編集部
2024年にリリースされたAppleのiPhone 16とGoogleのPixel 9は、それぞれiOSとAndroidのフラッグシップモデルである。この2つのスマートフォンは、性能やデザイン、価格において非常に競り合っており、ユーザーにとってどちらを選ぶべきかは難しい選択だ。
両者は、ディスプレイやカメラ、プロセッサなど多くの点で競合しているが、それぞれ独自の強みもある。本記事では、iPhone 16とPixel 9を徹底比較し、それぞれの特徴を明らかにしていく。
デザインとディスプレイの違い
iPhone 16とGoogle Pixel 9は、デザインにおいて大きな違いがある。iPhone 16は、Appleの特徴的な「Dynamic Island」を搭載し、画面上部に目立つカメラユニットを配置している。一方、Pixel 9はより小さなカメラカットアウトを持ち、ディスプレイの美しさを最大限に活かしている。背面も異なり、iPhone 16は縦に並んだカメラ配置に対し、Pixel 9は横にカメラが並ぶデザインである。
ディスプレイの性能では、iPhone 16は6.1インチのSuper Retina XDR OLEDを搭載し、解像度は1179 x 2556ピクセルである。これに対し、Pixel 9は6.3インチのActua Display OLEDで、解像度は1080 x 2424ピクセルとなる。Pixel 9はリフレッシュレート120Hzを実現しているが、iPhone 16は60Hzに留まっている点が差として挙げられる。
また、iPhone 16は最大輝度2000ニットに対し、Pixel 9は2700ニットとより明るいディスプレイを提供している。どちらも高性能な画面だが、滑らかな操作感を求めるならPixel 9の方が優位である。一方で、iPhone 16はコンパクトなサイズと優れた色再現性を持つ点が魅力となる。
カメラ性能の比較
カメラ性能では、両機種ともにデュアルレンズを採用しているが、細かな違いが見られる。iPhone 16は48MPのメインカメラと12MPの超広角カメラを搭載しており、鮮明な写真撮影が可能である。特に、iPhone 16には「Camera Controlボタン」が追加されており、タッチスクリーンに触れずにカメラの操作ができる点が独特である。
Pixel 9は50MPのメインカメラと48MPの超広角カメラを装備しており、広範囲の撮影が可能である。AIによる編集機能が充実している点がGoogle製品ならではの強みであり、撮影後の画像編集が大幅に簡単になっている。これにより、ユーザーは撮影後も高品質な写真を作成できる。
ビデオ撮影では、どちらの機種も4K 60fpsでの録画が可能であり、映像品質も申し分ない。しかし、Google Pixel 9はAI編集機能が豊富で、写真撮影や動画編集にこだわりたいユーザーには有利な選択肢と言える。カメラボタンを重視するならiPhone 16だが、AIを駆使した編集機能を求めるならPixel 9が適している。
チップセットとパフォーマンス
パフォーマンス面では、iPhone 16がAppleのA18チップを搭載し、圧倒的な処理能力を誇る。一方、Pixel 9はGoogle独自のTensor G4チップを採用しているが、性能面ではiPhone 16のA18に大きく劣る。Geekbench 6.3のテスト結果では、iPhone 16がシングルコアで3301、マルチコアで8033というスコアを記録しているのに対し、Pixel 9はそれぞれ1758と4594であり、特にマルチタスク処理で差が顕著である。
ただし、Pixel 9には12GBのRAMが搭載されており、iPhone 16の8GBを上回っている。このため、AI処理や画像編集のタスクにおいては、RAMの多さが有利に働く可能性がある。また、GoogleのAI機能はすでにPixel 9に統合されており、ユーザーは高度なAI支援を受けながら日常の作業を行うことができる。
一方で、iPhone 16も将来的にAI機能を追加する予定であるが、現時点ではまだ実装されていない。ゲームや動画編集、写真処理などのヘビーなタスクをこなすならば、iPhone 16の方が総合的なパフォーマンスでは上回っている。
バッテリーと充電速度
バッテリーの持ち時間に関しては、Pixel 9が4700mAhの大容量バッテリーを搭載しており、iPhone 16の3561mAhバッテリーに比べて物理的な容量では優れている。ただし、実際のバッテリー駆動時間は大差がなく、Pixel 9が約13時間、iPhone 16は約12時間43分である。このため、バッテリー容量の違いは大きく感じられない。
充電速度に関しては、Pixel 9が27Wの有線充電に対応しており、30分で55％の充電が可能である。一方、iPhone 16は20Wの有線充電で30分で50％まで充電できる。また、無線充電に関しては、iPhone 16が25WのMagSafe対応であり、Pixel 9の15Wを上回る。
ただし、Pixel 9は専用のPixel Standを使用することで、無線充電の速度を最大限引き出すことが可能であるため、無線充電の使い勝手は状況によって異なる。充電速度や利便性を重視する場合、ユーザーの使い方次第でどちらが優れているか判断する必要がある。