韓国の大手スマートフォンメーカーであるサムスンは、2025年に低価格帯のフォルダブルスマートフォン「Galaxy Z Flip FE」を発売する可能性が浮上している。同社はこれまで高価格帯のフォルダブルシリーズを展開してきたが、市場拡大を図るべく、モトローラやヌビアと同様に中価格帯モデルへの参入を検討している。
モトローラのRazrシリーズが699ドルという低価格で提供される中、サムスンも新しいZ Flip FEモデルを同程度の価格帯に設定する可能性が高い。2024年の決算報告においても、より多くの消費者がフォルダブルデバイスを体験できるよう「参入障壁を下げる」方策を検討している旨が示唆された。
市場からは、サムスンが次世代フォルダブルデバイスでユーザー層の拡大を図るため、低価格モデルの投入が必要不可欠との見方が強まっている。
サムスンの戦略転換と市場拡大の背景
サムスンは、従来の高価格フォルダブルデバイスから低価格帯へのシフトを試みている。その背景には、フォルダブル市場における競争が激化し、特にモトローラやヌビアが中価格帯にフォーカスした製品を次々と投入している現状がある。
サムスンはこれまでGalaxy Zシリーズの高級路線を維持し、技術とデザインでリードしてきたが、2024年の決算報告において「フォルダブルデバイスの体験をより多くのユーザーに届けるため参入障壁を下げる」との発表がなされ、低価格路線へのシフトを明確に示唆している。
これは新規ユーザー層の獲得を目指した戦略転換とも捉えられる。Galaxy Z Flip FEが実際に発売される場合、低価格帯に位置づけられることが予想されるが、サムスンがどのように競合との差別化を図るかが市場の注目を集めている。
Galaxy Z Flip FEの仕様と価格予測
Galaxy Z Flip FEのスペックについては具体的な情報は限定的であるが、一般的な中価格帯スマートフォンの特徴から、旧型のプロセッサ、128GBのストレージ、控えめなカメラ性能が搭載されると予測されている。
さらに、価格設定については、モトローラがRazr 2024モデルを699ドルで提供しているため、Galaxy Z Flip FEも同様の価格帯での販売が見込まれる。
これにより、サムスンはフォルダブル市場で手頃な価格帯にフォーカスし、既存ユーザー層だけでなく新たな消費者層の獲得を狙っている。今後の公式発表に注目が集まる中、サムスンがどのように魅力的な製品仕様と価格設定を実現するかが重要なポイントとなる。
フォルダブル市場における競争と今後の展望
フォルダブルデバイス市場は急速に拡大しており、特に中価格帯にフォーカスした製品が増加している。モトローラやヌビアがこの市場に積極的に参入し、多くの消費者に受け入れられる価格帯で製品を提供していることがサムスンにも影響を及ぼしている。
ZDNet Koreaによると、Galaxy Z Fold 6およびZ Flip 6の予約数が予想を下回ったことも、低価格モデルの投入を急がせる要因の一つと考えられる。これまでサムスンは高価格帯でのブランド価値を保ってきたが、今後は幅広い価格帯の製品を提供することでさらなる市場シェア拡大を図る戦略を取る可能性が高いと見られている。