設定は、Windows 11や10のシステムで簡単に行うことが可能である。まず、「設定」画面を開くために「Win+I」キーを同時に押す。次に、「ネットワークとインターネット」設定を開き、「アダプター設定の変更」から現在使用しているネットワークアダプターを選択する。

アダプターを選択後、「プロパティ」をクリックし、「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」をダブルクリックする。表示されたウィンドウで「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、プライマリDNSサーバーには「1.1.1.1」を、バックアップDNSサーバーには「1.0.0.1」を入力する。これにより、CloudflareのDNSが優先的に利用されるようになる。

設定が完了したら、「OK」をクリックしてウィンドウを閉じる。さらに、コマンドプロンプトを使ってDNSキャッシュをフラッシュすることで、新しい設定を即座に反映させることができる。これにより、CloudflareのDNS設定が有効化され、ブラウジング速度やセキュリティが向上する。

IPv6の設定とその利点

多くのインターネット接続はまだIPv4を使用しているが、IPv6対応の接続を利用している場合、DNS設定もIPv6に対応させることで、より最適なパフォーマンスを引き出せる。Cloudflareでは、IPv6用のDNSサーバーも提供しており、これを設定することでIPv6接続時でも高速かつセキュアな通信が可能となる。

IPv6の設定手順は、IPv4の設定とほぼ同じである。ネットワークアダプターのプロパティ画面から「インターネット プロトコル バージョン 6(TCP/IPv6)」を選択し、「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選ぶ。プライマリDNSには「2606:4700:4700::1111」、バックアップDNSには「2606:4700:4700::1001」を入力する。

これにより、IPv6プロトコルでの通信が発生した際にも、CloudflareのDNSサーバーが使用されることになる。特に、IPv6接続が主流になりつつある中で、この設定を行うことで将来的なインターネット接続の高速化を見据えた対応が可能である。IPv6対応のネットワークを利用している場合は、IPv4と合わせて設定を行うことが推奨される。

DNS変更後の確認とトラブルシューティング

CloudflareのDNSに切り替えた後、設定が正常に適用されているかを確認することが重要である。この確認作業は、Windowsのコマンドプロンプトを使って簡単に行うことができる。まず、「nslookup」というコマンドを入力し、表示されたDNSサーバーが「1.1.1.1」や「2606:4700:4700::1111」であるかを確認する。この表示が正しければ、DNS設定は問題なく反映されている。

また、設定後にインターネット接続に問題が発生した場合は、DNSキャッシュを再度フラッシュするか、元のISPのDNSに戻すことで解決できることが多い。コマンドプロンプトで「ipconfig /flushdns」を実行することで、古いDNSキャッシュをクリアし、新しい設定を適用することができる。

万が一、問題が解決しない場合は、再度設定手順を確認し、DNSサーバーアドレスが正しく入力されているかを確認する。これでも解決しない場合、GoogleやOpenDNSなど、他のDNSサービスを試すことも選択肢の一つである。

Reinforz Insight
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