編集部
Googleは、米国司法省（DOJ）による反トラスト法に基づく訴訟で厳しい立場に追い込まれている。DOJはGoogleに対し、ChromeやAndroidを分離する提案を正式に行い、競争環境の改善を図ろうとしている。
同時に、Epic GamesがGoogle Playストアの独占に関して提訴した訴訟でも、Googleは不利な判決を受けており、競合アプリストアの導入を余儀なくされる見通しだ。
一方で、2025年にリリースが予定されているAndroid 16の新機能についてのリークもあり、Googleの製品開発は引き続き進行中である。
Google、米国司法省との対立が激化
Googleは、米国司法省（DOJ）との反トラスト訴訟でますます厳しい状況に立たされている。DOJは、検索エンジン市場におけるGoogleの独占的地位を問題視し、ChromeやAndroidをGoogle本体から分離するという過激な提案を正式に発表した。これにより、競争を促進し、市場の健全性を保つことが目的とされている。
特に、ChromeやAndroidという2つの主要プラットフォームを分割することは、Googleのビジネスモデルに大きな打撃を与える可能性がある。Googleはこれに対し、「利用者のプライバシーや製品の一貫性に悪影響を及ぼす」として強く反発している。加えて、Googleは分割が実施されれば、製品の価格が上昇し、AppleのiPhoneやApp Storeとの競争力が低下すると主張している。
DOJがこのような抜本的な提案に至った背景には、2023年の連邦裁判所の判決がある。この判決では、Googleが検索エンジン市場での独占的地位を利用し、競合の参入を阻んでいたことが指摘された。今後、この対立は長期にわたる可能性があり、業界全体に大きな影響を与えることが予想される。
Epic Games訴訟での大勝利が与える影響
Epic Gamesが提訴したGoogle Playストアの独占に関する訴訟でも、Googleは再び苦しい立場に立たされている。この訴訟では、GoogleがAndroidアプリの配信において不当な独占的支配を行っていたとされ、最終的な判決ではEpicがほぼすべての主張を認められた。
特に注目すべきは、Epic GamesストアがGoogle Playストアを通じてAndroid端末に配信される道が開かれる可能性が高い点である。判決に基づき、Googleは11月1日から競合アプリストアの導入を認め、Playストアを通じて他のアプリストアも配信できるようにする義務を負う。これにより、Epic Gamesや他の企業が直接Googleのエコシステムに参入することが可能になる。
この判決は、Googleのビジネスモデルに重大な変革をもたらす可能性がある。特に、今後は複数のアプリストアがAndroid上で競争することになり、消費者にとっては選択肢が増える。一方で、Googleはこの判決に対して上訴し、変更の延期を求めているが、法的な行方は依然として不透明である。
Android 16に期待される新機能の概要
Googleは、2025年にリリースが予定されているAndroid 16において、いくつかの新機能を導入する計画である。特に注目されているのが、Priority Modes（優先モード）という新しい通知管理機能であり、ユーザーが複数の異なる通知設定を作成し、状況に応じて簡単に切り替えられる仕組みを提供するというものだ。
このPriority Modesでは、ユーザー自身が設定に名前をつけたり、40種類以上のアイコンから選択できる。また、各モードでどのアプリや連絡先からの通知を許可するかを細かく設定することが可能であり、ユーザーにとってよりパーソナライズされた体験が期待されている。これにより、業務中やプライベートな時間帯に応じて、通知の優先度を瞬時に変更できる利便性が向上する。
さらに、Android 16では、任意のアプリを「バブル」形式で表示できる新機能も導入される見込みだ。このバブル機能は、既存のコミュニケーションアプリのように、アプリが画面の上に浮かび、タップすることでウィンドウ表示が可能になる。マルチタスクをより簡単に行えるようになるこの機能は、日常的な操作をさらに効率化することが期待されている。
Pixel 9 Proが送信するプライバシーデータの議論
最近の報告によると、GoogleのPixel 9 Proシリーズが、ユーザーのプライバシーデータを15分ごとにGoogleに送信していると指摘されている。報告では、位置情報や電話番号、メールアドレスといった個人情報が含まれているとされ、プライバシー問題が浮上している。
この指摘に対し、Googleは「報告が技術的な詳細を誤解し、必要な文脈を欠いている」と反論している。Googleによれば、これらのデータ送信はソフトウェアアップデートやオンデマンド機能、パーソナライズされた体験の提供に不可欠なものであり、すべてのスマートフォンに共通のプロセスであるという。
Googleは、データの収集と利用に関する詳細を説明するサポートページも提供しており、そこではこれらのデータ送信がどのように行われているかが説明されている。しかし、プライバシー保護に対する消費者の懸念は根強く、今後もこの議論が続くことは避けられないだろう。