編集部
マイクロソフトは、Windows 10バージョン22H2向けに累積プレビューアップデートKB5045594をリリースした。今回のアップデートでは、多機能プリンターに関連する問題が解消され、新たなスタートメニューのデザイン変更が徐々に導入される予定である。
このプレビュー版は、来月のパッチ火曜日にリリースされる強制更新に向けたテスト版であり、セキュリティアップデートは含まれていない。
プレビューアップデートの目的と概要
Windows 10バージョン22H2向けにリリースされた累積プレビューアップデートKB5045594は、主にバグ修正を目的としている。このプレビューアップデートは、今後の月例更新で正式にリリースされる機能や修正を事前にテストできるものである。Windows管理者や一般ユーザーは、この更新を手動で適用することが可能であり、特にセキュリティ面の更新は含まれていない。代わりに、主にユーザーエクスペリエンスや既存の不具合に対応する更新が中心となっている。
また、今回のアップデートではスタートメニューの新しいデザインが一部のユーザーに対して展開される予定である。これにより、アカウント設定へのアクセスがより直感的に行えるようになり、利便性が向上する見込みだ。アップデートの適用後、システムは自動的にビルド19045.5073に更新される。このアップデートは任意のものであり、適用するかどうかはユーザーが選択できる。
Windows 10ユーザーは設定メニューの「Windows Update」から手動で更新を確認し、インストールすることが可能である。なお、このアップデートは、来月の強制アップデートとは異なり、テスト版としての位置づけとなっている。
修正された多機能プリンターの問題
今回のアップデートで修正された主要な問題のひとつは、多機能プリンターに関連する不具合である。具体的には、USBケーブルを使用して多機能プリンターを接続した際に、プリントジョブで意図しないネットワークコマンドテキストが出力される現象が解消された。この問題は、特定の環境で発生していたもので、業務用のプリンターを使用する企業や個人にとって大きな不便となっていた。
さらに、同じくUSB接続でスキャナードライバーがインストールに失敗する問題も修正された。この問題により、複合機を正しく認識できず、スキャン機能を使用できないケースが多発していたが、今回のアップデートにより解消される見込みだ。これらの修正は、多機能プリンターを日常的に使用するユーザーにとって、大きなメリットをもたらすものである。
プリンターのトラブルは業務の停滞や時間的損失を引き起こすため、この修正により業務効率の改善が期待される。マイクロソフトはこれまでにも、プリンター関連の問題を継続的に修正してきており、今回のアップデートもその一環である。
スタートメニューの新機能とデザイン変更
今回のアップデートでは、新しいスタートメニューのデザインが一部のユーザーに対して段階的に展開される。これにより、ユーザーはアカウント設定やアカウント情報へのアクセスがより簡単に行えるようになる。新しいデザインでは、スタートメニュー内にアカウントマネージャーが追加され、これが従来よりも視覚的にわかりやすい配置で提供されることが特徴だ。
また、異なるユーザーアカウントに切り替える際には、従来の「サインアウト」オプションの横にある「…」アイコンを選択することで、簡単に切り替えが可能となる。この変更により、複数のアカウントを持つユーザーにとって、よりシームレスな操作体験が実現される。さらに、従来はスタートメニュー内にあったロック機能が、電源メニューに移動されている。
ただし、この新機能は全てのユーザーにすぐに反映されるわけではなく、段階的に展開されるため、アップデート直後には利用できない可能性もある。今後の正式リリースに向けて、ユーザーからのフィードバックを基にさらなる改善が図られる見込みである。
その他の修正と今後の展望
多機能プリンター関連の問題以外にも、今回のアップデートには多数の修正が含まれている。例えば、仮想スイッチの使用時に発生する「vmswitch」の停止エラーが修正された。このエラーは、Load Balancing and Failover（LBFO）機能を利用する際に発生しやすかったが、今後は問題なく利用できるようになる。
また、Windows 10からWindows 11へのアップグレード時に発生するレースコンディションによる停止エラーも解消された。この問題は、0x3Bの停止エラーを引き起こし、システムの安定性に影響を及ぼしていたが、今回のアップデートで改善されている。さらに、WebView2アプリがXbox 360やBluetoothコントローラーからの入力を認識しない問題も修正されている。
この他、複数の地域に新しい製品認証用の電話番号が追加され、特定のモバイルオペレーターのプロファイルも最新のものに更新された。今後のアップデートでは、さらなる機能追加や改善が期待されており、今回のプレビュー版でのフィードバックが正式リリースに反映される可能性が高い。