AMDがゲーミングノートPC市場で再び存在感を示そうとしている。Bilibiliでのリークによれば、同社は次世代RDNA 4 GPUシリーズとして4つのノートPC向けモデルを準備中であり、そのフラッグシップGPUがNVIDIAのRTX 5090に対抗するスペックを備えるとされている。
特に、256ビットメモリバスと16GBのVRAMを搭載した「R25M-E6」が注目されており、消費電力範囲も80〜175ワットと高性能を期待させる内容だ。しかし、NVIDIAもまた次期RTX 5090に24GBのVRAM搭載を検討していると見られ、競争は激化の一途をたどる見込みである。
さらに、AMDはRDNA 4以外にもミッドレンジや省電力オプションを含む幅広い製品ラインナップを発表する予定で、ゲーマーやクリエイター向けに多様な選択肢を提供する方針だ。2025年にはこれらのGPUが市場に投入される可能性が高く、AMDのノートPC向け戦略が市場に新たな変化をもたらすだろう。AMDの挑戦は、NVIDIAが支配するゲーミングノートPC市場において重要なターニングポイントとなるかもしれない。
AMDの新たなRDNA 4ラインナップが示す多様な性能と用途
AMDは、ノートPC市場での競争力を強化するべく、RDNA 4アーキテクチャに基づく多様なGPUラインナップを準備している。具体的には、消費電力とメモリ構成に応じた4種類のモデルが用意されており、それぞれが異なるユーザーのニーズに応える設計となっている。
フラッグシップモデルの「R25M-E6」は、256ビットのメモリバスに16GBのVRAMを搭載し、消費電力も80〜175ワットの範囲で高い処理能力を提供する。また、ミッドレンジモデルである「R25M-P6」と「R25M-P4」は、より多くのユーザーがアクセス可能な仕様となり、ゲーミングやクリエイティブ用途にも適応する性能を備えている。
加えて、AMDの最下位モデルは、軽量ノートPC向けに特化した省電力設計がなされており、消費電力は50〜130ワットと抑えられている。これにより、モバイル環境でもバッテリー持ちが良好で、持ち運びしやすいノートPCの開発を後押しすることが期待される。このように、RDNA 4シリーズは幅広い性能要件を満たすことで、各分野での活用が見込まれているが、特にその多様性と汎用性が市場での強力な武器となるだろう。
RDNA 4とRTX 5090のメモリ競争がもたらす影響
AMDの「R25M-E6」が16GBのVRAMを備えている一方で、NVIDIAの次期RTX 5090は24GBのVRAMにアップグレードされる可能性が指摘されている。これが実現すれば、NVIDIAはメモリ容量の面で優位に立つこととなり、特に高解像度でのゲームプレイや大規模なデータ処理を行うプロユーザーには好まれる選択肢となるだろう。このメモリ容量の差は、現実的な使用場面でのパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかが注目されている。
また、消費電力に関してもAMDとNVIDIAの両者が同水準にあるが、これがノートPCのバッテリー持続時間や冷却性能に与える影響は見逃せない。特にゲーミングノートPCでは長時間の使用に耐えうる冷却設計が求められるため、各社がどのような技術的工夫を施すかが、ユーザーの選択基準の一つとなるだろう。NVIDIAがメモリ容量で差をつける一方で、AMDがどのような付加価値を提示するか、競争の行方が注視されている。
AMDのAPU統合GPUが示す新たなパフォーマンス像
AMDはRDNA 4とは別に、次世代Ryzen AI 300 Max APUも開発しており、これにはRDNA 3.5ベースの統合GPUが採用される見込みである。この統合GPUはRadeon 8000シリーズの名前を冠する予定で、ディスクリートGPUに匹敵する性能を提供するという。
具体的には、16から40のコンピュートユニット(CU)を備え、従来の統合GPUでは実現できなかった処理能力を誇る。特に、軽量かつ持ち運びやすいノートPCでも十分な性能を発揮する可能性がある点が注目される。
一方で、RDNA 3.5とRDNA 4のブランド名称が混在することで、消費者が選択に迷う可能性もある。Wccftechによれば、これらの統合GPUがRadeon 8060Sや8050Sといったモデル名を採用する予定であり、ディスクリートGPUと類似した名前が混乱を招く恐れがある。AMDは性能面でのアピールのみならず、ブランド戦略にも慎重さが求められる局面であり、消費者への訴求力を高めるためのマーケティングが重要となるだろう。