高性能ゲーミングCPUとして注目を集めるAMDの「Ryzen 7 9800X3D」だが、販売店のOverclockersは、2025年初頭まで十分な在庫の確保が難しいと発表した。同社によると、一部の出荷は年内にも予定されているものの、既に予約や特定用途向けに割り当てられている状況である。
米国でも大手小売店Best BuyやNeweggが入荷に尽力しているものの、需要が高いため在庫不足が続いている。現在、中古市場では通常価格を大幅に上回る600ドルから700ドルで出品されており、即座の入手は困難を極めている。
Ryzen 7 9800X3Dの在庫不足と販売業者の対応
Ryzen 7 9800X3Dの供給不足が長引く中、英国の技術小売業者Overclockersは、製品の販売において率直な姿勢を見せている。同社は、顧客に対し「2025年初頭まで在庫の十分な確保は見込めない」と公表し、新規の予約注文は受け付けていないと発表した。
また、11月や12月には一部出荷が予定されているものの、これらの数量は既に事前予約者やカスタムPCの構築に充てられるとみられている。このような在庫対応は、過剰な期待を抱かせることなく、顧客に現実的な判断を促すものであると考えられる。
米国の小売店でも、Best Buyが「在庫の追加に努めている」と表明し、Neweggも「高い需要がある」とした上で「可能な限り迅速に補充する」とのコメントを発表している。供給不足の根底には、Ryzen 7 9800X3Dの高い性能と人気があり、この状況が消費者や業界に与える影響は少なくない。即座の入手が難しい中、消費者にとっては製品の供給体制の改善を待つ必要があるが、販売業者の対応により情報が透明化されることは歓迎されるべきである。
Ryzen 7 9800X3Dの転売市場と価格動向
高性能を誇るRyzen 7 9800X3Dの供給不足に伴い、中古市場や転売市場では価格が高騰している。eBayには600ドルから700ドルの価格帯で出品されており、これらは公式販売価格である479ドルを大幅に上回っている。供給不足の状況を受けてプレミアム価格が付けられているが、これが消費者に与える経済的負担も小さくない。また、在庫の入手難易度が高まるにつれ、こうした高額取引が常態化するリスクも考えられる。
転売市場での価格高騰が続く一方で、AMDはこの供給不足についての公式なコメントを控えている。消費者にとって、法外なプレミアム価格を支払うか、供給の安定を待つかの選択を迫られる状況だが、ここで冷静な判断が求められる。市場の過熱が沈静化するには、今後の供給状況とAMD側の対応が鍵を握っており、これにより転売市場の動向が大きく変わる可能性がある。
既存のAMD製品への注目と新製品の影響
供給が不安定な中、消費者が現行のRyzen 7 9800X3Dの購入を見合わせる一方で、AMDの他の製品、特にRyzen 7 7800X3Dなどの旧世代CPUへの関心が高まっている。Overclockersでは、古いSocket AM4システムを持つユーザー向けにRyzen 7 5700X3Dと32GBのCorsair RAMをセットにしたお得なバンドルも用意されている。この選択肢は、今すぐに性能向上を図りたい消費者にとって、コストパフォーマンスの良い代替案となるだろう。
新製品への需要が高いほど、既存製品やバンドルの需要が押し上げられる傾向が見られる。特に、Ryzen 7 9800X3Dの供給が安定するまでは、消費者がこうした選択肢に目を向ける可能性が高い。