Samsungは、スマートフォンで展開するOne UIをスマートTVにも導入し、Tizen 8.0をベースにした大規模なソフトウェアアップデートを発表した。このアップデートは、ホーム画面の刷新やデバイス間の統合強化、ゲーム機能の改善、フィットネス追跡機能の追加など、複数の新機能を含んでいる。

また、Samsungは今後7年間、TV向けのOSアップデートを提供するとしており、長期的なサポートが期待される。

Samsung、スマートTVにOne UIを展開

Samsungは、スマートフォンやタブレットで展開しているOne UIを、スマートTVにも導入すると発表した。このアップデートにより、Samsung製品全体で統一されたエコシステムが構築され、ユーザーは複数のデバイス間で一貫した操作性を享受できるようになる。

特に、同じアカウントでリンクされた他のSamsung製品との連携が強化され、キーボードやマウスをTVで使用することが可能になるなど、利便性が大幅に向上する。このOne UIの展開は、Samsungが今年のSamsung Developer Conferenceで発表して以来、驚くほど迅速に進んでいる。

もともと来年に予定されていたこの変更は、予想を超えるスピードで実現されており、同社の強い決意が伺える。また、TVにおいてもスマートフォンと同様に、ユーザーが求めるパーソナライズされた体験を提供するため、ホーム画面や各種機能が再設計されている。今回の展開は、まずは2023年モデルのS90C OLED TVから始まっており、今後さらに多くの機種に広がる見込みである。

Tizen 8.0をベースに新機能を追加

今回のアップデートは、SamsungのスマートTVにTizen 8.0をベースとした新しい機能を追加するものである。新たに導入された「For You」や「Live」、「Apps」タブによって、ユーザーは個々に最適化されたコンテンツの推薦を受けたり、好きなアプリに素早くアクセスできるようになる。

また、視聴予定の番組や映画をリストに保存できる「Watch Later」機能が加わり、後から視聴したいコンテンツを手軽に管理できるようになっている。さらに、操作性にも改良が施され、設定メニューが再設計されて頻繁に使用するオプションにすばやくアクセスできるようになった。

BixbyやSmartThings、ギャラリーなどのアプリのアイコンも、Galaxyシリーズのスマートフォンやタブレットで使用されているデザインと統一されており、全体として一貫性のあるユーザー体験が提供される。また、Multi Control機能が強化され、互換性のあるデバイス間でのファイル転送が可能になった点も注目される。

ゲームとフィットネス体験を強化

ゲーム体験も大幅に改善された。新たに導入された「Game Bar」は、ゲーマーに向けたより使いやすいインターフェースを提供し、ゲームの設定や情報に素早くアクセスできるようになっている。これにより、ゲーム中の操作性が向上し、より快適なプレイ環境が整えられる。

また、遅延の改善やグラフィックスの最適化など、技術的な面でも性能が強化されており、最新のゲームタイトルでも滑らかな動作が期待できる。フィットネス面では、Galaxy Watchとの連携が進化し、リアルタイムでのフィットネスデータの追跡が可能になった。

ユーザーは、運動中の心拍数やカロリー消費量などのデータをTV画面上で確認でき、より効果的なトレーニングが行える。このように、SamsungのスマートTVは単なる映像視聴のためのデバイスではなく、日常生活の中でより幅広い用途に対応するエンターテイメントとヘルスケアのハブとして進化している。

7年間のOSアップデート保証

Samsungは、スマートTVに対しても長期的なソフトウェアサポートを約束している。今回のOne UIアップデートを受けたTVモデルは、今後7年間にわたってOSの更新を受けることが保証されており、この点は同社のスマートフォンと同様のアプローチである。

これは、ユーザーにとって安心感を提供するだけでなく、購入後も長期間にわたって最新機能を享受できるという大きなメリットとなる。長期的なアップデートにより、セキュリティの向上や新機能の追加が行われるため、ユーザーは常に最新の環境でTVを使用できる。

また、Samsungは持続可能性にも配慮しており、長期間使用できる製品を提供することで、環境負荷の軽減にも貢献している。これは、技術革新と環境保護の両立を目指す同社の姿勢を象徴するものといえる。

Reinforz Insight
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