OnePlusとOppoは、Android 15のアップデートでiPhoneユーザーとのワイヤレスファイル共有機能「Share with iPhone」を導入した。この新機能は、OnePlusユーザーにとっては手軽に利用できるが、iPhoneユーザーには専用アプリ「O+Connect」のダウンロードを必要とし、使用感は複雑だ。

実際にこの機能を使用すると、iPhone側の設定プロセスが煩雑で、時間がかかるうえ、効率も低い。このため、ユーザーが別の手段を選ぶ可能性が高いと見られる。

OnePlusが新機能「Share with iPhone」を導入

OnePlusとOppoは、Android 15のアップデートを通じてiPhoneユーザー向けの新しいファイル共有機能「Share with iPhone」を発表した。この機能は、AndroidとiOS間のファイル共有をよりスムーズにすることを目指しており、OnePlusデバイスの共有メニューに新たに加わったボタンから簡単にアクセスできる。具体的には、OnePlusユーザーが写真や動画、その他のファイルをiPhoneに送る際に、ワイヤレスで直接送信できるようになる。

しかし、この機能が特にOnePlusユーザーにとって便利である一方で、iPhoneユーザー側にはいくつかの制約が存在する。OnePlusはこの新機能が「追加のダウンロードを不要にする」と謳っているが、実際にはiPhoneユーザーがApp Storeから「O+Connect」というアプリをダウンロードする必要がある。このアプリを使ってファイルを受信するには、さらに多くの手順を踏む必要があるため、ユーザー体験は煩雑化している。

このような背景を考慮すると、OnePlusが目指したシームレスな共有体験は、少なくともiPhoneユーザー側では実現されていないと言える。AndroidとiOS間の互換性問題に対する解決策としてのこの機能は、その導入によって改善された部分があるものの、特にiPhoneユーザーにとってはまだ道半ばの技術と言えるだろう。

iPhoneユーザーにとっての使用ハードルの高さ

「Share with iPhone」の機能が実際に利用される場面では、iPhoneユーザーがまず「O+Connect」アプリをダウンロードし、さらにアプリに多くの権限を与える必要がある。このプロセスは、シンプルなファイル共有という目的に対して過剰とも言える手間がかかるため、利用の障壁となり得る。OnePlus側では簡単な操作でファイル共有ができるが、iPhone側は複数のステップを踏む必要があり、その手順の多さが普及の妨げになっている。

例えば、OnePlusユーザーが写真を共有したい場合、iPhoneユーザーはアプリをインストールし、起動しておかなければならない。そして、ファイル共有のたびにWi-Fiホットスポットへの接続が求められ、その際に各種権限の許可が必要になる。この煩雑なプロセスは、短時間で簡単にファイルを共有したいユーザーにとって、非常にストレスフルなものだと言える。

また、この手続きにかかる時間も問題だ。筆者のテストによれば、1枚の写真を共有するだけでも30秒以上かかる。さらに大きなファイルの場合、この時間はさらに延びる可能性が高い。このような現状では、利用者がもっとシンプルなGoogleドライブやメールなどの他の方法に頼ることが予想される。

実際のファイル共有プロセスとその問題点

OnePlusユーザーが「Share with iPhone」機能を使ってファイルを共有する手順は一見シンプルだが、実際には複雑な部分が多い。まず、OnePlusデバイスで共有メニューを開き、送信したいファイルを選択する。その後「Share with iPhone」をタップし、iPhoneを選択する。しかし、ここからが問題である。

iPhoneユーザー側では、前述の「O+Connect」アプリを起動し、必要な権限を全て許可した状態で、アプリをアクティブにしておく必要がある。その後、iPhoneがOnePlusデバイスに認識され、ファイル転送が可能になるが、この際にiPhoneは一時的にWi-Fiホットスポットに接続される。さらに、OnePlusデバイス側でもWi-Fi接続が一時的に中断されるため、全体的な操作性に影響が出る。

また、ファイルの転送速度も速いとは言えない。筆者がテストした際、1枚の写真を送るだけで30秒以上かかることがあった。これは、他の共有手段と比較しても遅い部類に入る。特に複数のファイルや大容量の動画を送る際には、さらなる時間が必要になることが予想され、実用性に疑問が残る。こうした問題点を解決しなければ、この機能が広く普及するのは難しいだろう。

利便性向上の可能性と他の代替手段

「Share with iPhone」機能が抱える最大の課題は、iPhoneユーザーにとっての利便性の低さである。現在のプロセスでは、手順が多く、ダウンロードや設定に時間がかかるため、利用の障壁が高い。このため、ユーザーが他のよりシンプルなファイル共有手段を選ぶ可能性が高い。例えば、GoogleドライブやRCSメッセージング、またはメール添付など、既存の共有方法の方が迅速かつシームレスに機能することが多い。

さらに、この機能は特に大容量のファイルに適しているとされているが、実際にそのメリットを享受できる場面は限られている。写真や小さな動画を共有する場合、30秒以上かかることも多く、手間に見合うとは言い難い。一方で、4K動画や大型ファイルを扱うユーザーにとっては一定の価値があるかもしれないが、それでも普及は限定的になるだろう。

OnePlusがこの機能を開発したこと自体は評価に値するが、よりシンプルでエレガントな解決策が求められている。特に、専用アプリのダウンロードを不要とし、Webアプリなどの代替手段を提供することが望ましい。現状では、日常的なファイル共有には不向きであり、ユーザーがこの機能を積極的に利用するとは考えにくい。

Reinforz Insight
ニュースレター登録フォーム

最先端のビジネス情報をお届け
詳しくはこちら

プライバシーポリシーに同意のうえ