Apple Watch Series 10とGoogle Pixel Watch 3は、最新のスマートウォッチとして注目を集めている。それぞれに独自の強みがあるが、実際の性能にどのような差があるのか。本記事で、Digital Trendsのライターが実施した両デバイスを用いた1マイルの歩行テストを元に考察する。
テストの結果、Apple Watchはトラッキング精度やユーザーフレンドリーなデータ表示で優れていた一方、Pixel Watchは心拍数測定の正確性で高い評価を得た。特に距離やカロリー消費量の記録には差が生じ、両者が採用するアルゴリズムやセンサー技術の違いが浮き彫りになった。
このテストから、どちらのスマートウォッチがユーザーの目的に適しているかは、使用シーンや重視するポイントによることが明らかになった。
Apple Watch Series 10とPixel Watch 3のセンサー技術に見る測定精度の課題
Apple Watch Series 10とGoogle Pixel Watch 3では、データ計測の精度に差異が生じている。Pixel Watch 3は心拍数測定の正確性で定評があり、1秒ごとにデータを収集する設計が細やかな記録を可能にしている。一方で、距離やカロリー消費量の記録においては、Apple Watch Series 10の方がより現実に近い結果を反映していると評価されている。
ドバイで行われた歩行テストでは、Pixel Watch 3が記録した1.16マイルに対し、Apple Watch Series 10は0.95マイルを記録し、実際の移動距離1.02マイルとの差が顕著であった。これは、センサーが歩行運動をどのように捉えるかという技術的な違いが原因であると考えられる。
ワークアウトオプションの柔軟性とGPS利用に見る実用性の違い
Apple Watch Series 10は、ウォーキングについても屋内および屋外のワークアウトオプションを備え、利用シーンに応じた柔軟性を提供している。GPSについては、Apple Watchは屋内での利用時にGPS機能が無効化される仕様であるのに対し、Pixel Watch 3は一貫してGPSデータを記録する。
実際のテストでは、Apple Watch Series 10の屋内モードがGPSルートを記録しなかったことが利便性において課題となった。これに対し、Pixel Watch 3は屋内外の切り替えに影響されずにトラッキングを行えたが、データ表示の直感性に欠けていたとされる。
長期的なユーザーデータ活用の可能性と今後の課題
Apple Watch Series 10が長期的なデータ記録を重視する一方、Pixel Watch 3はリアルタイムの詳細な計測が得意だと評価されている。この違いは、データの信頼性と利用価値に大きく関与している。たとえば、Apple Watchは過去の利用データを基にカロリー消費量を算出しており、ユーザーに対するパーソナライズが進んでいる。
一方、Pixel Watch 3は運動中の即時的なデータ記録に優れ、特に短期間の集中トラッキングを求めるユーザーに適している。しかし、Fitbitアプリを介してのデータ確認において、更新の遅延や操作性に課題が残ることも指摘されている。
これからのスマートウォッチ市場では、正確性だけでなく、ユーザーがいかに自身のデータを活用できるかが競争の軸となるだろう。今後は、双方のアプローチを組み合わせた統合型のデバイスが求められるのではないだろうか。