Appleの最近の行動から、同社がメタバースならびにWeb3へ力点を置くのではないか、と海外では噂されている。

Apple、非代替不可能トークン(NFT)への新たな対応策

Appleが非代替不可能トークン(NFT)の取り扱いにおけるポリシーを変更し、AXI Infinityと連携することを発表した。これは、ネイティブNFTに対してこれまで採用していた姿勢から大きく変わったものであり、メタバースとNFTの重要性をAppleが認識していることを示している。

参考:Apple “Join the Axie Infinity”

AXI Infinityをプラットフォームに迎えることで、Appleはブロックチェーンベースの体験を更に拡大し、メタバースへのシフトを可能にする一方で、次世代のWeb3とNFT文化に注目を集めている。

Web3とメタバースへのシフトを示す動き

WWDC23での新型ヘッドセット発表に関する噂は、Appleがこの新たな領域に積極的に進出しようとしている証左となっている。具体的な情報はまだ少ないが、業界関係者からは、Appleの拡張現実(AR)と仮想現実(VR)への進出が、メタバースへの関心と一致する可能性が示唆されている。ARとVR機能を備えたヘッドセットの提供は、メタバースへの更なる入口を開く可能性がある。

そして、”XrOS”という名前の登録は、Appleがメタバースに深く関与している可能性を一層強めている。”XrOS”は拡張現実(XR)、つまりARとVRの機能を統合したものを指し、Apple社内からBloombergへのリークにより確認されたこの名前は、メタバースの概念と一致している。

Appleが複数の国で”xrOS”を商標登録していることから、メタバース関連の体験をサポートするための独自のオペレーティングシステムを開発する意図が見て取れる。

これらの動きは全て、AppleがWeb3の技術を受け入れ、メタバースとの統合を深める可能性を示している。Web3は分散型システム、ブロックチェーン、そしてユーザーの所有権という特徴を持ち、メタバースが目指す、没入感のあるデジタル空間と親和性が高い。よりWeb3指向のアプローチを採用することで、Appleはユーザーに対し、メタバース内でのデジタルアイデンティティ、所有物、体験についての更なるコントロールを与えることができるとされている。

Appleの具体的な計画や戦略は依然として明らかにされていないが、AXI Infinity: OriginsをApp Storeに登録したこと、新型ヘッドセットの発表の噂、そして”xrOS”の登録など、同社の行動はよりメタバース指向の方向性を示している。

AppleのWeb3とメタバース戦略:革新の一歩または単なる足跡か

Appleの最新の動きは、世界のデジタルランドスケープが急速に変化する中で、同社がこれまでの成功の源泉から革新的な新たな方向性へと舵を切る試みであると見ることができる。同社がAXI Infinityとの提携を発表したこと、新型ヘッドセットの噂が流れていること、そして”xrOS”の商標登録を進めていることは、全て同社がWeb3とメタバースの可能性に目を向けている証拠だ。

しかしながら、Appleが成功を収めるためには、ただ新たな技術を追い求めるだけでなく、既存の強みとこれら新たな領域をどのように統合するかが重要となる。特に、Appleの強みである利便性と直感的なユーザー体験を維持しつつ、新たな領域への適応を図ることは同社の大きな挑戦となるだろう。

さらに、同社がブロックチェーンとNFTに対する包括的な規制や、個々のユーザーが自身のデジタルアイデンティティと所有物をどのように管理するかというWeb3の観念にどう対応するかも、Appleの成功がかかっている重要な要素となる。

現時点では、AppleがWeb3とメタバースに対する深い理解と独自のビジョンを持つことが求められている。それによってのみ、同社はこれら新たな領域に存在感を示し、競争優位性を維持し、ユーザーに対して新たな価値を提供することが可能となるだろう。それが達成されなければ、これらの動きは単なる足跡にすぎなくなる可能性もある。

メタバースの可能性を認識し、その未来形成における主要な役割を果たすことを目指すAppleの戦略は、その会社自体と世界中の何百万人ものユーザーにとって、広範な影響を及ぼす可能性がある。メタバースとWeb3との連携の未来は大いに期待が持て、デジタル体験の境界を再定義することになるだろう。

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