CoreWeaveは、GPUクラウドインフラの拡大を目的に、Core Scientificとの契約を通じて追加の120MWを確保した。これにより、同社は合計500MWの計算能力を利用可能とする計画である。
Core Scientificはこのためにインフラの改修を行い、2026年後半までに稼働を目指す。
CoreWeaveとCore Scientificの提携拡大
CoreWeaveは、GPUクラウドインフラの強化を目指し、Core Scientificとの提携を拡大した。今回の契約により、CoreWeaveは120MWの計算能力を追加で確保し、同社がこれまでに契約したインフラの総容量は500MWに達する。Core Scientificは、高性能コンピューティング(HPC)向けに改修されたデータセンターを提供し、Nvidia製GPUを使用したサービスの強化に貢献することが期待されている。
CoreWeaveはこれまでも急速に成長を遂げており、AIやグラフィックス処理を支える大規模なクラウドインフラを展開してきた。今回の提携拡大は、その成長戦略の一環であり、次世代の計算ニーズに対応するためのさらなるインフラ拡充を目指している。Core Scientific側も、HPCホスティング事業への注力を強化し、データセンター事業の進化を加速させる狙いがある。
この契約の背後には、AIや機械学習、さらにはメタバースなどの新たな技術トレンドが存在する。これらの技術は、大規模なGPUリソースを必要としており、両社の協力はその需要に応えるものとなる。加えて、これまでビットコインマイニングに特化していたCore Scientificが、HPCホスティングに注力する姿勢は、同社の戦略転換を示している。
12年間で200億ドル規模の収益を見込む
CoreWeaveとCore Scientificの提携による12年間のHPCホスティング契約は、200億ドルに迫る収益を生み出す見込みである。この契約だけで追加の20億ドルをもたらし、これまでのCoreWeaveとの契約から得られる67億ドルと合わせて、合計87億ドルの収益を見込んでいる。これは、Core Scientificにとっても大きなビジネスチャンスとなり、HPCホスティング市場での存在感を強める一因となる。
CoreWeaveが目指すのは、GPUを利用したクラウドコンピューティングの需要に対応するためのインフラ整備であり、今回の契約はその成長に欠かせない要素である。AIや機械学習、グラフィックス処理、さらには科学計算など、次世代の技術が要求する大規模な計算リソースに対応することが、今後の競争力を左右する。
Core Scientificは、この契約により長期的な収益基盤を強化し、同社が提供するインフラの付加価値を高めることができると見込んでいる。今回の提携がもたらす収益の増加は、データセンターの運営だけでなく、会社全体の財務状況にもプラスの影響を与えるとされている。特に、クラウドインフラの需要が今後も急増することが予想される中で、今回の契約は持続的な成長を支える要因となる。
次世代コンピューティング需要に応えるデータセンター拡充
今回の契約を受け、Core Scientificは、2026年後半までに500MWのインフラを提供する計画を発表した。これは、次世代コンピューティングの需要に対応するために、同社が既存のデータセンターを改修し、新たなサイトを開発することを意味している。特に、HPCホスティングに特化したインフラの整備が進められ、AIやグラフィックス処理を中心とした新たなビジネスチャンスに備える形だ。
改修は2025年後半に開始され、2026年後半に運用が開始される予定である。この改修には、主にNvidia製GPUを使用するための最適化が含まれ、CoreWeaveが必要とする高性能なコンピューティングリソースを提供することが可能になる。また、このプロジェクトは、Core Scientificのデータセンター運営においても重要なステップとなる。
次世代コンピューティングの需要は、クラウドインフラに対する高い要求を伴う。AIや機械学習の高度な処理、仮想現実や拡張現実、そして自動運転技術など、これまで以上に膨大な計算能力が必要とされる中、今回のデータセンター拡充は、これらの技術進化に不可欠な要素となる。
ビットコインマイニングとの併用インフラ計画
Core Scientificは、引き続きビットコインマイニング事業も展開しており、今回の契約で確保した500MWのうち、半分はビットコインマイニングに使用される予定である。残りの500MWはCoreWeaveとの提携に基づくHPCホスティングに充てられる。これにより、同社は2つの主要事業を並行して展開し、収益源を多様化させることが可能となる。
ビットコインマイニングは、依然として高い電力消費を伴うが、その収益性は市況に左右されやすい。これに対して、HPCホスティングは長期契約による安定した収益を見込むことができ、両者をバランスよく運用することで、Core Scientificは経営の安定性を高めることができる。
また、同社は今後も新たなデータセンターの開設を検討しており、今後の需要拡大に対応するためのインフラ投資を続ける方針である。このように、ビットコインマイニングとHPCホスティングの併用インフラ計画は、短期的な市場変動に耐えるだけでなく、長期的な成長を目指す戦略であると言える。