AMDの新型プロセッサ「Ryzen 9800X3D」に関するベンチマーク結果がリークされ、期待されていたほどのパフォーマンス向上が見られない可能性が浮上した。特に、Far Cry 6でのパフォーマンス向上は11%と比較的控えめであり、他のゲームでも僅かな改善にとどまっている。

しかし、このリークにはテストが限られたゲームのみで行われている点や、スライドに含まれる不正確なデータなど、信頼性に疑問が残る点が多い。

Ryzen 9800X3Dの性能は前評判通りか?

AMDの次世代プロセッサ「Ryzen 9800X3D」に対する期待は非常に高かった。特に、ゲームパフォーマンスの向上に関しては、前評判から大幅な進化が期待されていた。しかし、リークされたベンチマーク結果を見る限り、その期待に応えられていない可能性がある。例えば、「Far Cry 6」においては、前モデルである7800X3Dに対してわずか11%の性能向上に留まっている。

さらに「Shadow of the Tomb Raider」では、性能向上は4%、「Black Myth: Wukong」に至ってはたったの2%しか向上していない。これらの数字は、パワフルなグラフィックスカードであるNVIDIA RTX 4090と組み合わせた上での結果であることを考慮すると、やや物足りない。

これまでのリークや噂では、9800X3Dはゲーム性能において大きな飛躍が期待されていた。しかし、今回のリークにより、その予想は少し修正されるかもしれない。

ベンチマーク結果の詳細:ゲームごとの比較

リークされたベンチマーク結果は、「Far Cry 6」「Shadow of the Tomb Raider」「Black Myth: Wukong」の3タイトルで行われている。この中で、最も顕著な性能向上が見られたのは「Far Cry 6」で、前モデルより11%の改善が確認された。一方で、「Shadow of the Tomb Raider」では4%、「Black Myth: Wukong」ではわずか2%の向上に留まっている。

これらの結果は、9800X3Dが全体的に大幅な性能向上を見せるわけではなく、ゲームによってはほとんど違いを感じない可能性があることを示唆している。また、「Black Myth: Wukong」のようなGPU負荷が高いゲームでは、プロセッサの性能がボトルネックにならず、グラフィックスカードの方がパフォーマンスに影響を与えている可能性が高い。

このことからも、9800X3Dは万能のゲーミングプロセッサというより、特定のシナリオでの最適化に注目すべき製品だと考えられる。

リークの信頼性に疑問:テスト内容の限界

今回のベンチマーク結果に対しては、いくつかの疑問が浮上している。まず、テストに使用されたゲームが3タイトルのみである点が、全体の信頼性を低下させている要因の一つだ。これらのゲームは、それぞれ異なる負荷特性を持つものの、選択されたゲームの一部には時代遅れと感じるタイトルも含まれている。

特に、「Shadow of the Tomb Raider」は2018年に発売された古いゲームであり、最新のプロセッサの性能を正確に測定するには不十分な側面がある。さらに、「Black Myth: Wukong」に至っては、GPUの負荷が非常に高く、CPU性能を引き出すには適していない可能性がある。

加えて、リークされたプレゼンテーションスライドには、GPUの記載ミスやその他の不正確なデータも含まれており、テスト結果自体の信頼性にも疑問が残る。これらの要素を考慮すると、今回のリークに基づいて9800X3Dの評価を確定するのは時期尚早である。

AMDの価格戦略が鍵となるか?

性能向上が控えめであることが明らかになった9800X3Dだが、依然として重要なポイントはその価格設定である。AMDはこれまで、競合他社と比較して価格競争力のある製品を提供してきた。今回も、もし適切な価格で提供されるのであれば、性能向上がわずかであっても、依然として魅力的な選択肢となり得る。

また、今回のリーク結果が市場に与える影響も注目される点だ。性能が控えめであっても、価格次第では多くのユーザーがこの製品を選ぶ理由になるだろう。特に、前モデルである7800X3Dとの比較では、シングルコアで18%、マルチコアで28%の向上が見られており、ゲーミング以外の用途でも大きなメリットがある。

AMDが価格をどのように設定するかに注目が集まっており、この点が最終的に製品の成功を左右する可能性が高い。

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