Windows 11 Enterprise評価版を試用しているユーザーにとって、評価期間終了後にフルバージョンへと移行する方法を知っておくことは重要である。評価版は90日間の有効期限があり、その後はアクティベーションが必要になるため、適切な手順で変換を行う必要がある。

この記事では、Windows 11 Enterprise評価版を正規のフルバージョンに変換する方法を紹介する。手順に従うことで、評価版から正式なEnterprise版へとスムーズに移行することができるだろう。

Windows 11 Enterprise評価版とは?

Windows 11 Enterprise評価版は、企業向けのWindows 11の機能を試験的に使用するための特別なバージョンである。主にITプロフェッショナルが製品のテストや評価を行う目的で提供されており、90日間の期限付きで利用可能だ。期限が切れると、システムは再起動を繰り返すなどの制限が発生するため、適切な対処が求められる。

評価版と正規版の違いはライセンスの有無だけでなく、サポートやセキュリティ更新の扱いにも影響を与える。評価版のままでは更新プログラムを完全に受け取ることができず、継続的なセキュリティ強化が必要な企業環境にとってはリスクとなる。

そのため、評価期間終了前に正規のフルバージョンへの移行を検討することが推奨される。変換方法については後述する手順に従うことで、問題なく移行が可能だ。

変換前に必要な準備

Windows 11 Enterprise評価版をフルバージョンに変換する前に、いくつかの重要な準備を行う必要がある。まず、正規のWindows 11 Enterprise製品キーが必要となる。評価版の変換には正規のライセンスが不可欠であり、不適切なキーでは正常に認証されない可能性がある。

次に、システム管理者としての権限を持つユーザーアカウントでログインすることが求められる。変換作業はシステムファイルに変更を加えるため、管理者権限がなければ進行できないからだ。

さらに、インターネット接続の安定性を確認しておくことも重要である。変換中にネットワークが途切れると認証が失敗する可能性があるため、確実な接続を確保しておくべきだ。最後に、重要なデータのバックアップを取っておくと、万が一のトラブルにも対応できる。

変換手順:コマンドプロンプトを使った方法

Windows 11 Enterprise評価版をフルバージョンに変換するには、コマンドプロンプトを使用する方法が推奨される。まず、WindowsキーとXキーを同時に押して「Windowsターミナル(管理者)」を選択する。管理者権限でターミナルを開いたら、「slmgr /dlv」を入力して現在のライセンス状態を確認する。

ライセンスの説明に「EVAL」が含まれている場合は、次の手順に進む。「slmgr /upk」と入力して既存のプロダクトキーを削除し、その後「slmgr /ipk XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX」と入力して正規のプロダクトキーを登録する。

入力したプロダクトキーが正しい場合、最後に「slmgr /ato」を入力してWindowsをアクティベートする。これにより、評価版から正式なフルバージョンへの変換が完了する。

よくある問題と対処法

Windows 11 Enterprise評価版の変換中に発生する一般的な問題には、エラーコード0xC004F069がある。このエラーは、使用しているプロダクトキーが無効である場合に発生することが多い。まず、入力したキーが正しいかどうかを再確認する必要がある。

また、認証に失敗した場合は、インターネット接続を確認し、数時間後に再試行することで解決することがある。認証トラブルシューティングを実行することも有効な手段だ。

それでも解決しない場合は、Microsoftサポートに連絡して追加のサポートを受けることが推奨される。企業での利用の場合は、KMSサーバーへの接続が必要となる場合もあるため、IT部門と連携して対応するとよい。

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