Intelの最新ゲーミングCPU「Core Ultra 9 285K」の詳細が、公開されたArrow Lakeのダイショットによって明らかになった。Asus Chinaのマネージャー、Tony Yu氏が中国の動画共有サイトBiliBiliで披露した映像には、新型チップのパッケージングと内部構造が映し出されている。

このダイショットは、チップの各セクションを示すもので、計算タイル、グラフィックスタイル、SoCタイルなどがどのように配置されているかを詳細に伝えている。また、キャッシュ構成やPCIeインターフェースの新たな配置も確認された。

新型ゲーミングCPU「Core Ultra 9 285K」の詳細が明らかに

Intelの新しいゲーミングCPU「Core Ultra 9 285K」が注目を集めている。Arrow Lakeアーキテクチャを採用したこのモデルは、最新のゲーミングPC向けに開発されたフラッグシッププロセッサである。今回公開されたダイショットによって、チップの内部構造が明らかになり、その精密さと複雑さが見て取れる。

ダイショットは、プロセッサの表面を研磨することで内部の構造を可視化する手法であり、今回の画像では主要な構成要素が明瞭に示されている。特に、計算タイルやI/Oタイルの配置が従来のモデルとは異なり、性能向上に寄与する新しい設計が見られる。このような詳細な内部構造の公開は、ゲーミングPCの愛好者や技術者にとって興味深い情報である。

Arrow Lakeチップの主要構造とその設計特徴

Arrow Lakeのダイショットには、複数のタイルで構成されたチップの詳細が映し出されている。計算タイル、グラフィックスタイル、SoCタイル、I/Oタイルなどが、Foveros技術を用いた多層構造で統合されている点が特徴だ。これにより、各タイルがそれぞれの役割を担いつつも、全体としての性能を最大化することが可能となっている。

特に注目すべきは、主要なタイルの製造がTSMCによって行われている点であり、Intelはこれらを再パッケージングする役割を担っている。この協業により、高性能なプロセッサを迅速に市場へ投入することができる仕組みとなっている。これらの構造的な工夫が、次世代ゲーミングCPUの性能を支える鍵となっている。

チップ内部に見られる新しいキャッシュ構成とI/Oダイ

今回のダイショットでは、キャッシュ構成とI/Oダイの新たな配置が明確に示されている。特にL3キャッシュは、PコアとEコアの両方で共有されるようになっており、以前の設計では見られなかった統一リングバスを介してデータを効率的にやり取りできるようになっている。

また、I/OダイにはPCIeインターフェースが集約されており、拡張性を確保しつつもパフォーマンスを向上させるための設計がなされている。このような変更は、ゲーミングPCにおける処理速度の向上やレイテンシの低減を狙ったものであり、ユーザーにとっては大きなメリットとなるだろう。

グラフィックス性能とGPUの役割の違い

Arrow LakeチップのGPUは、デスクトップ向けの基本的な描画タスクを担う仕様となっている。今回のCore Ultra 9 285Kに搭載されたGPUは、わずか4つのXeコアを持つものであり、Lunar Lakeに見られるバトルメイジXe2コアを8基搭載したモバイル向けGPUと比較すると、グラフィックス性能に大きな差がある。

この構成は、あくまでゲーミング用途での主役が外部グラフィックスカードであることを前提としており、CPU内蔵GPUの役割は限定的である。しかし、基本的なレンダリング機能を提供することで、システム全体の柔軟性を高めている点は評価に値する。

Reinforz Insight
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