Intelの最新CPU「Core Ultra 285K」が登場し、22年以上ぶりにハイパースレッディングを廃したプロセッサーとなった。従来のi9-14900Kとの性能差はどうなのか。ゲーミング性能、効率性、プラットフォームの違いを中心に、新旧フラッグシップCPUを徹底比較する。

ゲーム用途では14900Kの方が依然として優勢だが、285Kは効率性で飛躍的な向上を遂げている。果たして次世代CPUは本当に買い換える価値があるのか、詳細を見ていこう。

Core Ultra 285Kの特徴と進化

Intel Core Ultra 285Kは、最新の3nmプロセス技術を採用し、効率性の向上を目指した次世代CPUである。特にハイパースレッディングを廃止し、物理コアの性能を引き出すアーキテクチャへと変更された点が特徴だ。

8つのPコアと16のEコアからなる24スレッド構成であり、従来の14900Kとは異なるアプローチを採っている。メモリ速度は6400MT/sに対応し、PCI Express 5.0のレーン数も20に増強されており、拡張性の面でも優れている。

ソケットはLGA 1851を採用し、最新のマザーボードが必要だが、USB 4やWi-Fi 7といった新機能をサポートする点は魅力である。285Kの登場によって、Intelは効率性の新たな基準を打ち立てようとしている。

ゲーム性能での比較:14900Kが優位か

ゲーム用途においては、Core i9-14900Kが依然として優位に立つ。ベースクロックが高く、ブーストクロックでもわずかに285Kを上回るため、多くのゲームでフレームレートの向上が見られる。実際のテスト結果でも、CS2やDays Goneといった人気タイトルでのフレームレートは14900Kが優勢であった。

その一方で、285Kは効率性を重視した設計となっているため、電力消費が大幅に低減されている。特に長時間のゲーミングセッションにおいては、14900Kに比べて発熱が少なく、冷却が容易である点が評価されるべきだろう。

しかし、純粋なゲーミング性能を求めるユーザーにとっては、14900Kの方が依然として魅力的な選択肢である。

効率性における285Kの優位性

Core Ultra 285Kは、効率性において顕著な進化を遂げている。14900Kと比較して約半分の電力で同等の作業をこなすことが可能であり、特にマルチコアのタスクにおいてその優位性が際立つ。Cinebench R23やGeekbenchといったベンチマークでは、わずかに高いスコアを示し、特に省電力性能で14900Kを上回っている。

新しい製造プロセスによるトランジスタの微細化が、こうした効率性の向上に寄与している。電力効率が求められるワークロードや、限られた冷却環境での運用が必要なシステムにとっては、285Kは理想的な選択肢となり得る。しかし、単純なパフォーマンス向上を重視する場合は、効率性のみで選ぶ理由は弱いと言える。

プラットフォームの違いとアップグレードの是非

285Kは新しいLGA 1851ソケットを採用しており、最新のマザーボードへの対応が求められる。一方、14900Kは既存のLGA 1700ソケットに対応しており、互換性の面で優れている。特に、既存のハードウェアを活かしたアップグレードを希望するユーザーにとっては、14900Kの方がコストパフォーマンスが高い。

最新のLGA 1851プラットフォームは、PCIe Gen 5のサポート拡充やUSB 4、Wi-Fi 7といった新機能を提供するが、これらの機能が不要な場合、285Kへのアップグレードの利点は薄れる。性能面での明確な飛躍がないため、現在のシステム構成や使用用途に応じて、どちらのCPUが最適か慎重に判断する必要がある。

Reinforz Insight
ニュースレター登録フォーム

最先端のビジネス情報をお届け
詳しくはこちら

プライバシーポリシーに同意のうえ