ここ数カ月で、AI機能が強化されたCopilot+コンピュータが市場に登場し、専用のCopilotボタンが搭載されたモデルも増えている。しかし、Windows 11はこのボタンの機能をAI以外の用途にも変更できるオプションを提供する予定だ。

現在、この新機能はWindows InsiderプログラムのCanaryチャネルで提供されるビルド27729でテスト中であり、近いうちに一般向けにリリースされる見込みである。なお、設定可能なプログラムは、ユーザーの安全とプライバシーを考慮して、MSIX形式で署名されたものに限定される予定だ。

Copilotボタンとは何か

Copilotボタンは、AI技術を活用したWindows 11の新しいインターフェースであり、特にCopilot+と呼ばれる最新のノートパソコンに搭載されている。このボタンを押すことで、Microsoftのチャットボットをすぐに起動でき、ユーザーはAIを使った支援を受けることが可能である。

AIによる文章生成や質問回答、タスク管理などをサポートする機能が組み込まれており、より効率的な作業環境を提供する。Copilot+コンピュータにはAI機能が強化されており、ユーザーが日常業務でAIを積極的に活用することが期待されている。

しかし、AIに関心のないユーザーやAI機能を使用しない場面では、このボタンの存在が必ずしも便利とは限らない。こうしたユーザーのニーズに応える形で、ボタンの機能を変更可能にするアップデートが進行中である。

新機能の詳細と対応バージョン

新しい設定オプションは、Windows InsiderプログラムのCanaryチャネルに配信されたWindows 11 Build 27729で初めて導入された。このアップデートにより、Copilotボタンを他のアプリケーションの起動に使用することが可能となる。

例えば、音楽再生ソフトやメールクライアントをすぐに起動できるように設定することができ、AI以外の用途でも便利に利用できるようになる。すでにBetaおよびDevチャネルでもテストが行われており、正式リリースに向けた最終段階にある。

一般ユーザーへの配信は数カ月以内に行われる見込みで、幅広いニーズに対応するための大きな一歩となるだろう。このアップデートによって、より柔軟で個々のユーザーに最適化されたWindows 11体験が提供される。

MSIX形式のアプリに限定される理由

Copilotボタンのカスタマイズで使用できるアプリケーションは、MSIX形式でパッケージされ、署名されたものに限定される。この形式は、ユーザーのセキュリティとプライバシーを重視した設計になっており、インストール時のシステム変更を最小限に抑えることができる。

MSIXは、信頼性のあるインストール方法であり、悪意あるプログラムの侵入を防ぐ重要な役割を果たしている。MSIX形式に制限することで、ユーザーにとってのリスクを低減し、より安全な環境で機能拡張が可能となる。

特にビジネス用途では、情報漏洩や不正なアクセスのリスクが大きいため、セキュリティ強化は不可欠である。この制限は一部のユーザーにとっては不便に感じられるかもしれないが、全体的な安全性向上のために必要な措置である。

今後の展望とユーザーへの影響

Windows 11のこの新機能は、今後のさらなるアップデートや改善につながる可能性が高い。Copilotボタンのカスタマイズが可能になることで、AI機能を積極的に使わないユーザーにも柔軟な選択肢が提供される。これは、AIに対する懸念を持つユーザーや、特定の業務用途に合わせた設定を求める企業ユーザーにとって歓迎されるだろう。

また、将来的には対応するアプリケーションの幅が広がる可能性もあり、MSIX形式以外の形式やより多くのサードパーティアプリに対応することが期待されている。ユーザーが独自のカスタマイズを楽しめるようになれば、Windows 11の利用価値は一層高まるだろう。Microsoftは、ユーザーからのフィードバックを反映させながら、今後のアップデートを計画している。

Reinforz Insight
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