ビットコインが過去最高値の10万3,363ドルを記録したことで、デジタル資産の新たな可能性が浮上している。
スタンダードチャータード銀行やバーンスタインの予測によると、ビットコインは2025年末までに20万ドルに到達する可能性がある。
主な要因としては、ビットコインが「価値の保管手段」として注目されており、金に代わる低相関資産として経済不安のヘッジ手段と見なされている点が挙げられる。
さらに、トランプ前大統領が暗号資産支持派を要職に任命するなど、米国政府の政策が追い風となっている。
この上昇を見込むなら、企業株式を通じた間接的な投資も選択肢として考えられるだろう。
ビットコイン高騰の背景 金融不安と新たな「デジタル資産」への移行
ビットコインが過去最高値を記録し、2025年末には20万ドルに達する可能性が指摘される背景には、世界経済の不安定さと金融資産の新たな動向がある。
D.A.デイヴィッドソンのアナリストは「ビットコインは価値の保管手段として台頭しており、金に代わる低相関資産として注目されている」と強調する。従来、金融市場が不安定になると投資家は金に資金を逃がしてきたが、今やデジタル資産への移行が顕著になりつつある。
経済不安によりビットコインが「デジタルゴールド」として支持される背景には、分散型であり政府の影響を受けにくいという特性がある。特に地政学リスクが高まる場面やインフレ懸念が強まる時期には、資産の一部を仮想通貨にシフトする動きが広がっている。こうした状況が、従来型金融資産との相関性を低くし、独自の資産価値を持たせている要因となっている。
さらに、企業の積極的な投資姿勢もビットコインの成長を後押ししている。MicroStrategyは402,100ビットコインを保有し、同社株価はビットコインの価格に強く連動している。デジタル資産への長期投資を打ち出す企業の存在は、金融市場におけるビットコインの地位を強固なものにしていると言えるだろう。
米国政策がもたらす影響 トランプ前政権の暗号資産推進戦略
トランプ前大統領による暗号資産支持派の任命は、米国市場の動向に大きな影響を与える可能性がある。ポール・アトキンス氏が米国証券取引委員会(SEC)の新議長に就任した場合、ビットコインや他の仮想通貨に対する規制緩和が進むと見られている。米国が「地球上の暗号資本」になることを目指すとされるトランプ前政権の戦略は、投資家の期待を一層高める要因となっている。
SECの方針転換に加え、米政府がビットコインの備蓄を進める可能性や、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入を抑制する政策が発表されれば、市場への影響は計り知れない。これにより、米国が暗号資産市場のリーダーシップを確立し、グローバルな投資マネーが一層流入する流れが生まれるかもしれない。
一方で、暗号資産に対する政策変動が続く現状では、不確実性も残る。仮にトランプ前政権が掲げる暗号資産推進政策が実行されれば、市場は新たな段階に突入する可能性が高いが、逆に政権交代や規制強化のシナリオも排除はできない。米国政策の方向性がビットコイン価格に与える影響は極めて大きく、注視が必要だろう。