米国での仮想通貨に対する期待が急上昇している。先の米国大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利を受け、仮想通貨イーサリアム(ETH)への関心が再燃。ETHは過去7日間で37%以上の値上がりを記録し、先物市場におけるオープンインタレストも過去最高の1,320万ETHに達した。さらに、米国初のスポットETH ETFへの流入額が295百万ドルに上り、特にフィデリティとブラックロックの製品が大きな注目を集めている。
こうした動向により、イーサリアムブロックチェーン上のアクティブアドレス数やDApp利用者も増加傾向を示しており、需要の増加が持続する可能性がある。これらの複合的な要素により、ETHが4,000ドルの水準に到達するための条件が整いつつある。
トランプ氏の勝利が仮想通貨市場に与えたインパクト
米国大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利は、仮想通貨市場、とりわけイーサリアム(ETH)価格に大きな波紋を広げた。従来から仮想通貨に好意的であったトランプ氏の政策や姿勢が市場の期待感を支え、過去7日間でETHは37%以上の急騰を記録した。特に、この高値は7月24日以来の水準であり、注目すべき動向といえる。
CryptoQuantによると、トランプ氏の勝利直後、イーサリアム先物市場のオープンインタレストは過去最高の1,320万ETHに達した。これは投資家がETHの将来性に対して強い期待感を抱いていることを示唆する。投資家の心理は、通常、政治的な要因や規制緩和の見通しに敏感に反応するが、トランプ氏の勝利によりETH市場は活気を取り戻しつつある。
このような動きは仮想通貨市場の特異性を反映しており、特にETHが米国市場で再び中心的な存在として認識され始めていることがうかがえる。
米国スポットETH ETFの記録的な資金流入
11月5日に行われた米国大統領選の影響は、イーサリアム関連のETFにも波及している。SoSoValueのデータによれば、スポットETH ETFは7月23日のローンチ以来最大の日次流入額を記録し、11月11日には295百万ドルに到達した。
この資金流入の大部分は、フィデリティのEthereum Fund(FETH)が占めており、同ファンドは115.5百万ドルの流入を獲得した。さらに、ブラックロックのiShares Ethereum Trust ETF(ETHA)も101百万ドルを集め、イーサリアム関連のETFが投資家からの高い関心を集めていることが浮き彫りとなっている。
米国初のスポットETH ETFへの関心が高まる背景には、仮想通貨市場の成熟が進んでいることや、投資家の選択肢が拡大していることがあると考えられる。ETH ETFが安定的な投資対象として認識されることで、ETHの需要が継続して高まる可能性がある。この流入傾向が長期的に続くかどうかはまだ未知数であるが、現時点での高水準の資金流入はETH価格のさらなる上昇を後押しする要因となり得る。
イーサリアム需要の高まりとネットワークの活性化
イーサリアムネットワーク上の需要は、この1週間で顕著に増加している。CryptoQuantのデータによると、イーサリアムのアクティブアドレス数(DAA)は、11月5日の306,751から11月12日には388,350に増加し、26%の成長を示した。これに加え、DappRadarの情報によれば、過去7日間でイーサリアムの分散型アプリケーション(DApp)におけるアクティブユーザー数も8%増加している。
DeFi市場やNFT取引の指標も上昇を見せており、イーサリアムネットワーク全体が再び成長軌道に乗っていることがうかがえる。この需要増加は、単なるETH価格の上昇にとどまらず、ネットワークとしての拡張性や実用性の評価にも繋がるものであり、投資家や開発者の注目を集めている。ETHが4,000ドルに達する可能性については確定的ではないが、現在の市場動向が続くならば、さらなる価格上昇が期待されると考えられる。