開発者会議(Google I/O 2023)でGoogleは、新たなAIアプリケーションをGoogle Photosに導入すると発表した。
Magic Editor生成型AIアプリ
Google Photosの2015年のローンチ以来、Googleは写真編集にAI能力を応用してきた。例えば、写真の自動整理、写真の思い出、マジックイレイザー、ぼかし修復などの機能があり、そして今後は「生成型AI」を導入してMagic Editor編集ツールを作成し、写真編集をより柔軟にする。
将来的にユーザーがGoogle Photosで写真を編集する際には、写真内のさまざまな要素を選択できる。人物、空、背景などの特定のオブジェクトを編集し、再構成も可能である。オブジェクトを最適な位置に調整することも可能だ。
例えば、オブジェクトの位置を再調整したい場合は、人物をクリックして横に移動させるだけで、Googleは自動的に計算し、元のキャラクターの隙間を埋めるべき要素(この写真では、砂利の床と山)で埋める。Magic Eraserを使ってワンクリックで編集することができ、AIの助けを借りて、自分の理想により近い写真を作成できる。
Googleは今年中に、一部のPixelデバイスのユーザーに対してMagic Editor機能を開放する予定である。Googleの統計によれば、Google Photosのユーザーによる写真編集の数は、月間でなんと17億枚にも上る。
写真編集の新たな可能性
Googleのこの取り組みは、人工知能(AI)の進歩とその実用化の具体的な例を示していると言えるだろう。Google Photosへの生成型AIの導入と新たなMagic Editorツールによる写真編集の柔軟性の向上は、ユーザー体験を大幅に強化する可能性がある。
具体的には、生成型AIを使用して写真の特定の要素を編集したり、画像内の物体を自由に移動したりできるというのは、これまでにないレベルの自由度をユーザーに提供する。これにより、ユーザーは写真をより個人的なものにすることができ、視覚的なストーリーテリングを強化できるだろう。
しかし、この技術の進歩とともに、倫理的な問題も生じる可能性がある。例えば、AIが写真の背景やオブジェクトを自動的に生成できると、写真が現実をどれほど忠実に反映しているのか、あるいは加工された写真が事実を歪曲しているのかを判断するのが難しくなる可能性がある。また、AIによる画像生成が容易になると、ディープフェイクなどの誤情報の拡散が一層容易になる恐れもある。
したがって、このような技術の進歩は、それがどのように使用され、その結果どのような影響が生じるかを慎重に監視することが重要であると言える。それにもかかわらず、Googleのこの取り組みは、AIとマシンラーニングが画像編集という分野でどのように革新的な変化をもたらすかを示している。