編集部
Appleが新型iPad Miniの第7世代モデルを発表した。外観に大きな変化はないが、内部には最新のA17 Proチップが搭載され、AI機能が利用可能となったことが特徴だ。このモデルは、Appleの人工知能ツール「Apple Intelligence」に対応し、写真編集や文章校正など新たな機能が追加された。
外観は前モデルを踏襲
2021年にデザインを一新したiPad Miniは、新型でもその外観を引き継いでいる。8.3インチの液晶ディスプレイに薄いベゼル、そして12メガピクセルのセルフィーカメラを搭載し、USB-Cポートを採用している点も変わらない。このUSB-Cポートは、データ転送速度が10Gbpsに向上しており、ファイルのやり取りがさらにスムーズになっている。
背面カメラは12メガピクセルのセンサーを備え、Smart HDR 4という最新の画像処理アルゴリズムに対応している。この技術により、カメラアプリでの書類のスキャン機能が向上し、より正確でクリアなスキャンが可能だ。このスキャン機能は、2023年5月にM4チップ搭載のiPad Proで初めて導入されており、今回のiPad Miniにも同様の性能が加わった。
新型iPad Miniは、外観こそ大きな変化がないものの、その内部には大幅なアップデートが施されている。小型のタブレットでありながら、プロフェッショナルな用途にも対応できる仕様を持つこのモデルは、持ち運びの利便性を重視するユーザーに引き続き支持されるだろう。
A17 ProチップでAI機能をサポート
新型iPad Miniの最大の特徴は、A17 Proチップを搭載している点である。iPhone 15 Proにも搭載されたこのチップは、CPU性能が前モデルに比べて30%向上し、GPU性能も25%アップしている。これにより、ゲームや動画編集など、負荷の高いアプリケーションでも滑らかに動作するようになった。
このA17 Proチップにより、iPad MiniはAppleの新しい人工知能機能「Apple Intelligence」をサポートすることが可能となった。iOS 18.1のリリースと共に、このAI機能が利用できるようになり、文章の校正やトーンの変更が簡単にできる「Writing Tools」や、写真から不要な物を除去できる「Clean Up」機能などが追加される。これにより、ユーザーの作業効率が大幅に向上することが期待される。
また、このiPad Miniは、AI機能に対応する最も安価なApple製デバイスとなる。手頃な価格でありながら、最先端の技術を体験できる点が、このモデルの魅力である。
Apple Pencil Proとの互換性
新型iPad Miniは、Apple Pencil Proとの互換性も備えている。これまでApple Pencil Proは、iPad ProやiPad Airなどの上位モデルにのみ対応していたが、今回のiPad Miniが最も手頃な価格でApple Pencil Proを利用できるデバイスとなった。
Apple Pencil Proは、ユーザーがツールの切り替えを直感的に行える「ダブルタップ機能」や、ペンを回転させることでツールの方向を変えられる「ジャイロセンサー」を搭載している。また、筆圧や角度を感知することで、より繊細な描画が可能である。さらに、「Find My」機能にも対応しており、紛失した際にも場所を特定できる。
プロフェッショナルなデザインやイラストの作業を行うクリエイターにとって、Apple Pencil Proの機能は非常に魅力的である。今回のiPad Miniは、小型で軽量ながらも、こうした高機能なスタイラスを活用できるため、アートやデザインの現場でも十分に活躍できるモデルとなるだろう。
ベースストレージが倍増
新型iPad Miniでは、ストレージ容量が大幅に拡張された。従来の64GBモデルに代わり、今回のベースモデルは128GBとなり、ユーザーがより多くのデータやアプリを保存できるようになった。また、256GBおよび512GBのオプションも用意されており、ヘビーユーザーやクリエイティブワークを行うユーザーにとっては嬉しい選択肢である。
特に、iPad Miniは写真編集や動画編集、ゲームなどの重たいアプリケーションを利用するユーザーにとって、ストレージ容量の増加は大きなメリットである。Apple Pencil Proとの併用により、アートやデザイン作業を行う際にも、データの容量を気にせずに作業に集中できる。
さらに、今回のiPad Miniでは、新たにブルーとパープルのカラーが追加されている。従来のスペースグレーやスターライトに加え、ユーザーはより多くの選択肢から自分のスタイルに合ったカラーを選べるようになった。